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返答待ちですわ
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お二人ともずっと喚いていらっしゃいましたけど、騎士たちに引きずられて会場から退出しました。
皆様、少しお疲れのご様子です。
仕方ありませんわね、本当に酷かったですもの。
伯父様が、パン!と両の手を鳴らしました。
「騒がせてすまない。さぁ!王太子の婚約披露と、公爵令息の結婚披露だ。楽しく過ごしてくれ」
皆様その言葉で、ホッと息を吐かれて楽しそうに歓談が始まります。
わたくしも傍のジーク様を見上げました。
「やれやれだ。まだ後始末は残っているが、今日はアリスとの婚約を皆に周知できる大切な日だ。まずは、義兄上にお祝いを言いに行こうか?」
「ふふっ。そうですわね」
わたくしの婚約解消や諸々で、先延ばしになっていたお兄様とキャスリーン様の結婚披露ですもの。
「お兄様。キャスリーンお義姉様」
「アリスティア。殿下」
「おめでとうございます、お兄様、お義姉様」
「ありがとう、アリスティア。それから、おめでとう。殿下、アリスティア」
お互いにお祝いを言い合っておりますと、お父様やお母様もいらっしゃいました。
「お疲れ様、アリスティア」
「お母様」
お疲れ様?ああ、あの方々の相手に疲れただろうとおっしゃっているのね。
「ふふっ。わたくしより、シャルロット様の方がお疲れになったと思いますわ」
シャルロット様にも労いの言葉を・・・ああ。ブラシール様が甲斐甲斐しくお世話をしていらっしゃいますわ。
お邪魔になってはいけませんから、後ほどにいたしましょう。
「それでお父様。あのお二人はどうなりますの?」
「とりあえず、セオドア王国からの返答が来るまでは貴族牢に入れておく。あれでも一応まだ他国の王族と貴族だからな。返答後に平民になったら、シュワルミット王国に奴隷として送る」
「エリサさんとご一緒?」
「ああ。あの国の奴隷は厳しく管理される。一度入れば二度と戻っては来れない」
ジーク様のお答えに、驚きました。
三人ともまだ十六歳ですのに、一生奴隷のままですの?
同情はいたしません。
あの方々は貴族には向いていなかった、そう思います。
ですが、一生奴隷というのは・・・
「奴隷でなくなることはないが、それでもちゃんと過ごしていれば、食事にも寝る場所にも困らない。シュワルミットの奴隷区画から出れない、というだけさ」
「そう・・・なのですね。仕方ありませんわね。何度も警告はいたしましたもの。ご自分のなさったことの責任は取りませんと」
「そういうことよ。アリスティアが気にする必要はないわ。あとは、私たちで処理しておくから」
お母様の言葉に頷きます。
セオドア王国はどんな返答をするのかしら?
皆様、少しお疲れのご様子です。
仕方ありませんわね、本当に酷かったですもの。
伯父様が、パン!と両の手を鳴らしました。
「騒がせてすまない。さぁ!王太子の婚約披露と、公爵令息の結婚披露だ。楽しく過ごしてくれ」
皆様その言葉で、ホッと息を吐かれて楽しそうに歓談が始まります。
わたくしも傍のジーク様を見上げました。
「やれやれだ。まだ後始末は残っているが、今日はアリスとの婚約を皆に周知できる大切な日だ。まずは、義兄上にお祝いを言いに行こうか?」
「ふふっ。そうですわね」
わたくしの婚約解消や諸々で、先延ばしになっていたお兄様とキャスリーン様の結婚披露ですもの。
「お兄様。キャスリーンお義姉様」
「アリスティア。殿下」
「おめでとうございます、お兄様、お義姉様」
「ありがとう、アリスティア。それから、おめでとう。殿下、アリスティア」
お互いにお祝いを言い合っておりますと、お父様やお母様もいらっしゃいました。
「お疲れ様、アリスティア」
「お母様」
お疲れ様?ああ、あの方々の相手に疲れただろうとおっしゃっているのね。
「ふふっ。わたくしより、シャルロット様の方がお疲れになったと思いますわ」
シャルロット様にも労いの言葉を・・・ああ。ブラシール様が甲斐甲斐しくお世話をしていらっしゃいますわ。
お邪魔になってはいけませんから、後ほどにいたしましょう。
「それでお父様。あのお二人はどうなりますの?」
「とりあえず、セオドア王国からの返答が来るまでは貴族牢に入れておく。あれでも一応まだ他国の王族と貴族だからな。返答後に平民になったら、シュワルミット王国に奴隷として送る」
「エリサさんとご一緒?」
「ああ。あの国の奴隷は厳しく管理される。一度入れば二度と戻っては来れない」
ジーク様のお答えに、驚きました。
三人ともまだ十六歳ですのに、一生奴隷のままですの?
同情はいたしません。
あの方々は貴族には向いていなかった、そう思います。
ですが、一生奴隷というのは・・・
「奴隷でなくなることはないが、それでもちゃんと過ごしていれば、食事にも寝る場所にも困らない。シュワルミットの奴隷区画から出れない、というだけさ」
「そう・・・なのですね。仕方ありませんわね。何度も警告はいたしましたもの。ご自分のなさったことの責任は取りませんと」
「そういうことよ。アリスティアが気にする必要はないわ。あとは、私たちで処理しておくから」
お母様の言葉に頷きます。
セオドア王国はどんな返答をするのかしら?
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