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67.交渉します
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「マデリーン王国フローレンス公爵家のご令嬢様?」
自己紹介をした私に、アンブレラ王国第五王女殿下のエヴァリーナ・アンブレラ様はほんの少し小首を傾げた。
とても十三歳とは思えないほどの大人びた容姿。
燃えるような深紅の髪は真っ直ぐで、腰あたりまで伸びている。
その瞳はルビーのように煌めいていて、意志の強さを感じさせる。
それでいて、小首を傾げた仕草が可愛らしく感じた。
エヴァリーナ王女殿下はまだ十三歳だ。
どれだけしっかりしていようと、十三歳なのだ。
「はい。アンブレラ王国王女殿下。お会いできて光栄ですわ」
「お名前は存じ上げておりますわ。こちらこそお会いできて嬉しいです」
「私、今色々な国を旅しているのですけど、王女殿下に少しお耳に入れたいことがあって、お時間をいただければと思いましたの。良いお店がありますのよ。お茶でもいかがですか?」
私は、王女殿下がサウスフォード王国の王宮に着いて早々に声をかけた。
フレド様にお願いして、例のレストランを借りることにしている。
あの店、紅茶も美味しかったし、密談ができるから最適なのよね。
「・・・分かりました。ご一緒させてくださいませ」
何故婚約が結ばれたのか、そのあたりのことはフレド様からお聞きしている。
いくら王太子有責といっても、息子に甘い王妃殿下と事なかれ主義の国王陛下では、婚約破棄後に援助は難しいだろう。
幸いにも、マデリーン王国の国王陛下は私にお優しいし、フローレンス公爵家も多少のゆとりくらいはある。
クライゼン王国の国王陛下と王太子殿下も、一応アスラン殿下の件で貸しがあるから、アンブレラ王国への援助もしてくださるとお約束してくださった。
我が国とクライゼン王国で折半して援助すれば、王女殿下はあのロクデナシに嫁がなくて済むのよね。
どうして王族という、一番政略結婚を理解していなければならない立場なのに、揃いも揃って浮気するのかしらね。
王族がかかる病気なのかしら。
でも、クライゼン王国の王太子殿下はマトモだったわ。
私も多少は傷ついたけど、私の場合はリュカという信じられる人間がそばにいたからあれだけど、十三歳の若い美空で男性に幻滅することないわよね。
例のレストランに着き、前回同様の部屋を借りる。
紅茶と焼き菓子を出してもらい、店長が退出した時点で口開く。
ちなみに、リュカもだけど王女殿下の護衛騎士も同席してもらっている。
何もしないけど、初顔合わせの私のことを信用しろとは言えないものね。
自己紹介をした私に、アンブレラ王国第五王女殿下のエヴァリーナ・アンブレラ様はほんの少し小首を傾げた。
とても十三歳とは思えないほどの大人びた容姿。
燃えるような深紅の髪は真っ直ぐで、腰あたりまで伸びている。
その瞳はルビーのように煌めいていて、意志の強さを感じさせる。
それでいて、小首を傾げた仕草が可愛らしく感じた。
エヴァリーナ王女殿下はまだ十三歳だ。
どれだけしっかりしていようと、十三歳なのだ。
「はい。アンブレラ王国王女殿下。お会いできて光栄ですわ」
「お名前は存じ上げておりますわ。こちらこそお会いできて嬉しいです」
「私、今色々な国を旅しているのですけど、王女殿下に少しお耳に入れたいことがあって、お時間をいただければと思いましたの。良いお店がありますのよ。お茶でもいかがですか?」
私は、王女殿下がサウスフォード王国の王宮に着いて早々に声をかけた。
フレド様にお願いして、例のレストランを借りることにしている。
あの店、紅茶も美味しかったし、密談ができるから最適なのよね。
「・・・分かりました。ご一緒させてくださいませ」
何故婚約が結ばれたのか、そのあたりのことはフレド様からお聞きしている。
いくら王太子有責といっても、息子に甘い王妃殿下と事なかれ主義の国王陛下では、婚約破棄後に援助は難しいだろう。
幸いにも、マデリーン王国の国王陛下は私にお優しいし、フローレンス公爵家も多少のゆとりくらいはある。
クライゼン王国の国王陛下と王太子殿下も、一応アスラン殿下の件で貸しがあるから、アンブレラ王国への援助もしてくださるとお約束してくださった。
我が国とクライゼン王国で折半して援助すれば、王女殿下はあのロクデナシに嫁がなくて済むのよね。
どうして王族という、一番政略結婚を理解していなければならない立場なのに、揃いも揃って浮気するのかしらね。
王族がかかる病気なのかしら。
でも、クライゼン王国の王太子殿下はマトモだったわ。
私も多少は傷ついたけど、私の場合はリュカという信じられる人間がそばにいたからあれだけど、十三歳の若い美空で男性に幻滅することないわよね。
例のレストランに着き、前回同様の部屋を借りる。
紅茶と焼き菓子を出してもらい、店長が退出した時点で口開く。
ちなみに、リュカもだけど王女殿下の護衛騎士も同席してもらっている。
何もしないけど、初顔合わせの私のことを信用しろとは言えないものね。
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