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聖女覚醒編
マリアの婚約者の座は誰の手に?
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「というわけなのだけど」
マリアを我がリリウム公爵家に招いて、マリウスとの話を伝えた。
未だに、マリアの家を知らないせいだ。今回のこともあって教えて欲しいとは思っているが、さすがに今はマリアに負担をかけたくない。
なので、カイに頼んで迎えに行ってもらった。
ああ。何故、異性に怯えるマリアを迎えに行くのが、男性のカイなのかと言うと、助けられたのがカイだったからなのか、理由は不明だけど、カイにだけは怯えないのだ。
カイは大人だからなぁ。
転生してからずっと一緒にいるけど、本当にカイって『できる男』だと思う。
有言実行でマリアを救って来てくれたこともそうだし、マリウスと向き合う前の私のことも、いつもフォローしてくれていた。
今も、諸事情を他の侍女とかに聞かれたくないため、カイがお茶の準備をしてくれたし。
これで腕も立つんだものなぁ。
乙女ゲームの隠しキャラじゃないかってくらいのスペックだと思う。
5歳年上で、濡羽色の髪に、黒曜石の瞳。肉食獣のようなしなやかな体躯に、大人の色気を感じさせるイケメン。
うん。これで、隣国の王子だったりしたら間違いなくシークレットキャラよね。
まぁ、そうじゃないことはわかってるけど。
隣国というか周辺国の王族の顔は、勉強済みだ。腹違いで隠されてたとかなら、わからないけど。
「婚約者ですか?平民の私に?」
マリアが戸惑っている。
あー。確かに、平民の人たちは、婚約というより、恋人になったりお見合いとかで結婚するから、婚約者って縁がないかも。
「別に恋人でも構わないの。でも、名前を借りるとしたら高位貴族の方になると思うから、婚約者にした方が受け入れられやすいと思うの」
「でも、そんなご迷惑をおかけするわけには・・・」
「迷惑なんかじゃないわ。むしろ、マリアにしたら余計なお世話かもしれないけど。マリア、わたくしね、マリアと会えないと寂しいの。だからこれは、わたくしの我儘なの」
「そんなっ。アニエス様にそう言っていただけて、私嬉しいです。今日だって、私が家をお教えしないせいで、わざわざカイさんに迎えに来ていただいたりして」
少し離れた位置に控えるカイに視線を向けるマリアに、おや?と思う。
少し頬が赤くない?
え?もしかしてマリア、カイのこと「ちょっといいな~」とか思ってる?
いや。私の気のせいかな?
私はちょっと、だいぶ、ある意味、そういう方面ニブイらしいからなぁ。
マリウスが言うんだよね。
「アニエスは人の好意に鈍いからね」って。
そんなことないと思うんだけどなぁ。
まぁ、マリウスの溺愛から目を逸らしてた私だから、マリウスにそう言われるのも仕方ないんだけど。
マリアを我がリリウム公爵家に招いて、マリウスとの話を伝えた。
未だに、マリアの家を知らないせいだ。今回のこともあって教えて欲しいとは思っているが、さすがに今はマリアに負担をかけたくない。
なので、カイに頼んで迎えに行ってもらった。
ああ。何故、異性に怯えるマリアを迎えに行くのが、男性のカイなのかと言うと、助けられたのがカイだったからなのか、理由は不明だけど、カイにだけは怯えないのだ。
カイは大人だからなぁ。
転生してからずっと一緒にいるけど、本当にカイって『できる男』だと思う。
有言実行でマリアを救って来てくれたこともそうだし、マリウスと向き合う前の私のことも、いつもフォローしてくれていた。
今も、諸事情を他の侍女とかに聞かれたくないため、カイがお茶の準備をしてくれたし。
これで腕も立つんだものなぁ。
乙女ゲームの隠しキャラじゃないかってくらいのスペックだと思う。
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うん。これで、隣国の王子だったりしたら間違いなくシークレットキャラよね。
まぁ、そうじゃないことはわかってるけど。
隣国というか周辺国の王族の顔は、勉強済みだ。腹違いで隠されてたとかなら、わからないけど。
「婚約者ですか?平民の私に?」
マリアが戸惑っている。
あー。確かに、平民の人たちは、婚約というより、恋人になったりお見合いとかで結婚するから、婚約者って縁がないかも。
「別に恋人でも構わないの。でも、名前を借りるとしたら高位貴族の方になると思うから、婚約者にした方が受け入れられやすいと思うの」
「でも、そんなご迷惑をおかけするわけには・・・」
「迷惑なんかじゃないわ。むしろ、マリアにしたら余計なお世話かもしれないけど。マリア、わたくしね、マリアと会えないと寂しいの。だからこれは、わたくしの我儘なの」
「そんなっ。アニエス様にそう言っていただけて、私嬉しいです。今日だって、私が家をお教えしないせいで、わざわざカイさんに迎えに来ていただいたりして」
少し離れた位置に控えるカイに視線を向けるマリアに、おや?と思う。
少し頬が赤くない?
え?もしかしてマリア、カイのこと「ちょっといいな~」とか思ってる?
いや。私の気のせいかな?
私はちょっと、だいぶ、ある意味、そういう方面ニブイらしいからなぁ。
マリウスが言うんだよね。
「アニエスは人の好意に鈍いからね」って。
そんなことないと思うんだけどなぁ。
まぁ、マリウスの溺愛から目を逸らしてた私だから、マリウスにそう言われるのも仕方ないんだけど。
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