2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな

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番外編:悪役令嬢も悪くない〜シャルロット視点〜

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「アリスティア様・・・本当にお綺麗でしたわ」

 ジークハルト王太子殿下とアリスティア公爵令嬢様、もう王太子妃殿下ですわね、の結婚式はとても華やかでした。

 この世界のウエディングドレスは白と決まっているわけではないですが、、銀糸の刺繍が入った真っ白のドレス姿のアリスティア様は女神のようで、新郎のジークハルト殿下もうっとりとされていました。

 ラノベの中では、エリック王太子殿下に婚約破棄され、処刑されてしまうアリスティア様。

 そして、私もジークハルト殿下から婚約破棄され処刑される運命でした。

 ヒロイン至上主義のラノベでは、悪役令嬢は修道院に送られたり処刑されたりと酷い扱いです。

 基本、王太子殿下の婚約者であるご令嬢は高位貴族。

 その高位貴族のご令嬢が、下位貴族や平民のヒロインに婚約者を奪われて、それを注意したからってどうしてそんな酷い目に遭わなくてはいけないのでしょうか?

 そもそも、婚約者がいながら『浮気』をする王太子に問題があると思います。

 もし本当に悪質なイジメをしたとしても、何故浮気をした王太子殿下や、ちょっかいを出したヒロインは許されて、悪役令嬢は許されないのでしょうか?

 悪役令嬢になりたくてなる人なんていないのに。

 それでも物語の強制力を警戒して、私はジークハルト殿下の婚約者候補から下りることにしました。

 ヒロインたちが転生者で、しかも脳内がお花畑で本当に良かったです。

 おかげで、アリスティア様も私も、ストーリーとは別の、本当に愛おしいと思える相手と婚約することが出来たのですから。

「僕は、シャルロットのウエディングドレス姿が早く見たいな」

「私もカール様の礼服姿を早く見たいですわ」

 私とカール様は来月に婚姻することになっていて、今は準備に大忙しです。

 最初は、断罪を避けるために結んだ婚約だったのですが・・・

 私を甘やかして、私を誰よりも大切にしてくれて、私を誰よりも愛してくれるカール様を、今は私も大好きでとても大切です。

「本当にシャルロットは可愛いなぁ。シャルロットが殿下の婚約者候補から下りてくれて本当に良かった」

「私カール様と婚約出来て、本当に嬉しいです。それに、今は婚約者候補をおりて本当に良かったと思うんです。だって、アリスティア様があんなにお幸せそうだから」

 アリスティア様には、私のように前世の記憶はありません。

 だけど、そんなものなくたってアリスティア様はちゃんと幸せを掴み取られた。

 ヒロインは退場し、悪役令嬢は本当の幸せと愛を手にいれました。

 ふふっ。
そんな悪役令嬢が幸せになるお話も悪くありませんわよね?



 
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