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学園卒業編
花嫁争奪戦
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「だーかーらー、アニエスお姉様には、大人の色気が滲み出るマーメードラインのドレスが似合うの!」
「確かにアニエスは美しいけれど、ここは愛らしさを全面に出したエンパイヤラインを私は推すわ」
「いや、ここは王道のプリンセスラインだろう」
えーと。
花嫁になる私をそっちのけで、ローラ様に王妃様、それからマリウスは何を盛り上がってんのかな。
今日はウェディングドレスのデザインを話し合うべく、王宮へとやって来ていた。
そして、先程までデザイナーさんと話をしていた。
うん。そこまでは、普通よね。
なのに何故に今、ここに王妃様とローラ様、マリウスが私が決めるはずのデザインで盛り上がってるのかなぁ。
それと、ローラ様。
まだ留学期間は半年残ってるのでは?
私たちと入れ替わりに学園に入学されるローラ様は、婚約者であるカール王太子殿下の国で学ばれてたはずなんだけど。
「ローラ様・・・留学はどうされました?」
「アニエスお姉様!お姉様が本当のお姉様になられると聞いて、嬉しくて嬉しくて、仕方ありません!お兄様にはもったいないですけど、アニエスお姉様が私のお姉様になって下さるのですもの。お兄様のことも褒めてあげますわ」
「ええ。本当に。アニエスが私の娘になってくれるなんて、夢のようだわ。お転婆で手を焼いていたローラも、アニエスのおかげで、王太子殿下に見染められる淑女になって・・・」
えーと・・・
まず、ローラ様。お兄様にはもったいないって。確か私と出会うまでは、お兄ちゃん子だったとマリウスから聞いたんだけど。
いや、ブラコンもどうかと思うけど、マリウスに対して何目線なの?
それから、王妃様。
娘になることを喜んでくれるのは嬉しいけど、あなたの娘はそこで自身の兄を貶してるよ?
そして、相変わらずお転婆だと思う。
ノックもせずに部屋に乱入してきたのは、去年のことだからね。
「ああ。もうすぐアニエスが僕のお嫁さんになるんだね。毎晩アニエスの顔を見て眠れて、毎朝アニエスの顔を見て起きれるんだ。待ち遠しいな」
マリウスも何言ってるかな。
そういうのは、2人きりの時に言って欲しい。恥ずかしいから。
「ああ。赤くなったアニエス、可愛い。母上もローラも、もういいでしょう?アニエスと2人きりにして下さい」
マリウスはそう言うと、私をぎゅっと胸に抱き込めた。
「ズルいわ、お兄様ばかり。私だってアニエスお姉様を独占したいのに!」
「お前はカール殿下を独占しなさい。とにかく、ドレスのデザインはアニエスの希望を聞きますから、2人とも出て行って下さい」
「はぁ。仕方ないわね。ローラ、行きますよ。こうなったマリウスは、絶対に譲らないんですから」
「もう!お兄様ってば。昔の甲斐性無しの時の方が可愛げがありましたわ」
王妃様がソファーから腰を上げ、ローラ様はぷぅーっと頬を膨らませながら、マリウスに悪態を吐いている。
いや、甲斐性無しって。そして可愛げって。本当に一体、何目線?
「確かにアニエスは美しいけれど、ここは愛らしさを全面に出したエンパイヤラインを私は推すわ」
「いや、ここは王道のプリンセスラインだろう」
えーと。
花嫁になる私をそっちのけで、ローラ様に王妃様、それからマリウスは何を盛り上がってんのかな。
今日はウェディングドレスのデザインを話し合うべく、王宮へとやって来ていた。
そして、先程までデザイナーさんと話をしていた。
うん。そこまでは、普通よね。
なのに何故に今、ここに王妃様とローラ様、マリウスが私が決めるはずのデザインで盛り上がってるのかなぁ。
それと、ローラ様。
まだ留学期間は半年残ってるのでは?
私たちと入れ替わりに学園に入学されるローラ様は、婚約者であるカール王太子殿下の国で学ばれてたはずなんだけど。
「ローラ様・・・留学はどうされました?」
「アニエスお姉様!お姉様が本当のお姉様になられると聞いて、嬉しくて嬉しくて、仕方ありません!お兄様にはもったいないですけど、アニエスお姉様が私のお姉様になって下さるのですもの。お兄様のことも褒めてあげますわ」
「ええ。本当に。アニエスが私の娘になってくれるなんて、夢のようだわ。お転婆で手を焼いていたローラも、アニエスのおかげで、王太子殿下に見染められる淑女になって・・・」
えーと・・・
まず、ローラ様。お兄様にはもったいないって。確か私と出会うまでは、お兄ちゃん子だったとマリウスから聞いたんだけど。
いや、ブラコンもどうかと思うけど、マリウスに対して何目線なの?
それから、王妃様。
娘になることを喜んでくれるのは嬉しいけど、あなたの娘はそこで自身の兄を貶してるよ?
そして、相変わらずお転婆だと思う。
ノックもせずに部屋に乱入してきたのは、去年のことだからね。
「ああ。もうすぐアニエスが僕のお嫁さんになるんだね。毎晩アニエスの顔を見て眠れて、毎朝アニエスの顔を見て起きれるんだ。待ち遠しいな」
マリウスも何言ってるかな。
そういうのは、2人きりの時に言って欲しい。恥ずかしいから。
「ああ。赤くなったアニエス、可愛い。母上もローラも、もういいでしょう?アニエスと2人きりにして下さい」
マリウスはそう言うと、私をぎゅっと胸に抱き込めた。
「ズルいわ、お兄様ばかり。私だってアニエスお姉様を独占したいのに!」
「お前はカール殿下を独占しなさい。とにかく、ドレスのデザインはアニエスの希望を聞きますから、2人とも出て行って下さい」
「はぁ。仕方ないわね。ローラ、行きますよ。こうなったマリウスは、絶対に譲らないんですから」
「もう!お兄様ってば。昔の甲斐性無しの時の方が可愛げがありましたわ」
王妃様がソファーから腰を上げ、ローラ様はぷぅーっと頬を膨らませながら、マリウスに悪態を吐いている。
いや、甲斐性無しって。そして可愛げって。本当に一体、何目線?
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