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14.意外なことをお聞きしました

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 ミリア王女殿下からの情報を受けて、お父様とお母様に相談することにした。

 婚約を解消するために、不貞の証拠を集めるとお父様はおっしゃっていたから、その時にはミリア殿下の侍女の方が掴んだ証拠を出していただけるよう、殿下にはお願いした。

 王妃様のお考えは理解ったけど、国王陛下はどうお考えなのかしら?

 ミリア殿下は、ウィリアム殿下が王妃様と同じように私を正妃になどと考えてはいないとおっしゃった。

 私もそう思う。

 あの人は、王族なのによく言えば裏表がない、悪く言えば単純で深く物事を考えない。

 だから、判断が出来ていない。

 王太子の座を辞して恋に生きるにしても、フローレンス公爵家を敵に回す行動をするべきじゃなかったのだ。

 誠心誠意、私とフローレンス公爵家に詫びて、自分の味方に付けてから、男爵令嬢との恋を貫けば良かったのだ。

 私とウィリアム殿下は、生まれた時からの婚約者。
 つまりは恋愛感情がお互いにない。

 相談してくれれば、婚約の解消に応じたし、なんなら恋のお相手の後ろ盾になることだって考えてあげたのに。

「そうか。側妃殿下も王女殿下もご存知なのだな」

「はい」

「そして王妃殿下は、アイシュを正妃にするおつもりだと」

「はい」

 私の話を聞いて、お父様はしばらく考え込まれていたが、やがて意を決したように口を開かれた。

「実はな、国王陛下とお話したのだが、アイシュに縁談があるそうなのだ。隣国クライゼンの第二王子殿下を覚えているか?」

「クライゼンの・・・第二王子、アスラン様?」

 私が五歳の頃に、フローレンス公爵家でお預かりしていたクライゼン王国の第二王子殿下。

 その頃、クライゼン王国は国内が荒れていて、三年ほど王子殿下や王女殿下は他国へ避難させられていた。

 我が国でお預かりしていたのが、アスラン殿下だった。

 王家でなく公爵家でお預かりしていたのは、クライゼンの国王陛下とお父様がご学友だった関係なの。

 私とアスラン様が仲良くしていても、ウィリアム殿下がヤキモチを妬かれることはなかった。

 良い友達が出来て良かったね、っておっしゃってたわ。

 今思うと、やっぱりウィリアム殿下は私に恋はしていなかったのね。

「どうして、私に?私はウィリアム殿下の婚約者です。それなのに」

「どうやらクライゼン王国は、我が国に諜報を放っているらしいな。殿下の様子を聞いたあちら側から提案があったらしい。クライゼン王国からの求婚に、婚約者を替えるしかなかったとな」

 確かにそれなら、王家やウィリアム殿下が責められることはないだろう。
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