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番外編
聖なる夜に《カイ視点》
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ハイドランジア王国に、真っ白な雪が降り積もる。
それでも街は、赤や緑の装飾や、賑やかな音楽、楽しそうな人々の声で賑わっている。
今宵は、クリスマス。聖なる夜だ。
「まぁ!可愛い!」
マリアの嬉しそうな声に振り返ると、アニエスお嬢様から贈られたプレゼントが開かれていた。
「カリンの服かい?」
「ええ!すっごく可愛い!」
僕たちの娘カリンは、マリアの膝の上で、一緒に預かってきた猫のぬいぐるみを撫で回している。
3歳の誕生日を迎えたカリンは、マリアそっくりのピンク色の髪と瞳をしていて、きっと幼い頃のマリアはこんなだったのだと思わせてくれる。
だがマリアは、俺の髪か瞳の色をして欲しかったらしく「次はカイさん似の男の子!」と言っていた。
俺の妻は、本当に愛らしい。
彼女に出会えたことは、俺の人生で最大の贈り物だと思う。
「さぁ、シチューが出来た。食べようか」
「しちゅー?」
「カリン、良かったわね?パパのシチューお気に入りだものね」
妊娠している間、なるべく家事を手伝うようにしていたせいか、子育てに忙しいマリアの代わりに台所にたっても、マリアは文句を言わなくなった。
最初の頃は、妻の自分がやるとムキになっていたんだが。
元々、アニエスお嬢様のおかげで、家事をすることに抵抗がない。
どうしても子育ては、母親の負担が大きい。家事くらいできる方がやればいいと思う。
「カリン。猫ちゃんは汚れたらいけないから、椅子にお座りさせてあげよう?」
「やー。ねこちゃんもしちゅーたべる!」
「猫ちゃんにシチュー食べさせたら、夜に一緒に寝れないよ?」
「ゔーっ」
どうやら一緒に寝たいらしい。
諦めて、ぬいぐるみをマリアに手渡している。
マリアとカリンと共に食卓を囲む。
俺が何より幸せを感じる瞬間だ。
いつも以上に食の進んだカリンは、お風呂の後、猫のぬいぐるみを抱きしめたまま、うとうととしている。
抱き上げてベッドで眠らせていると、お風呂を終えたマリアがカリンの部屋へやって来た。
「あら?カリンは眠っちゃったの?」
「今日ははしゃいでいたから疲れたんだろう。マリア、髪がまだ濡れてる。拭いてあげるから、あっちに行こう」
マリアの腰を抱いて、夫婦の寝室へと向かう。
そのまま、ベッドに腰掛けた俺の足の間に座らせると、後ろから優しく髪をタオルで拭いてやる。
湯上がりの甘やかな匂いの首筋に、そっと唇を寄せる。
「んっ」
「俺にもプレゼントをくれないか」
「カイさんにもちゃんと買って・・・」
「マリアが欲しい」
愛しい妻をベッドへ押し倒した。
腕の中に彼女がいることは、奇跡のようだ。
俺に奇跡を与えてくれた女神、アニエスお嬢様に祈りを捧げる。
どうか聖なる夜に、アニエスお嬢様にも幸せが降り積もりますように。
それでも街は、赤や緑の装飾や、賑やかな音楽、楽しそうな人々の声で賑わっている。
今宵は、クリスマス。聖なる夜だ。
「まぁ!可愛い!」
マリアの嬉しそうな声に振り返ると、アニエスお嬢様から贈られたプレゼントが開かれていた。
「カリンの服かい?」
「ええ!すっごく可愛い!」
僕たちの娘カリンは、マリアの膝の上で、一緒に預かってきた猫のぬいぐるみを撫で回している。
3歳の誕生日を迎えたカリンは、マリアそっくりのピンク色の髪と瞳をしていて、きっと幼い頃のマリアはこんなだったのだと思わせてくれる。
だがマリアは、俺の髪か瞳の色をして欲しかったらしく「次はカイさん似の男の子!」と言っていた。
俺の妻は、本当に愛らしい。
彼女に出会えたことは、俺の人生で最大の贈り物だと思う。
「さぁ、シチューが出来た。食べようか」
「しちゅー?」
「カリン、良かったわね?パパのシチューお気に入りだものね」
妊娠している間、なるべく家事を手伝うようにしていたせいか、子育てに忙しいマリアの代わりに台所にたっても、マリアは文句を言わなくなった。
最初の頃は、妻の自分がやるとムキになっていたんだが。
元々、アニエスお嬢様のおかげで、家事をすることに抵抗がない。
どうしても子育ては、母親の負担が大きい。家事くらいできる方がやればいいと思う。
「カリン。猫ちゃんは汚れたらいけないから、椅子にお座りさせてあげよう?」
「やー。ねこちゃんもしちゅーたべる!」
「猫ちゃんにシチュー食べさせたら、夜に一緒に寝れないよ?」
「ゔーっ」
どうやら一緒に寝たいらしい。
諦めて、ぬいぐるみをマリアに手渡している。
マリアとカリンと共に食卓を囲む。
俺が何より幸せを感じる瞬間だ。
いつも以上に食の進んだカリンは、お風呂の後、猫のぬいぐるみを抱きしめたまま、うとうととしている。
抱き上げてベッドで眠らせていると、お風呂を終えたマリアがカリンの部屋へやって来た。
「あら?カリンは眠っちゃったの?」
「今日ははしゃいでいたから疲れたんだろう。マリア、髪がまだ濡れてる。拭いてあげるから、あっちに行こう」
マリアの腰を抱いて、夫婦の寝室へと向かう。
そのまま、ベッドに腰掛けた俺の足の間に座らせると、後ろから優しく髪をタオルで拭いてやる。
湯上がりの甘やかな匂いの首筋に、そっと唇を寄せる。
「んっ」
「俺にもプレゼントをくれないか」
「カイさんにもちゃんと買って・・・」
「マリアが欲しい」
愛しい妻をベッドへ押し倒した。
腕の中に彼女がいることは、奇跡のようだ。
俺に奇跡を与えてくれた女神、アニエスお嬢様に祈りを捧げる。
どうか聖なる夜に、アニエスお嬢様にも幸せが降り積もりますように。
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