2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな

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してみたいこと

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「私の可愛いお姫様。何をしてみたいかしら?」

 お母様に尋ねられ、頬を手を当てて考えます。

 叶わなくても、言うだけならかまいませんわよね?

「そうですね・・・街でお買い物がしてみたいです。それからカフェでお茶も飲んでみたいですし、お菓子を自分で作ってみたいです。それから・・・」

「あらあら。じゃあまずは、お買い物かしらね。お友達が出来たら一緒に行きたいでしょうけど、今回は私とキャスリーンで我慢してくれるかしら?」

「もちろんですわ!でも、本当にかまわないんですの?」

 セオドア王国では、王子妃教育などが忙しかったのもありますが、護衛の都合上、市井に買い物に出かけることなどほとんどありませんでした。

 生まれた時から王太子殿下の婚約者でしたから、出かけるにも王家の許可が必要だったのです。

「かまわないわ。護衛は連れて行くけれど、ローゼンタールの王都は比較的治安の良い方なのよ。お買い物をして、それからお茶を飲んで帰りましょう?」

「嬉しいです。あ、でも・・・」

「どうかした?」

「あの、ジークハルト殿下にも許可を取った方がいいでしょうか?その、婚約者ですし」

 エリック殿下は、わたくしが勝手な行動を取ると、ご機嫌を損ねることが多くありました。

 王宮の皆様も、婚約者に従うのが当然だとおっしゃられていましたし。

 でも、お母様はにっこりと笑って、わたくしの髪を撫でて下さいました。

「気にすることないわ。アリスティアはアリスティアのしたいことをしたいだけすれば良いの。もし何か言われたらお母様に言いなさい。婚約なんてすぐに撤回してあげる」

「ふふっ。わかりましたわ」

 お母様ならセオドア王国の時のように、本当に白紙撤回してしまわれるかもしれませんね。

 別にジークハルト殿下のことを嫌いではありませんし、婚約者になることはかまいませんが、せっかく自由になったのですから、したいことをしたいだけさせていただきたいですわ。

 あ、でも、婚約者として交流や、王太子妃教育は受けなくても良いのかしら?

「婚約者としての交流はどうしましょう?」

「アリスティアがしたくないならしなくて良いわ。しても良いと思うなら、気が向いた時にお茶でも一緒に飲めば?向こうに合わせなくていいの。アリスティアが望むようにしなさい」

 私が望むように、ですか?
今まで、婚約者の望むようにして来ましたから、そう言われるとどうするのがいいのか悩みます。

 そうですね。
お母様やキャスリーン様にご相談しながら考えましょう。

 
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