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甘い時間
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ドレスは、淡いグレーにいたしました。
その代わり、ライムグリーンやレモンイエロー、パステルピンクなど華やかな刺繍、小さな宝石を縫い付けることにしたのです。
わたくしは白い髪に銀の瞳ですから、何色のドレスでも違和感なく纏うことができますが、青や金色に見える色を纏って、セオドア王国の王太子殿下に「自分の色を纏っている。未練があるのか」などと勘違いされたくありませんもの。
ジーク様のお色を纏うことはできませんが、ドレスに使われた刺繍と同じものを、ジーク様の襟にも施し、付けるお飾りもお揃いにすることにしました。
髪飾りや首飾りに使う石は、ダイヤモンドとパール。
ドレスに多く色を取り入れた分、お飾りは色を絞りました。
ドレスはAラインで、ビスチェタイプのものです。
首元から二の腕、上半身はレースで覆われ、同じレースの肘までの手袋を使用します。
これは、ジーク様のご希望ですわ。
他の殿方に、肌を見せたくないのだとか。
背中も大きく開いているのですが、レースで覆われていますから、品よく見えると思います。
わたくしは長身というほどではありませんが、小柄でもありませんから、可愛らしいデザインよりも大人びたデザインの方が似合うと自分でも思っています。
そういえば、ユリア様もコストナー様もプリンセスラインの、可愛らしいデザインのものがお好きなのかしら。
リボンやフリル、レースがたくさん付いていたのを思い出しましたわ。
お二人とも小柄ですし、似合ってらっしゃいましたけど。
「あとは、指輪なんだけど」
デザイナーの方が帰られた後、ジーク様がポケットから小さな箱を取り出されました。
濃紺の小さな箱を開けると、そこには大きなグレーダイヤモンドをパールが囲った指輪が。
「これは僕が生まれた時に、いつか妻になる人に渡すために作られた指輪なんだ。アリスに渡したいと思って、パールを付け加えたんだけど、どうかな」
「可愛い・・・とても素敵です」
あの時、王命での婚約を告げられた時、どうして嫌悪感を抱かなかったのか、今ならよくわかります。
ジーク様がわたくしのことを、とても想ってくださっていたから。
その想いが、これほどわたくしを幸せな気持ちにさせるから。
あのまま、ジーク様がわたくしのことを諦めないでいてくださって、本当に良かったです。
「ふふっ」
「ん?何かおかしかった?」
「いえ。本当に幸せだと思って。ジーク様。わたくしのこと好きでいてくださって、ありがとうございます」
わたくしがそう言うと、ジーク様はとても柔らかく微笑んで下さいました。
「僕の方こそ、受け入れてくれてありがとう。アリス、大好きだよ」
その代わり、ライムグリーンやレモンイエロー、パステルピンクなど華やかな刺繍、小さな宝石を縫い付けることにしたのです。
わたくしは白い髪に銀の瞳ですから、何色のドレスでも違和感なく纏うことができますが、青や金色に見える色を纏って、セオドア王国の王太子殿下に「自分の色を纏っている。未練があるのか」などと勘違いされたくありませんもの。
ジーク様のお色を纏うことはできませんが、ドレスに使われた刺繍と同じものを、ジーク様の襟にも施し、付けるお飾りもお揃いにすることにしました。
髪飾りや首飾りに使う石は、ダイヤモンドとパール。
ドレスに多く色を取り入れた分、お飾りは色を絞りました。
ドレスはAラインで、ビスチェタイプのものです。
首元から二の腕、上半身はレースで覆われ、同じレースの肘までの手袋を使用します。
これは、ジーク様のご希望ですわ。
他の殿方に、肌を見せたくないのだとか。
背中も大きく開いているのですが、レースで覆われていますから、品よく見えると思います。
わたくしは長身というほどではありませんが、小柄でもありませんから、可愛らしいデザインよりも大人びたデザインの方が似合うと自分でも思っています。
そういえば、ユリア様もコストナー様もプリンセスラインの、可愛らしいデザインのものがお好きなのかしら。
リボンやフリル、レースがたくさん付いていたのを思い出しましたわ。
お二人とも小柄ですし、似合ってらっしゃいましたけど。
「あとは、指輪なんだけど」
デザイナーの方が帰られた後、ジーク様がポケットから小さな箱を取り出されました。
濃紺の小さな箱を開けると、そこには大きなグレーダイヤモンドをパールが囲った指輪が。
「これは僕が生まれた時に、いつか妻になる人に渡すために作られた指輪なんだ。アリスに渡したいと思って、パールを付け加えたんだけど、どうかな」
「可愛い・・・とても素敵です」
あの時、王命での婚約を告げられた時、どうして嫌悪感を抱かなかったのか、今ならよくわかります。
ジーク様がわたくしのことを、とても想ってくださっていたから。
その想いが、これほどわたくしを幸せな気持ちにさせるから。
あのまま、ジーク様がわたくしのことを諦めないでいてくださって、本当に良かったです。
「ふふっ」
「ん?何かおかしかった?」
「いえ。本当に幸せだと思って。ジーク様。わたくしのこと好きでいてくださって、ありがとうございます」
わたくしがそう言うと、ジーク様はとても柔らかく微笑んで下さいました。
「僕の方こそ、受け入れてくれてありがとう。アリス、大好きだよ」
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