「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな

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悪役令嬢回避編

リリウム公爵家の面々

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 ハイドランジア王国筆頭公爵家。
それがリリウム公爵家である。

 当主のジオルドは、青い髪と瞳をした美丈夫だ。
 筆頭公爵家当主として、領民には慕われているが、他貴族には氷の公爵として恐れられているらしい。

 公爵夫人のアナスタシアは、銀の髪に瞳の、夜会の華と呼ばれるほどの妖艶美女である。
 見た目は美しいこの人も、怒るとジオルド以上に恐ろしい人らしい。

 まだ私は目撃していないが、ライトノベルでアニエスが断罪された後の話で、ジオルドとアナスタシアによる報復が書かれていた。

 そう。
ジオルドとアナスタシア、両親はとてもとてもアニエスを溺愛しているのだ。

 アニエスの1歳年下の弟、クラン。
彼もまたライトノベルの中でヒロインに傾倒する攻略対象の1人だ。

 青い髪に銀の瞳のクランは、攻略対象の中でも王太子殿下に次ぐ人気キャラだった。

 アニエスは王太子殿下のことを愛していたし、家族であるクランのことも大切に思っていた。

 その他にも攻略対象はいるが、この2人に拒絶されたことが、アニエスの心を砕いたのだと、私は思っている。

 乙女ゲームって、どうして婚約者がいるのに攻略対象たちはヒロインに傾倒するんだろう。

 確かにヒロインは可愛い。
可愛いけど、大体のヒロインは下位貴族だったり平民だったり、どう考えても高位貴族や王族の婚約者にはなり得ない身分の少女だ。

 そういうところ、どうして攻略対象たちは分からないの?

 乙女ゲームだから、ライトノベルだから、そういう設定なんです!って言われたらどうしようもないんだけど、どうして婚約者のいる相手と仲良くする子のこと、好きになれるの?

 現世でも、あり得ないよね?
恋人のいる男の人にベタベタ仲良くするのって、絶対駄目なやつだよね?

 昔やった乙女ゲームって、婚約者なんかいなかった。
 まぁ、それでも相手は王子様だったりして、普通にあり得ない相手だったけど。

 ちなみに、『青の箱庭』の乙女ゲーム版では、攻略対象に婚約者はいない。
 アニエスが王太子の婚約者なのは、ライトノベル版の方なのだ。

 一応、物語なわけだし、話の盛り上がりとして断罪とかが欲しかったのかもしれないけど、アニエスに罪はないのにとつくづく思う。

 何より、弟が攻略対象で、姉を断罪するって・・・ないわぁ。めっちゃ可哀想だわ、アニエス。


 やっぱり、王太子との婚約をなしにするだけじゃ駄目だ。
 何とかヒロインがクランを攻略しないようにしないと。

 さっさと王太子とくっついて貰えばいいのかな。ハーレムとか狙ってないなら、それでどうにかなるかもしれない。

 









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