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すごい方ですのね

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「シャルロット。斬り捨てて良いかい?」

 とっても素敵な笑みを浮かべて、ブラシール様がおっしゃっている言葉は、とても厳しいものでした。

 なんていうか、お母様と似通ったもの。感じますわ。

お顔に笑みはあるのに、背筋に冷や汗が流れそうなものなのです。

「やめてください。カール様の剣が汚れますわ。それに、アリスティア様のお目汚しになります」

 シャルロット様。
その言い方だと、別の剣に変え、わたくしがいなければ問題ないみたいに聞こえますわ。

「斬るのは良いが、せっかくのお茶会が台無しになってしまう。後で王宮に呼び出してからにしたらどうだ?母上や伯母上が激昂されること間違いない」

「そうですね。愛しいシャルロットの大切な庭が汚れるのも嫌ですしね」

「せっかくアリスティア嬢も楽しみにしていたのに。門番は何をしていたんだ?」

「申し訳ございません。どうやら一緒に来た方々が門から少し離れた場所で騒動を起こし、門番が離れた隙に入り込んだようで」

 あら?
公爵家の門番の方がいらしたのにどうやって入ったのかと思いましたら、協力者の方がいらっしゃったのですね。

 それでも門番の方は、責任を問われるということを、その協力された方やこのご令嬢は分かっているのかしら?

 ご令嬢ではなく、シャルロット様やジークハルト様に危害を加えるような方だったら?

 門番の方は、非情だと言われても門から離れてはいけなかったのですわ。

 自分たちがしたことで、門番の方の生活が危ぶまれることを理解されているのかしら?

 でも、他所のお家のことに口は挟めませんわ。

「そう。その件はお父様に報告を。それから耳障りだから、さっさと追い出して」

 シャルロット様がそうおっしゃるように、そのご令嬢はずっと喚き続けていました。

 すごいですわ、誰も相手にしていないのに。

 その後、そのご令嬢は執事の方とブラシール様の護衛の方に引きずられ、ラグノア公爵家から連れ出されて行きました。

 なんていうか、パワフルな方でしたわ。

「アリスティア様、申し訳ございません」

「お気になさらないで、シャルロット様。驚きましたけど、何とも思っていませんわ。なんていうか・・・すごい方でしたわね」

 シャルロット様に謝罪されましたが、わたくし何もされていませんし、本当に気にしていませんわ。

「あの方、コストナー男爵家のご令嬢なのですが、自分はジークハルト殿下と思い合っていて、である私にいじめられているとされていますの」

 あら。まぁ。
シャルロット様はブラシール様と婚約されていますのに。

 本当にすごいご令嬢ですのね。



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