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悪役令嬢回避編
デート。それはイベント!
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しばらく、殿下と街歩きを楽しんでいたら、見慣れた背中を見つけた。
肩あたりで揺れるストロベリーブロンド。平民でも貴族でも、あまり見ない髪色の少女。
「マリア様?」
「え?あ!アニエス様っ!」
振り返って、嬉しそうに微笑んでくれたのは、やっぱりマリアだった。
うーん、可愛い。
マリアは休み明けに学園に持っていく文房具を買いに来てたそうだ。
そういえば、マリアは平民なんだから、街歩きとか結構するのかな?
「マリア様もご一緒しませんか?」
私がそう言ったら、マリアはチラッと殿下を見てから、にっこりと頷いた。
「嬉しいです。ぜひ」
殿下も「両手に花ですね」って言ったら笑ってたし、何より可愛い女の子との街ブラ最高。
殿下はどうしても高級店とか入りたがるし、何故か私に目玉が飛び出そうな高い宝石とか買おうとするけど、いやいや、いらないからね?
その点、マリアは金銭感覚が庶民だし、入るお店も、見るアクセサリーの好みも良いし、めちゃくちゃ楽しい。
ただ、側から見たら、どう見ても良いとこの貴族のご令嬢と見えるからなのか、それともマリアが可愛いからなのか、周囲の男の人たちの視線を感じるのが鬱陶しいけど。
「あ。これ、アニエス様に似合いそうです」
「こちらは、マリア様にピッタリだと思いますわ」
「じゃあ、それは僕から2人に贈らせて貰おう」
私たちが入った、まぁ前世でいうところのアクセサリーショップ(高級宝飾店にあらず)で、お互いに似合う髪飾りを手に取っていたら、不思議そうに店内を見ていた殿下が、私たちから髪飾りを受け取って、さっさと会計に向かってしまった。
「え?あの、私のは自分で・・・」
マリアが慌てて止めようとしてたけど、マリアは確か、あんまり裕福な暮らしはしていなかったはず。
ここは、アニエスや殿下からしたら、安価な店だろうけど、マリアが買うのには少々お値段は高めだ。
多分マリアは、普段はもっと安いお店にしか行かないんだろうけど、私が一緒だから気をきかせたんだと思う。
「男の方に恥をかかせてはいけませんわ」
この世界では、男が女性に贈り物をするのは、当たり前とされてるし、前世でも、何か買ってくれようとしているのを自分で払うからと固辞すると、可愛くないと言われた。
まぁ、好きでもない男からのプレゼントなんて苦痛以外の何ものでもないけど、私もこの3年間で殿下からのプレゼントには慣れて来てるし、マリアはいずれ殿下と結ばれるわけで・・・
そこまで考えて、ハッとした。
これ!マリウス殿下ルートのイベントだ!
肩あたりで揺れるストロベリーブロンド。平民でも貴族でも、あまり見ない髪色の少女。
「マリア様?」
「え?あ!アニエス様っ!」
振り返って、嬉しそうに微笑んでくれたのは、やっぱりマリアだった。
うーん、可愛い。
マリアは休み明けに学園に持っていく文房具を買いに来てたそうだ。
そういえば、マリアは平民なんだから、街歩きとか結構するのかな?
「マリア様もご一緒しませんか?」
私がそう言ったら、マリアはチラッと殿下を見てから、にっこりと頷いた。
「嬉しいです。ぜひ」
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ただ、側から見たら、どう見ても良いとこの貴族のご令嬢と見えるからなのか、それともマリアが可愛いからなのか、周囲の男の人たちの視線を感じるのが鬱陶しいけど。
「あ。これ、アニエス様に似合いそうです」
「こちらは、マリア様にピッタリだと思いますわ」
「じゃあ、それは僕から2人に贈らせて貰おう」
私たちが入った、まぁ前世でいうところのアクセサリーショップ(高級宝飾店にあらず)で、お互いに似合う髪飾りを手に取っていたら、不思議そうに店内を見ていた殿下が、私たちから髪飾りを受け取って、さっさと会計に向かってしまった。
「え?あの、私のは自分で・・・」
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ここは、アニエスや殿下からしたら、安価な店だろうけど、マリアが買うのには少々お値段は高めだ。
多分マリアは、普段はもっと安いお店にしか行かないんだろうけど、私が一緒だから気をきかせたんだと思う。
「男の方に恥をかかせてはいけませんわ」
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まぁ、好きでもない男からのプレゼントなんて苦痛以外の何ものでもないけど、私もこの3年間で殿下からのプレゼントには慣れて来てるし、マリアはいずれ殿下と結ばれるわけで・・・
そこまで考えて、ハッとした。
これ!マリウス殿下ルートのイベントだ!
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