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自分らしく

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 色々と思うことはあるけど、ウジウジ考えて足踏みするのは私らしくない。

 シキのことは普通に好きだし、もしかしたらこれは恋愛的な好きかもしれない。

 でも、皇后になるのはやっぱり面倒だと思ってしまう。

 だっていくら聖女だからって、私は平民だから、貴族としての考え方や言動が出来ない。

 シキもアルヴァン様も・・・何なら王宮勤めのみんなは味方してくれるだろうけど、でもって嫌味を言われても私は気にしないけど・・・

 シキと結婚したとして、生まれた子供が嫌味を言われるかもしれない。

 例えば「お母様は自由奔放な方で○○様は大変ですわね~」的な?

 私は全く気にしないから良いけど、子供が気にする性格だったらかわいそうでしょ。

 まぁ私はまだ十三歳だし、シキも後数年なら待ってくれると思う。

 それまでにシキが他の人を好きになったり、皇后に迎えたとしても、それはそれで仕方ない。

 初恋は実らないってよく聞くし、失恋したらしばらくは辛いかもだけど、そしたら他国に行っても良いし。

 そう決めたら、何だか気が楽になった。

 クラウド様の言うことは、理解出来る。

 そんなことない、大丈夫って言いたいけど、シキやアルヴァン様は大丈夫だけど、他の人もそうとは限らない。

 シンクレア王国の教皇や国王のように、聖女を輩出したという形だけを欲しがったクリムゾン伯爵家のように、私の力を利用しようとする貴族は多いだろう。

 そしてそれらから私と私の大切な存在を守るには、皇后という立場はきっと役に立つ。

 だから、クラウドの言っていることは何も間違っていない。

 彼らは、私のことを案じて親切心で言ってくれただけだ。

 だから、シキがお茶を携えて戻ってきた時には、私はいつもの私に戻っていた。

「・・・ん?ティアらしい顔になったな」

「ん。もう平気。お茶、ありがとう。飲んだら、マリアベルたちと話しようと思う。教皇たちのことも片付けたいし、アーバンラマとラプラスに渡す結界石も作らなきゃ」

「がんばりすぎるなよ。な?クロ」

「うにゃん」

 シキはポンポンと私の頭を撫でると、私の膝の上のクロに話しかける。

 がんばり過ぎてるつもりはないけど、うん、やっぱりウジウジ悩んでるのって私らしくないや。

 シキとのことも、なるようになる。

 私がシキを好きだって気付いた時に、シキが他の人を好きになってたとしても・・・

 逆に、好きだって言って受け入れてもらえて、皇后になることになったとしても・・・

 自分で決めたことなら、きっと納得できると思うから。



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