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公爵令嬢のひとり言16

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 お父様とお母様には、王妃様をどうするのか、国王陛下たちと話し合ってもらえことになった。

 陛下やお母様の話も聞かないのなら、もう打つ手は限られている。

 別に嫁をこの子に!と言っているだけなら罪ではないけど、王妃様にはそれを可能にする権力がある。

 同時に義務もあるけれど、王妃様は王妃としての公務はちゃんとやっているし、少々偏ってはいるけど子供のことも愛している。

 つまりは、権力を行使できる権利があるのよ。

 恋愛結婚を推奨しているとはいえ、この世界は政略結婚が当たり前の世界。

 王命とか使われると面倒なの。

 私ひとりなら国外に逃げれば済むけど、ランス兄様はフィオレンサ公爵家を継ぐことを決められた。

 リリアナ様がお嫁さんに来ることもあるし、できれば兄様が公爵として安定するまで、お父様たちには兄様を支えてもらいたい。

 私が逃げた後に、ランス兄様たちに何かされても困る。そんなことになったら、我慢できなくて報復してしまう。

 問題はあるかもしれないけど、王妃様はライアン殿下とリリアナ様のお母様。

 二人を悲しませるようなことはしたくないわ。

 とりあえずは、話し合いの結果待ちね。

 それじゃあ、その間に偽ヒロインのことをどうにかしましょうか。

 ヘリオのことというか、カサブランカ伯爵家にもお仕置きしないとね。

 カイルは自分の父親のこと、どう思っているのかしら?

 憎んでる?それともどうでもいい?

 カイルがそれでも親だと思っているのなら、そうね、陛下にお願いして準男爵くらいまで降爵させて貰おうかしら。

 理由?
理由なんて何とでもなるわ。

 後妻に入った夫人も、ヘリオも、随分と派手に伯爵家のお金を使っているみたいだもの。

 伯爵家の家計は現在、火の車よね。
フィオレンサ商会でも、カイルがランス兄様の侍従だからって、ツケで買い物してるみたいだし。

 報告は来てるけど、好きにやらせているの。
 領民に課税とかしたら、カイルが悲しむもの。

 請求されないから、最近は増長してるみたい。

 そろそろまとめて払って貰おうかしら。

 もしカイルがフィオレンサ商会の縁付きだとしても、カサブランカ伯爵家とは関係ないのにね。

 自分たちが追い出しておいて、利用だけはするつもりなのかしら?

 アデライン王国では、準男爵位は一代限り。
 功績をあげて陞爵しなければ、ヘリオの代は平民よ。

 ツケを請求すれば、没落することは間違いないから、借金チャラの交換条件として降爵させるのもアリかもね。

 え?カイルが憎んでたら?

 もちろん、借金チャラになんかしないわ。
 鉱山で働いてでも何ででも払って貰うわよ。
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