「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな

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悪役令嬢回避編

語らい《マリウス視点》

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「というわけで、今日は何も持ってこれなかったのです」

 しゅんと肩を落としたアニエス嬢に、思わず苦笑してしまう。

 甲虫?そんなものを持ってこられても困るし、別に手土産を持ってくる必要もないんだけどな。

「大体、どうして甲虫なのです?」

「男の子は甲虫とか好きでしょう?クランも昔、よくお父様と捕っていましたわ」

 好きでしょうと言われても、僕は虫捕りの経験なんてないし、それにご令嬢のアニエス嬢が、それを取ってこようとしたことに驚きを隠せない。

「別に手土産を持って来なきゃいけないわけじゃないんですよ?」

「それはそうですけど」

 そういえば、どうして手土産を持って来る様になったんだろう?

 確か、僕がアニエス嬢の刺繍した物を見てみたいって言ったら、翌日にハンカチに刺繍してプレゼントしてくれたんだった。

 そのお礼に、王都で人気店の焼き菓子をあげたら、その翌日には手作りのお菓子を作って来てくれて・・・

 そうだ。そのお礼をしたら、また彼女が何か持ってくるという繰り返しだったんだ。

 じゃあ、甲虫は、昨日あげた髪飾りのお返し?


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