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あれ?ブラコンじゃない?
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結局は、シシリーがマトモかどうかだとルーナは結論付けた。
マトモな令嬢なら、王太子妃となるべく教育を始めて貰えば良い。
王妃様はルーナにライアンの妃になってもらいたいみたいだけど、無理強いできないことも理解しているはず。
リリアナがランスロットと結ばれれば、王家との縁は出来るのだから、妥協案にはなるはずだと、ルーナは考えた。
ただ・・・
転生者で、どうもハーレムルートを狙っているような、あからさまに馬鹿なシシリーが“マトモ”とは思えない。
ライアンだけでなく、アレックスやダグラス、セドリックという婚約者のいる令息にもベタベタしている時点でアウトだ。
まぁ、ベタベタされて鼻の下を伸ばしている馬鹿三人の方がもっとアウトだけど。
貴族としてのマナーをキチンと理解していない男爵令嬢はまだしも、高位貴族として教育を受けている三人には呆れて言葉も出ない。
ライアンでぎりぎり、グレーゾーンというところだろうか。
婚約解消を良しとしないアデライン王国である。
よほどのことがない限り婚約は継続されるから、安心して火遊びをしているのだろうか?
三人の婚約者の顔を思い出す。
侯爵令嬢二人と、伯爵令嬢。
高位貴族としての教育をしっかり受けている三人は、自分たちの婚約者の愚行をどう見ているのだろうか。
「婚約者のご令嬢方は、どうお考えなのでしょう?」
シシリーがライアン以外と結ばれた場合、対処が変わって来る。
「現在は静観しておられるようです。皆様、家柄はもちろんのこと優秀な方ですから、婚約を解消したとしても次の婚約者は決まるでしょうが、ご存知の通り我が国は婚約解消を良しとしませんから」
「ええ。だからこそ両殿下共に婚約者を決めていらっしゃらない。逆にそれを理解した上で、婚約したのですから彼らはこの先どうするつもりなのでしょうね」
結ばれないけれど、学園の間だけの火遊び?
そんなことをして婚約者が「良いですよ」と言ってくれるとでも?
「しかも未来の騎士団長に宰相、神官長がアレでは、ライアン殿下の治世も不安になるというもの。幸いにもランス兄様は大丈夫のようですが」
「そうですわね。お兄様も何を考えてらっしゃるのか。本来なら、お兄様が諌めるべきですのに。あんな、高位貴族ばかりに色目を使う令嬢に心を寄せるなど!」
リリアナは綺麗な眉をしかめ、首を振る。
あれ?リリアナってブラコンだったんじゃ・・・
その物言いに、お兄様と呼んではいるもののライアンへの執愛が感じられないことに気付いた。
ランスロットに十一年も片想いしている時点で、ブラコンでないことに気づくべきである。
マトモな令嬢なら、王太子妃となるべく教育を始めて貰えば良い。
王妃様はルーナにライアンの妃になってもらいたいみたいだけど、無理強いできないことも理解しているはず。
リリアナがランスロットと結ばれれば、王家との縁は出来るのだから、妥協案にはなるはずだと、ルーナは考えた。
ただ・・・
転生者で、どうもハーレムルートを狙っているような、あからさまに馬鹿なシシリーが“マトモ”とは思えない。
ライアンだけでなく、アレックスやダグラス、セドリックという婚約者のいる令息にもベタベタしている時点でアウトだ。
まぁ、ベタベタされて鼻の下を伸ばしている馬鹿三人の方がもっとアウトだけど。
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ライアンでぎりぎり、グレーゾーンというところだろうか。
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三人の婚約者の顔を思い出す。
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「婚約者のご令嬢方は、どうお考えなのでしょう?」
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「現在は静観しておられるようです。皆様、家柄はもちろんのこと優秀な方ですから、婚約を解消したとしても次の婚約者は決まるでしょうが、ご存知の通り我が国は婚約解消を良しとしませんから」
「ええ。だからこそ両殿下共に婚約者を決めていらっしゃらない。逆にそれを理解した上で、婚約したのですから彼らはこの先どうするつもりなのでしょうね」
結ばれないけれど、学園の間だけの火遊び?
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「そうですわね。お兄様も何を考えてらっしゃるのか。本来なら、お兄様が諌めるべきですのに。あんな、高位貴族ばかりに色目を使う令嬢に心を寄せるなど!」
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あれ?リリアナってブラコンだったんじゃ・・・
その物言いに、お兄様と呼んではいるもののライアンへの執愛が感じられないことに気付いた。
ランスロットに十一年も片想いしている時点で、ブラコンでないことに気づくべきである。
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