2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな

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わたくしも参戦しましょう

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「まず、コストナー様の発言の間違いを三つ指摘いたしますわ」

「は?間違い?」

 シャルロット様はとても綺麗な笑みを浮かべて、まず人差し指を立てます。

 まるで、幼い子供に教え聞かせているようですわね。

「私はエリサ・コストナー男爵令嬢様に、そのような発言をしたことは一切ございません。そもそも、会話すらほとんどしたことがございませんでしょう?もし、本当にそのような発言をどなたかにされたというのなら、どのような方だったのか、お申し出ください。きちんと調査の上、謝罪させますわ」

「え?あ、いえ・・・」

「それから、もしその発言が私だとおっしゃるのなら、もちろんそれも調査いたします。ですが、私の発言でなかったときは、コストナー様には罰が与えられることはご理解下さいね?」

「は?ば、罰?な、なんで・・・」

 コストナー様は、本当に貴族なのかしら?
 シャルロット様は高位貴族、しかも公爵家のご令嬢です。

 下位貴族の男爵令嬢のコストナー様は、本来なら勝手にお声がけすることは良しとされないというのに。

 その方を貶める発言をすれば、罰を受けるのは当たり前のことです。

 もしシャルロット様がコストナー様のおっしゃった発言をされていたとして、男爵令嬢が王太子殿下に馴れ馴れしく話しかけるのが正しくないのは事実です。

 言葉がキツいとかの叱責はあるでしょうが、シャルロット様に罪はありませんわ。

「それから、二つ目。王太子殿下のお名前を、許可なく呼ぶなど不敬です。私もコストナー様に名前を呼ぶ権利を与えていません。私のことは、家名のラグノアと。殿下のことは、王太子殿下、もしくは殿下とお呼びください」

「ひっ、酷い!皆さん、聞きましたか?私はいつもシャルロット様にこんなふうにいじめられていたんですっ!」

 コストナー様の発言に、周囲の皆様のお顔は、呆れを通り越して、異常なモノを見るような目になっています。

 当然ですわね。
普通にあり得ない発想ですわ。それはいじめでなくて指導ですのに。

「ハァ。まぁ、良いですわ。そして三つ目。これが一番お伝えしたいことですけど、私の婚約者は、こちらのカール・ブラシール侯爵令息様であって、王太子殿下ではありませんわ」

「「ええっ?」」

 あら?ユリア様まで驚いて声を上げてますわ。

「なら、ジークハルト様はフリー?」

 コストナー様の目が、なんだか肉食獣のようですわ。
 ジーク様に擦り寄って来そうな気配が、とても不快です。

「何度注意されればご理解下さいますの?王太子殿下のお名前を口にするのはおやめなさい」

 そろそろわたくしも参戦いたしますわ。

 
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