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それぞれの結末②

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 アレックスとダグラスは、それぞれ別々の場所で働くことになった。

 多少反省というか後悔の色が見えるアレックスは、セルビア公爵の遠縁の子爵家で執事見習いをすることになった。

 ライアンがセルビア公爵に提案したらしい。

 アレックスもおとなしくそれに従い、真面目に働いているようだ。

 ダグラスは反省の色が見られないため、ロックベル侯爵家管轄のハンター養成所に叩き込まれた。

 上下関係も礼儀も訓練も厳しいところらしく、毎日倒れるまでしごかれているらしい。

 まぁ、頭で考えることに向かないダグラスである。

 真っ当になるまで、とことんしごかれるべきだろう。

 国王陛下は、ライアンの婚約者にアナを認めた。

 ただし、公表するのは一ヶ月後にというルーナの意見に従い、王妃にはまだ知らせていない。

 正確にいうならば、王妃以外の多くの人間は知っているのだが、王妃に漏れないように厳戒態勢が敷かれていた。

 アナは、王太子妃教育の下準備として、フィオレンサ公爵家でリリアナやマーガレットから色々と教わっている。

 シシリーは魔法封じの首輪を付けられ、辺境にある修道院へと送られた。

 彼女は全く自分のしたことの重大さが理解出来ておらず、魅了魔法も無意識に使っていたことが判明した。

 悪意はなかったらしいが、自分の望み通りにしようとする考え自体が危ういことと判断され、修道女として考え方から改めるべきと決まった。

 本人は最後まで喚き散らし、ランスロットの名を叫んでいたらしいが、辺境地の修道院は厳しいことで有名である。

 ひと通りの解決を迎えて、ルーナはカイルと話し合った。

「それで、決行日は?」

「明日の夜にしようと思ってる。昼間にね、リリアナ様やアナ様とお茶をする約束をしてるから」

 ルーナがこの国を出るつもりなことは、カイルも理解している。

 そのために、あのパーティーまでに周辺の片付けを少しずつしてきたし、ランスロットやフィオレンサ公爵夫妻宛の手紙もすでに書いてある。

 一方ルーナの方も、両親や友人たち宛の手紙は書いてあった。

 商会の運営は、ルーナがいなくても大丈夫なようにしてあるし、急用時に連絡が取れるような魔道具は用意してある。

 あとは・・・
ユリシーナと王妃に話すことだけだ。

 前世の月子の記憶を持って生まれたルーナの、ずっとそばにいて従ってくれていたユリシーナ。

 ルーナにとってユリシーナは侍女であり、姉のような存在だ。

 だからこそ、ユリシーナにだけは手紙ではなく直接、旅立つことを告げるつもりだった。
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