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公爵令嬢のひとり言15

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 国王陛下が、ライアン殿下とリリアナ様に想う相手がいるか聞いたのですって。

 聞いてどうするつもり?
もし二人ともが相応しくない相手を選んでも、許可できるの?

 まぁ・・・うちのお母様のせいっていうのもあるけど、王妃様の好き勝手にさせすぎだと思うわ。

 最終的に決定権は国王陛下にしかないんだから、あまり王太子妃の人選に口を出させるべきじゃないのよ。

 もちろん、王妃教育とかは王妃様が関わるんだろうけど、あの人私にこだわりすぎてるというか、自分の見る目にこだわりすぎてるというか。

 大体、自分は国王陛下のことお好きなのよね?
 一応は政略結婚だったらしいけど。

 自分が政略結婚の相手でも、想い想われてるから、息子もそうなると?

 確かに乙女ゲームや漫画を知らなくて、カイルの存在がなかったなら、もしかしたら婚約者になったかもしれない。

 シシリーにのぼせ上がってたときは、コイツ大丈夫か?とか思っちゃったけど、地頭は悪くないし、性格も悪くはない。

 この世界は、乙女ゲームでも漫画でもなくて、単に似たような世界でしかないから、漫画の中でルーナが断罪されたからってライアンを敵視するつもりはないわ。

 そもそも私、乙女ゲームのヒロインは嫌いだけど、アナ様は好きだもの。

 カイルは前世の推しで、似たような世界なら好きにならない可能性もあった。

 でも、会って、話して、カイルが頑張ってるのを見て、やっぱり好きになった。

 カイルは推しだけど、今のルーナにとっては好きな人なの。

 本当は、ずっとそばにいて欲しいし、恋愛的な好きになって欲しいけど、カイルにとって私は「ルーナお嬢様」だから、恋愛対象として受け入れてもらえない気がする。

 だからといって、他の人と婚約する気になれない。

 月子の時も恋人なんていなかった。

 だから、別に一生独り身でもいいわ。
フィオレンサ公爵家はランス兄様が継いでくれる。

 もし兄様が王配になるとしても、お父様とお母様は私に政略結婚を求めない。

 リリアナ様もライアン殿下も、誰の名前も出さなかったらしい。

 リリアナ様は、ランス兄様が王配になるのに気が進まないのを理解しているから言わなかったのよね。

 ライアン殿下が、アナ様の名前を出さなかったのは意外だったわ。

 本気で・・・アナ様のことを好ましく思い始めているということ?

 アナ様のお気持ちにもよるけど、ライアン殿下を応援してあげてもいいかな、という程度にはその対応は好ましいのよね。

 となると、やっぱり王妃様をどうにかするべきかしらね。
 
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