上 下
78 / 105

78.近衛?いきなり何ですか?

しおりを挟む
 顔合わせも無事に終わり、現在王太子殿下はアンブレラ王国の国王陛下を筆頭に王太子殿下や王子殿下たち男性陣、私やエヴァリーナ殿下は王妃様や王太子妃殿下たち女性陣に捕まっている。

 いや。
本当に、お茶会とかって可愛いレベルじゃないのよ。
 質問攻めなんだもの。

 ちなみにリュカも、殿下と一緒に王太子殿下たちに捕まっているわ。

 まぁ、王宮で他国の公爵令嬢に何かしてくることはないと思うからいいけれど。

 エヴァリーナ殿下のご兄弟は、二十三歳の王太子殿下を筆頭に、二十歳の王子、十八歳の王女、十五歳の王子、十歳の王子、八歳の双子の王女だそうだ。

 二十歳の王子は公爵家に婿入り、十八歳の王女は他国に嫁入りしていて不在だけど、なんていうか・・・仲良し家族って感じがするわ。

 だって質問が、クライゼンの王太子殿下のことなんだもの。

 その関係で、私の婚約のことも話す羽目になってしまったけど、ご家族の皆さんは十三歳のエヴァリーナ殿下が遠く離れたクライゼン王国に嫁ぐことが気がかりなのね。

 自国なら、虐げられたりしていたらすぐに分かるし、顔もマメに見れるけれど、遠い他国だと心配よね。

 でも、あの王太子殿下と国王陛下や王妃様なら、きっとエヴァリーナ殿下を大切にして下さると思うわ。

「クライゼン王国の国王陛下と王妃殿下、レオナルド王太子殿下は、王族としても人としても、尊敬できる方々ですわ。私と第二王子殿下の婚約解消に、とても誠実に対処して下さいました。それに、この婚約が決まった時、アンブレラ王国の皆様からだけでなく、クライゼン王国からもたくさんのお礼が送られて来たんです。それは、クライゼン王国がこの婚約を心から喜んでいる証拠だと思いますわ」

 クライゼン王国の王太子殿下は本当に素晴らしい方だけど、ご年齢と家格の合うご令嬢がいなくて、困ってらしたのよね。

 だから、フランチェスカ様が婚約者になったと聞いたもの。

 エヴァリーナ殿下は年齢がだいぶ離れているけど、とてもしっかりしていて、サウスフォード王国があの女好きを支える役目をさせようとしてたくらいだもの。

 きっとご成婚できる年齢になる頃には、歳の差なんか気にならないくらいの、お似合いの二人になると思うわ。

「残念だわ。うちの王子たちは全員婚約者がいるのだもの。フローレンス様のように気遣いのできる優秀でお優しいご令嬢に娘になって欲しかったわ」

「駄目ですわ、お母様。フローレンス様はイルヴァレーノ様と結婚なさるのです!」

「イルヴァレーノ様って、あの騎士の?まぁぁ!素敵!確か男爵家の出とおっしゃっていましたわね。公爵令嬢であるフローレンス様と結婚なさるなら・・・そうですわ!うちの王太子の近衛になりませんこと?一ヶ月ほど滞在してくだされば、近衛の称号を与えますわ。王族の近衛なら、身分不相応と言われませんでしょう?」

 えええ?
王妃様、いきなり何を言い出すの?




 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者が知らない女性とキスしてた~従順な婚約者はもう辞めます!~

ともどーも
恋愛
 愛する人は、私ではない女性を抱きしめ、淫らな口づけをしていた……。  私はエスメローラ・マルマーダ(18)  マルマーダ伯爵家の娘だ。  オルトハット王国の貴族学院に通っている。  愛する婚約者・ブラント・エヴァンス公爵令息とは七歳の時に出会い、私は一目で恋に落ちた。  大好きだった……。  ブラントは成績優秀、文武両道、眉目秀麗とみんなの人気者で、たくさんの女の子と噂が絶えなかった。 『あなたを一番に愛しています』  その誓いを信じていたのに……。  もう……信じられない。  だから、もう辞めます!! 全34話です。 執筆は完了しているので、手直しが済み次第順次投稿していきます。 設定はゆるいです💦 楽しんで頂ければ幸いです!

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない

曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが── 「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」 戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。 そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……? ──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。 ★小説家になろうさまでも公開中

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?

曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」 エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。 最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。 (王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様) しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……? 小説家になろう様でも更新中

報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜

矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』 彼はいつだって誠実な婚約者だった。 嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。 『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』 『……分かりました、ロイド様』 私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。 結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。 なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。

あなたへの想いを終わりにします

四折 柊
恋愛
 シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)

寡黙な貴方は今も彼女を想う

MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。 ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。 シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。 言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。 ※設定はゆるいです。 ※溺愛タグ追加しました。

私のことを愛していなかった貴方へ

矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。 でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。 でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。 だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。 夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。 *設定はゆるいです。

処理中です...