75 / 128
聖女覚醒編
私はヒロインだもの《チェリー視点》
しおりを挟む
前世で大好きだった、乙女ゲーム『青の箱庭』
自分がその世界に転生したのだと知った時は、歓喜したわ。だって、ピンク色の髪と瞳。それは私がヒロインだっていうことだもの。
なのに、私がいるはずの場所に、平民の女がいるじゃない。しかも、ピンク色の髪と瞳をしてるのよ。
だから、排除しようとしたのに、どうしてマリ様もレイ様も、私のことを見てくれないの?
それに、マリ様に婚約者だなんて。
『青の箱庭』は乙女ゲームなのよ?婚約者なんているわけないじゃない。
だって、乙女ゲームはヒロインのための物語だもの。
マリ様やレイ様が私を見てくれないのも、クランたちとほとんど会えてないのも、全部ぜんぶ、あのヒロインもどきがいけないのよ!
きっと、これはバグなんだわ。
バグは修正しないと。
あのもどきを消したら、ちゃんと私がヒロインの、乙女ゲームの世界に戻るのよ。
だからー
あのヒロインもどきを、処分しようとしたのに。
私は男爵令嬢なんだから、平民のもどきなんて私に逆らえるはずないのに。
どうして?
マリ様も、レイ様も、クランもルビスもニコラスも、どうして私を睨んでいるの?
どうして、私は拘束されているの?
なんで?なんで?
だって、私はヒロインなのよ?
みんなは攻略対象で、私のことを好きになるのが当たり前じゃない。
「ねえっ!どうしてこんなことするのッ?私は、私はヒロインなのよ?マリ様っ、レイ様ッ!離すように言ってよっ」
「前も言ったよね?誰の許可を得て僕のことをレイ様だなんて呼んでるの?」
「だって、レイ様は私のことを好きだから、レイって呼んでって・・・私だけは特別だよって・・・」
「ハァ。妄想も大概にしてよ。僕が好きなのはイザベラだけだよ。僕の美しき女神。彼女だけが僕の特別で、孤高の存在。それを君なんかが?何の勘違いか知らないけど、怒りで殺してしまいそうだよ」
何、言ってるの?
イザベラって誰?どうしてレイ様は私のことを、そんな目で見るの?
だって、教皇の子息で、その重責に苦しんでるレイ様を救うのは、聖女であるヒロインの役目で・・・
イベントをこなしてないから?
だから、みんな私のことを見てくれないの?
だって、バグのせいで全然イベントが発生しないんだもの。
同じクラスで授業を受けながら、マリ様やレイ様と距離を縮めていかなきゃなのに、同じクラスになれなかったし。
あのもどきが同じクラスにいるせいよ。だから、もどきを排除したら、バグは治まるはずだったのに。
マリ様に助けを求めようと、顔を上げた私の元に、あの日、私に文句を言ってきた女が近付いて来た。
銀の髪に水色の瞳。
綺麗な人形みたいな女だけど、こんなモブいたっけ?
でも、ヒロインをいじめるモブがいるから攻略対象との距離が縮まるんだわ。
じゃあ、これはイベントなのかしら?
私はマリ様ルートに入ったってことかも。
この後、颯爽とマリ様が私を救ってくれるんだわ。
自分がその世界に転生したのだと知った時は、歓喜したわ。だって、ピンク色の髪と瞳。それは私がヒロインだっていうことだもの。
なのに、私がいるはずの場所に、平民の女がいるじゃない。しかも、ピンク色の髪と瞳をしてるのよ。
だから、排除しようとしたのに、どうしてマリ様もレイ様も、私のことを見てくれないの?
それに、マリ様に婚約者だなんて。
『青の箱庭』は乙女ゲームなのよ?婚約者なんているわけないじゃない。
だって、乙女ゲームはヒロインのための物語だもの。
マリ様やレイ様が私を見てくれないのも、クランたちとほとんど会えてないのも、全部ぜんぶ、あのヒロインもどきがいけないのよ!
きっと、これはバグなんだわ。
バグは修正しないと。
あのもどきを消したら、ちゃんと私がヒロインの、乙女ゲームの世界に戻るのよ。
だからー
あのヒロインもどきを、処分しようとしたのに。
私は男爵令嬢なんだから、平民のもどきなんて私に逆らえるはずないのに。
どうして?
マリ様も、レイ様も、クランもルビスもニコラスも、どうして私を睨んでいるの?
どうして、私は拘束されているの?
なんで?なんで?
だって、私はヒロインなのよ?
みんなは攻略対象で、私のことを好きになるのが当たり前じゃない。
「ねえっ!どうしてこんなことするのッ?私は、私はヒロインなのよ?マリ様っ、レイ様ッ!離すように言ってよっ」
「前も言ったよね?誰の許可を得て僕のことをレイ様だなんて呼んでるの?」
「だって、レイ様は私のことを好きだから、レイって呼んでって・・・私だけは特別だよって・・・」
「ハァ。妄想も大概にしてよ。僕が好きなのはイザベラだけだよ。僕の美しき女神。彼女だけが僕の特別で、孤高の存在。それを君なんかが?何の勘違いか知らないけど、怒りで殺してしまいそうだよ」
何、言ってるの?
イザベラって誰?どうしてレイ様は私のことを、そんな目で見るの?
だって、教皇の子息で、その重責に苦しんでるレイ様を救うのは、聖女であるヒロインの役目で・・・
イベントをこなしてないから?
だから、みんな私のことを見てくれないの?
だって、バグのせいで全然イベントが発生しないんだもの。
同じクラスで授業を受けながら、マリ様やレイ様と距離を縮めていかなきゃなのに、同じクラスになれなかったし。
あのもどきが同じクラスにいるせいよ。だから、もどきを排除したら、バグは治まるはずだったのに。
マリ様に助けを求めようと、顔を上げた私の元に、あの日、私に文句を言ってきた女が近付いて来た。
銀の髪に水色の瞳。
綺麗な人形みたいな女だけど、こんなモブいたっけ?
でも、ヒロインをいじめるモブがいるから攻略対象との距離が縮まるんだわ。
じゃあ、これはイベントなのかしら?
私はマリ様ルートに入ったってことかも。
この後、颯爽とマリ様が私を救ってくれるんだわ。
37
お気に入りに追加
8,020
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
転生ガチャで悪役令嬢になりました
みおな
恋愛
前世で死んだと思ったら、乙女ゲームの中に転生してました。
なんていうのが、一般的だと思うのだけど。
気がついたら、神様の前に立っていました。
神様が言うには、転生先はガチャで決めるらしいです。
初めて聞きました、そんなこと。
で、なんで何度回しても、悪役令嬢としかでないんですか?
悪役令嬢に転生かと思ったら違ったので定食屋開いたら第一王子が常連に名乗りを上げてきた
咲桜りおな
恋愛
サズレア王国第二王子のクリス殿下から婚約解消をされたアリエッタ・ネリネは、前世の記憶持ちの侯爵令嬢。王子の婚約者で侯爵令嬢……という自身の状況からここが乙女ゲームか小説の中で、悪役令嬢に転生したのかと思ったけど、どうやらヒロインも見当たらないし違ったみたい。
好きでも嫌いでも無かった第二王子との婚約も破棄されて、面倒な王子妃にならなくて済んだと喜ぶアリエッタ。我が侯爵家もお姉様が婿養子を貰って継ぐ事は決まっている。本来なら新たに婚約者を用意されてしまうところだが、傷心の振り(?)をしたら暫くは自由にして良いと許可を貰っちゃった。
それならと侯爵家の事業の手伝いと称して前世で好きだった料理をしたくて、王都で小さな定食屋をオープンしてみたら何故か初日から第一王子が来客? お店も大繁盛で、いつの間にか元婚約者だった第二王子まで来る様になっちゃった。まさかの王家御用達のお店になりそうで、ちょっと困ってます。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
※料理に関しては家庭料理を作るのが好きな素人ですので、厳しい突っ込みはご遠慮いただけると助かります。
そしてイチャラブが甘いです。砂糖吐くというより、砂糖垂れ流しです(笑)
本編は完結しています。時々、番外編を追加更新あり。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる