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99.対処をお願いしてみましょう

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 結局、ウィリアム殿下の婚約者候補の四人は、王太子妃教育を受けているらしい。

 四人とも淑女教育は問題なく、時間さえかければ王太子妃教育も終えるだろうとのことだ。

 ただ・・・
残念ながら四人ともあまり乗り気でないらしい。

 国王陛下からの王命に近いで、仕方なく候補にはなったけど、とにかくウィリアム殿下との関係がよろしくないらしい。

 週七日のうち、四日はそれぞれ四人と一人ずつ、残り二日は二人ずつと、一日は五人でお茶会をしているらしいけど、とにかくウィリアム殿下とまともに会話がないそうだ。

 まぁ、ね。
年上や同い年のご令嬢なら、生まれながらの婚約者であった私との婚約解消のも知っているし?

 そうまでして結ばれたはずの男爵令嬢を、ウィリアム殿下ので男爵家に送り返したことも知っている。

 そんな人の婚約者や妻に、誰がなりたいと思うのよ。

 せめて男爵令嬢を支えるか、自分が王太子をおりるという男気を見せていれば、男爵令嬢と別れていても望んでくれる令嬢だっていたでしょうに。

 これは本気で慣習を撤廃すべきでは?

 でも、他国の人間になった私やお父様が進言するのもおかしな話だし、ミリア様は有言実行でシェリエメール帝国に向かわれたし。

「何だか放置しておくと、リュカとの結婚までの一年間、ずっと不安な気がしますわ」

「・・・でしたら、レオナルド様にご相談してみてはいかがでしょう?」

 私は現在、王宮でエヴァリーナ様とお茶をしながらお話をしている。

 え?王太子殿下?
現在は公務中よ。

 あの方、本当にエヴァリーナ様を溺愛なさっていて、手が空いたらすぐに来られるのよね。

 まぁ、王太子殿下とその婚約者様が仲睦まじいのは、臣下として嬉しいことだけど。

「でも他国のことですし、クライゼン王国が口出しして、問題にならないでしょうか?」

「レオナルド様はそのあたりの駆け引きはお上手みたいですから、大丈夫だと思いますよ」

 確かに優秀な方よね。
なら、お願いしてみようかしら。

「お邪魔かな?」

 しばらくすると、ノックの後に王太子殿下がお顔を見せた。

 本当に、エヴァリーナ様のことを大切にされているのね。

 フランチェスカ様の時に公務重視にしていたら浮気されたから、改善されているということかしら?

 アレは本人の資質の問題だと思うけれど、でもエヴァリーナ様は他国から嫁いで来られるし、気遣って差し上げるにこしたことはないわね。

「レオナルド様、ちょうど良かったですわ」

「うん?何か用かな?」

「ええ。アイシュ様のためにお願いを聞いていただきたいのです」

「リーナのお願いで、フローレンス嬢のためなら是非聞かせてもらうよ」

 まぁ。仲睦まじくてよろしいわね。


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