2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな

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残念でしたわね〜ラグノア公爵令嬢シャルロット視点〜

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 アリスティア様が、セオドア王太子のエリックとユリアと対峙しています。

 彼らは『清廉の乙女1』の攻略対象とヒロイン。

 本来なら、悪役令嬢のアリスティア様はエリックの婚約者のはずでした。

 ですがアリスティア様は、エリックとの婚約を白紙撤回され、ローゼンタール王国へと来られました。

 私のように、前世持ちの転生者の様子はないのに、自力で運命を変えられた。

 本当に素晴らしい方だと思います。

 貴女がた、自分を物語のヒロインだと思い込んでいる脳内お花畑の、転生ヒロインには分からないでしょうけどね。

 カール様の毒舌に、本気で泣きそうなエリサさんににっこりと微笑みかけます。

 お得意の嘘泣きは、カール様には通用しませんでしたわね。

 というか、あんなのが通用するのは脳内にお花が咲いている・・・そうですわね、セオドアの王太子くらいですわよ。

 もちろん、そんなこと口に出したりしませんわ。

 仮にも他国の王太子殿下。
でもない私が口にすれば不敬にあたりますからね。

 同じ転生者だというのに、どうして立場がヒロインになった途端にみんな脳内お花畑になるのかしらね。

 自分のための物語だと、勘違いしてしまうから?

 でも前世でも、ヒロインがザマァされてしまうお話もたくさんあったでしょう?読まなかったのかしら。

 確かに物語の中では、私もアリスティア様も悪役令嬢でした。ですが、現実は違います。

 なんの罪もない公爵令嬢ふたりを、悪しき様に罵った罪、そんなに軽くありませんわよ。

「僕の女神を、悪役とか言ってたね。シャルロットが何をしたって?君をいじめた?ジークハルトに近づくなと言った?言うわけないだろ?そもそも君はジークハルトの婚約者ではない。ジークハルトはずっと昔から、アリスティア嬢のことが好きだったんだから。他の人間の入る余地なんかカケラもないよ」

「そっ、そんなの嘘っ!だってここは、私のための世界だもの!ヒロインが選ばれないなんてあり得ないわ」

「物語と現実の区別もつかないのか?まぁ、そんなことはどうでもいい。もし、君が本当にジークハルトの相手だとしても、愛しい僕の女神を悪しき様に罵ったんだ。報いを受けてもらうさ」

 国王陛下の裁きなら、前回のお話通りに修道院行きで済んだと思いますが、ごめんなさいね?カール様はそれでは納得できないのですって。

 私もアリスティア様を巻き込まなければ、少なくとも前回のことで反省していただけていれば、カール様に口利きして差し上げたんだけど、もう無理ですわ。

 私、アリスティア様が幸せになるためにも、あなた方には退場してもらいたいのです。

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