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手を貸してあげたいのは
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「ええと、そのカサブランカ伯爵家の養子がリゾーラ様にご執心だと?」
ルーナは確かめるように繰り返した。
ルーナはシシリーのことを転生者だと思っていたが、攻略対象でもない相手と懇意にしているのなら、違うのかもしれないと思い直した。
「ええ。甲斐甲斐しくリゾーラ様の世話をしているとか。もっとも、リゾーラ様はお兄様やセルビア公爵令息たち高位貴族にしか興味がないようで、カサブランカ伯爵令息のことは使用人扱いしているようですけど」
「・・・ソウナンデスネ」
「?どうかなさいまして?」
「いえ、お気になさらず。それよりも、リリアナ様はライアン殿下のことをどうされたいんですか?ライアン殿下に恨まれてもリゾーラ様と引き離したいんですか?それとも、ライアン殿下の望みを叶えたいんですか?」
何やら表情がすっかり抜け落ちた顔をしていたルーナだが、リリアナの問いに首を振って問い返した。
高位貴族や王族の、攻略対象にしか興味を示さないのなら、おそらくは転生者、しかも乙女ゲームの内容を知っている人間に違いない。
何を思ってヒロインのふりをしているのかは知らないが、真のヒロインであるアナはヒロインをやるつもりがないようなので、ルーナとしてはこちらに関わってこない限り放置の予定である。
だが、ライアンのことは頼まれたこともあるので、一応は対処するつもりではある。
ただ、どちらかというと、王妃様のお願いだからというよりはリリアナのために何かしてあげたいと思っている。
ルーナは乙女ゲームのヒロインは嫌いだし、ヒロインにのぼせ上がって婚約者を蔑ろにする攻略対象も嫌いである。
その息子を躾けられない、王妃様や公爵たちにも好感は持てないし、痛い目に合っても自業自得だと思っている。
でも、リリアナは別だ。
彼女は確かにブラコンで、ルーナに突っかかってきたりするけど、自分が悪いと思えばちゃんと謝罪出来るし、ある意味素直だ。
ルーナはそういう人間のことは、好きなのである。
ルーナの問いに、リリアナは困ったような切ないような、微妙な表情を浮かべ俯いた。
「私は・・・お兄様には相応しい相手と結ばれて欲しいと思います。お兄様が王太子になるべく努力していたことを知っています。あのリゾーラ様が、これから努力して王太子妃に相応しくあって下さるなら応援したいです。でも・・・」
でも、シシリーはライアンが好きで近くにいるわけではない、とリリアナは感じていた。
そしてそれは間違っていないと、ルーナも思う。
ルーナは確かめるように繰り返した。
ルーナはシシリーのことを転生者だと思っていたが、攻略対象でもない相手と懇意にしているのなら、違うのかもしれないと思い直した。
「ええ。甲斐甲斐しくリゾーラ様の世話をしているとか。もっとも、リゾーラ様はお兄様やセルビア公爵令息たち高位貴族にしか興味がないようで、カサブランカ伯爵令息のことは使用人扱いしているようですけど」
「・・・ソウナンデスネ」
「?どうかなさいまして?」
「いえ、お気になさらず。それよりも、リリアナ様はライアン殿下のことをどうされたいんですか?ライアン殿下に恨まれてもリゾーラ様と引き離したいんですか?それとも、ライアン殿下の望みを叶えたいんですか?」
何やら表情がすっかり抜け落ちた顔をしていたルーナだが、リリアナの問いに首を振って問い返した。
高位貴族や王族の、攻略対象にしか興味を示さないのなら、おそらくは転生者、しかも乙女ゲームの内容を知っている人間に違いない。
何を思ってヒロインのふりをしているのかは知らないが、真のヒロインであるアナはヒロインをやるつもりがないようなので、ルーナとしてはこちらに関わってこない限り放置の予定である。
だが、ライアンのことは頼まれたこともあるので、一応は対処するつもりではある。
ただ、どちらかというと、王妃様のお願いだからというよりはリリアナのために何かしてあげたいと思っている。
ルーナは乙女ゲームのヒロインは嫌いだし、ヒロインにのぼせ上がって婚約者を蔑ろにする攻略対象も嫌いである。
その息子を躾けられない、王妃様や公爵たちにも好感は持てないし、痛い目に合っても自業自得だと思っている。
でも、リリアナは別だ。
彼女は確かにブラコンで、ルーナに突っかかってきたりするけど、自分が悪いと思えばちゃんと謝罪出来るし、ある意味素直だ。
ルーナはそういう人間のことは、好きなのである。
ルーナの問いに、リリアナは困ったような切ないような、微妙な表情を浮かべ俯いた。
「私は・・・お兄様には相応しい相手と結ばれて欲しいと思います。お兄様が王太子になるべく努力していたことを知っています。あのリゾーラ様が、これから努力して王太子妃に相応しくあって下さるなら応援したいです。でも・・・」
でも、シシリーはライアンが好きで近くにいるわけではない、とリリアナは感じていた。
そしてそれは間違っていないと、ルーナも思う。
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