62 / 105
62.これって流行なの?
しおりを挟む
この国の王太子殿下と、見知らぬ女性との逢瀬らしきものを見た日の翌日。
私は再び、彼らを目撃することになった。
「ねぇ、リュカ。王族は不貞行為をするのが流行りなのかしらね」
彼女がサウスフォード王国王太子殿下の婚約者なわけがないと、私は判断した。
アンブレラ王国第五王女殿下との婚約がどうなったのかはわからない。
もしかしたら解消されたのかもしれない。
でも、彼女は少なく新たなとも婚約者ではない。
所作が、貴族のソレではないのよ。
平民か、もしくは下位の男爵家とかのご令嬢だと思う。
口を開けて明るく笑い、殿下の腕に腕を絡め、先日リュカと分け合って食べたのとは違うお菓子らしきものを、歩きながら平気で口にする。
他国とはいえ、貴族令嬢の嗜みはどこも似たようなもの。
下位で、親が甘やかしていればあのような言動をすることもあるかもしれないけど、高位貴族ではあり得ないわ。
サウスフォード王国の王族に嫁げるのは、公爵家か他国の王族となっていたはず。
ということは・・・
浮気よね?
ウィリアム殿下といい、アスラン殿下といい、王族って婚約者がいながら浮気せずにいられない生き物なのかしら?
いえ。
サウスフォード王国の王太子殿下は、ちゃんと婚約を解消してからお付き合いしてるのかもしれないけど。
勝手に嫌悪感を抱いたらダメね。
それに私には関係のないことだわ。
「お嬢、護衛の騎士に気付かれたようです。行きましょう」
「それはマズイわね。寄っては来ないだろうけど、面倒に巻き込まれるのは嫌だわ」
リュカに促され、彼らと逆方向へと進む。
これは早めに王都を出た方が良さそうね。
別にこの国にこだわりはないから、明日の朝、早めに宿を出る準備をしましょう。
宿に戻り、急だけど明日の早朝にここを出ると女将さんに伝える。
乗合馬車の出立時刻は、宿に戻る途中で調べてきた。
この国の乗合馬車は、日が落ちると危険だから夕方までに折り返して街に戻れる時間しか動いてないのよね。
そのため、この時間にはこの街から出る乗合馬車はない。
今から急に、馬を買うというわけにもいかないし、荷物は少なめにしてはいるけど、馬にそんな負担を掛けられないわ。
馬車を買うべきかしら。
でも、馬車だといけない場所も出てくるのよね。
とにかく早朝に出発するため、早めに夕食を終えて就寝することにした。
そして、翌朝・・・
乗合馬車乗り場で私たちを待っていたのは、あの王太子殿下の護衛騎士だった。
私は再び、彼らを目撃することになった。
「ねぇ、リュカ。王族は不貞行為をするのが流行りなのかしらね」
彼女がサウスフォード王国王太子殿下の婚約者なわけがないと、私は判断した。
アンブレラ王国第五王女殿下との婚約がどうなったのかはわからない。
もしかしたら解消されたのかもしれない。
でも、彼女は少なく新たなとも婚約者ではない。
所作が、貴族のソレではないのよ。
平民か、もしくは下位の男爵家とかのご令嬢だと思う。
口を開けて明るく笑い、殿下の腕に腕を絡め、先日リュカと分け合って食べたのとは違うお菓子らしきものを、歩きながら平気で口にする。
他国とはいえ、貴族令嬢の嗜みはどこも似たようなもの。
下位で、親が甘やかしていればあのような言動をすることもあるかもしれないけど、高位貴族ではあり得ないわ。
サウスフォード王国の王族に嫁げるのは、公爵家か他国の王族となっていたはず。
ということは・・・
浮気よね?
ウィリアム殿下といい、アスラン殿下といい、王族って婚約者がいながら浮気せずにいられない生き物なのかしら?
いえ。
サウスフォード王国の王太子殿下は、ちゃんと婚約を解消してからお付き合いしてるのかもしれないけど。
勝手に嫌悪感を抱いたらダメね。
それに私には関係のないことだわ。
「お嬢、護衛の騎士に気付かれたようです。行きましょう」
「それはマズイわね。寄っては来ないだろうけど、面倒に巻き込まれるのは嫌だわ」
リュカに促され、彼らと逆方向へと進む。
これは早めに王都を出た方が良さそうね。
別にこの国にこだわりはないから、明日の朝、早めに宿を出る準備をしましょう。
宿に戻り、急だけど明日の早朝にここを出ると女将さんに伝える。
乗合馬車の出立時刻は、宿に戻る途中で調べてきた。
この国の乗合馬車は、日が落ちると危険だから夕方までに折り返して街に戻れる時間しか動いてないのよね。
そのため、この時間にはこの街から出る乗合馬車はない。
今から急に、馬を買うというわけにもいかないし、荷物は少なめにしてはいるけど、馬にそんな負担を掛けられないわ。
馬車を買うべきかしら。
でも、馬車だといけない場所も出てくるのよね。
とにかく早朝に出発するため、早めに夕食を終えて就寝することにした。
そして、翌朝・・・
乗合馬車乗り場で私たちを待っていたのは、あの王太子殿下の護衛騎士だった。
256
お気に入りに追加
2,789
あなたにおすすめの小説

【完結】婚約者様、王女様を優先するならお好きにどうぞ
曽根原ツタ
恋愛
オーガスタの婚約者が王女のことを優先するようになったのは――彼女の近衛騎士になってからだった。
婚約者はオーガスタとの約束を、王女の護衛を口実に何度も破った。
美しい王女に付きっきりな彼への不信感が募っていく中、とある夜会で逢瀬を交わすふたりを目撃したことで、遂に婚約解消を決意する。
そして、その夜会でたまたま王子に会った瞬間、前世の記憶を思い出し……?
――病弱な王女を優先したいなら、好きにすればいいですよ。私も好きにしますので。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。

報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜
矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』
彼はいつだって誠実な婚約者だった。
嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。
『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』
『……分かりました、ロイド様』
私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。
結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。
なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。
※この作品の設定は架空のものです。
※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。

あなたへの想いを終わりにします
四折 柊
恋愛
シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)

恋人が聖女のものになりました
キムラましゅろう
恋愛
「どうして?あんなにお願いしたのに……」
聖騎士の叙任式で聖女の前に跪く恋人ライルの姿に愕然とする主人公ユラル。
それは彼が『聖女の騎士(もの)』になったという証でもあった。
聖女が持つその神聖力によって、徐々に聖女の虜となってゆくように定められた聖騎士たち。
多くの聖騎士達の妻が、恋人が、婚約者が自分を省みなくなった相手を想い、ハンカチを涙で濡らしてきたのだ。
ライルが聖女の騎士になってしまった以上、ユラルもその女性たちの仲間入りをする事となってしまうのか……?
慢性誤字脱字病患者が執筆するお話です。
従って誤字脱字が多く見られ、ご自身で脳内変換して頂く必要がございます。予めご了承下さいませ。
完全ご都合主義、ノーリアリティ、ノークオリティのお話となります。
菩薩の如き広いお心でお読みくださいませ。
小説家になろうさんでも投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる