2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな

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あら?わたくしハズレを引いたのですね

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「その話は後で。それよりもこの腹立たしいゴミはどうしますか?」

 ジークハルト殿下のお話よりも、先にこの手紙を片付けようと、お兄様はお母様を促します。

 どうされたのかしら?
そういえば最近、ジークハルト殿下とお会いしていませんわ。

 公務がお忙しいのかしら?
お見舞いのお手紙のお返事はすぐに下さいましたけど、お忙しいのに気を遣って下さったのね。

 何か、差し入れでも差し上げたらどうかしら?
 お忙しいなら、何か簡単につまめる甘いものとか。

 ジークハルト殿下は、甘いものお嫌いかしら?

 わたくし、今度お菓子作りに挑戦しようと思っていますの。

 上達したら、お届けしようかしら。

 わたくしが色々と頭の中で考えているうちに、お母様たちのお話は白熱しておりました。

「はぁぁ。問題なのは、隣国の第二王子に公爵家次男。帝国の皇太子に、公爵家嫡男。別の公爵家の嫡男ね」

「とりあえずはその五人ですね。後のはまぁ、許容範囲の求婚の手紙でしたよ」

 あら?許容範囲のお手紙もありましたのね。
 わたくしが開いたのは、ハズレだったということかしら。

「では、隣国と帝国にはキツく抗議をしなくてはね。マリベルお義姉様に会う時間をいただきたいと知らせて」

 マリベル様とは、わたくしの伯母様。つまりはこの国の王妃ですわ。

 緩やかに弧を描く金髪に、透き通った青空色の瞳をされた、とてもお綺麗な方ですのよ。

 うちのお母様は、少しキツめの、正統派の美人というタイプなのですが、マリベル伯母様はどちらかというと可愛らしいタイプの方です。

 でも、お美しいのは同じですわ。
伯父様も整ったお顔をされていますから、ジークハルト殿下はきっとお二人の良いところを受け継いだのだと思いますわ。

 少しして、伯母様がお時間が取れるとのことで、お父様やお母様、お兄様は伯母様の元へと行かれることになりました。

 わたくしもご一緒しようと思っておりましたが、お母様に不快な手紙を読んで気分が悪いだろうから、何か気晴らしをしなさいと言われましたの。

 確かに気持ち悪かったですが、大丈夫ですのに。

 でも、もしかしたらわたくしには難しい、高度なお話をされるのかもしれませんわ。

 わたくし、セオドア王国の王子妃教育は終えましたけど、ローゼンタールでは何も致しておりません。

 どこに嫁ぐにしても、そろそろ勉強をした方が良いかもしれませんね。

「お菓子作りをしたいと言っていたでしょう?無事に婚約者が着いたからと、アンナが戻って来ているわよ」

「アンナが?もう!今日くらいお休みすれば良いのに」

「ふふっ。アンナはアリスティアのそばをよほど離れたくないのね。私たちが話している間だけでも一緒にいなさい。婚約者とご家族は晩餐に招待しましょう。良いわね?」

 執事、アンナの父親は深々と頭を下げて、連絡のために退出しました。
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