悪役令嬢は推し活中〜殿下。貴方には興味がございませんのでご自由に〜

みおな

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公爵令嬢のひとり言12

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 魔石の活用は、前々から考えていたことだったの。

 私は幸いにも全魔法が使えるから、お風呂に水を溜めることも、それを火魔法で沸かすことも簡単に出来た。

 それに魔獣を狩ることもできたから、魔石もいくつも手に入れることが出来た。

 アデライン王国の騎士団が討伐した魔獣から取れる魔石は、教会に納められるけど、個人で摂取したものは届け出る必要がないの。

 ハンターなんかが取った魔獣は、ギルドが買い取る。
 それを教会が買い取るという仕組みだった。

 もっとも私は売らないけど。

 魔石は魔法具としての活用度が高いの。それに騎士団がちゃんと仕事してるんだから、私のまで売る必要性はないわ。

 私が手に入れる魔石は、比較的大きなものが多い。

 だけど、騎士団やハンターが狩る魔獣から取れる魔石には、小さな屑石と呼ばれるものが結構な比率であった。

 それらに魔法を入れても、すぐに石が壊れてしまう。
 小さいと大きな魔力に負けてしまうのよ。

 だから、小さなものは宝飾品に加工される。

 平民が買えるほどの安い宝飾品だけど、捨てるのを考えればマシというところ。
 利益は雀の涙だと聞いたわ。

 そんな安い屑石を、もっと上手く活用出来れば、平民の生活も楽になる。

 実はこれ、乙女ゲームではなく漫画版の方で語られたことがあるのよ。

 ヒロインがライアンとの世間話で、お風呂のために沸かしたお湯を運ぶのが自分の仕事だとか何とか。

 それを聞いて、ライアンが魔石に自分の火魔法を込めるのよね。

 もっとも、屑石とかじゃなく、教会に納める大きなやつだったけど。

 ヒロインは聖女として教会からも敬われていたから、許されたのかしらね。

 屑石を纏めてそれなりの強度にする方法は、ランス兄様やカイル、リリアナ様やアナ様と試行錯誤して、最終的には私のチートで何とかなった。

 魔力がたくさん必要なのと、闇魔法が使えないと駄目なの。

 闇魔法は、基本的に使える人はいない。
魔物が使う魔法だから。

 でも、使えるのよね、私。

 漫画の中ではルーナの魔法の種類は語られてなかったけど、少なくとも全魔法使いではなかったはずよ。

 もしそうだったなら、今のヘスティア王妃のように、ルーナをライアンの婚約者の座から外そうとはしなかったはず。

 漫画の中での王妃ヘスティアは、ルーナに対して中々の塩対応だったもの。

 全魔法使いだからといって、まさか闇魔法を使えるとは思っていないだろうけどね。

 魔石の加工は、商会の魔法具を使っているということにしてある。

 面倒だけど、まさか魔獣が出ます!なんて言えないしね。

 自分のところに出れば対処できるが、ライアンたちのところに出られると万が一ということもあるから。

 どうしても全員で行動したいのよ。
 
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