「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな

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悪役令嬢回避編

魔獣討伐2

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 作戦はこうだ。
まず、教師陣の3分の1で水魔法で池を作る。
 残りの3分の2で魔獣を拘束する。そして、レイノルドが溶岩並みに魔獣を燃やす。
 私は、水蒸気爆発を発生させた時の被害を防ぐために結界を張る。

 それで魔獣を倒せるかどうかは、わからない。
 というか、水蒸気爆発で倒せないなら、私たちに使える手はないということになる。

 剣も効かないと言っていたから、風魔法で切り裂くっていう手も効かないだろうし、溶岩並みに熱しても弱らないなら、雷魔法での感電も効果なさそうである。

 転移魔法を使える者もいないし、例え使えたとして元いた場所が分からないから、どこへでも転移させればいいというわけでもない。

 真空空間とかに転移させ、空気がなければ倒せるかもだけど、どちらにせよ使える者がいないのだから、ないものねだりをしたところで仕方ない。

「失敗したら、打つ手なしか」

「そうですわね。転移魔法の使い手でもいれば、他に手も考えられますけど」

「これが成功したら、学ぶことにするよ。会得できるかは分からないけど」

 魔法というものは、魔力量だけでなく、本人の資質に影響する。

 いわゆる相性というヤツである。
だから、頑張れば会得できるというものではない。

 でも、その努力しようとする姿勢は好きだ。レイノルドの場合、単に魔法馬鹿なだけって話もあるけど。

「怪我だけはしないでよ。僕は殿下に殺されたくないからね」

「ふふっ。ノックス様もお約束下さいませね」

「ああ。先生方も準備はいいですか?」

「「「ああ」」」

 魔力糸で拘束した魔獣を宙に浮かせ、その後に地面に大きな穴を開ける。
 本当なら、池とかある場所に移動出来たら良かったんだけど、そんな余裕もないので地面の表面を石で固める。土魔法の応用ってヤツだ。

 その間に拘束魔法を切り替えた魔獣を、レイノルドが永遠に燃やし続ける。

 魔獣は溶融物質じゃないから、アレを水蒸気爆発させるには、密封空間の中にある水を気化膨張させる必要がある・・・らしい。

 前世は理数系得意じゃなかったから、うろ覚えだけど、後輩がそういうの得意な子で、福○の原○事故とか、色々説明してくれた。

 まぁ、理解力が追いつかなくて、最終的には、「熱したフライパンに水を垂らしたら、弾け飛ぶでしょ?アレですよ」とか言われたけど。

 水は熱せられて水蒸気になった場合、体積が1700倍?とか何とかになるらしい。
 うーん。理数系の頭が欲しかったわ。
レイノルドは理数系っぽいから、私の案にすぐ反応したけど。

 まぁ理解はともかく、私のやるべきことは、レイノルドが魔獣を熱し終えたら、結界を張ることだ。
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