123 / 134
絵図が悪い
しおりを挟む
「シンクレア王国の魔獣はこちらで片付けるとして、それらが片付いても魔獣がいなくなるわけではないのですよね?」
異常種と、スタンピードのような状態はどうにか出来るが、魔獣全てを教皇たちが作ったわけではないだろう。
「ああ。魔獣は太古の昔から存在すると書物にもある。まぁそれでも、異常種などでなければ結界と騎士団や冒険者でなんとかなる」
シキの言葉に頷く。
となると、次は・・・
「じゃあ、次はあの元凶をどうするか、ですね」
「普通に処刑一択でいいんじゃないか?」
「簡単に死なせて終わるというのも癪な気がするけどね。国が滅びるきっかけを作っておいて、尻拭いは残った人間がするわけだし」
「む、それもそうだな」
クラウドの言いたいことも分かるのか、グレンが考え込んでいる。
あっさり死なせるのではなく、何か報復的なのにしたいということかな。
うーん。
死ぬより辛いこと、ねぇ。
「お互いが魔獣に見えるようにして、殺し合わせるとかはどうですか?」
アルヴァン様の案に、そんな感じがベストかなと思う。
私は教皇のように、人を魔獣に変える魔法は使えない。
アレは魔石を埋め込んだだけじゃないと思う。
だけど、幻覚魔法で魔獣に見せることなら出来る。
「あの国王って、女好きなんだろ?お互いか魔獣が、女に見えるようにするとかどうだ?」
「グレン様っ!」
グレンの案に、グレンの婚約者であるカーティ様はアントワナ様を気遣ってグレンを叱っている。
アントワナ様は苦笑されてるけど、気にした様子はなかった。
「お気遣いありがとう。でも、大丈夫よ。でも殿下は、ご自分の婚約者やラプラス様の婚約者、そしてティアラ様を気遣って差し上げるべきね。若い女性のいる所でする発言ではないわ」
「っ!申し訳ない」
「リミア様もティアラ様も申し訳ありません」
グレンは素直に謝罪し、カーティ様も隣で謝ってくれた。
うん、まぁ、ご令嬢の前でする話じゃないよね。
私はご令嬢じゃないけど、まだ子供だし。
「ティアに変なことを聴かせるな」
「すまん。失言だった」
シキまで怒ってるけど。
「大丈夫ですよ?私は平民の聖女だったので、そういう類の話は他の聖女たちが結構していました。いわゆる耳年増というやつですね」
みんな私より年上の、お年頃の女性も多かったから、そういう話も自然と耳に入った。
私に話しかけるのではなく、話しているのが聞こえる、というやつだけど。
「そ、そうなのか?」
「はい。でも、その案はちょっと・・・絵面が気持ち悪いので却下です」
私の意見に、カーティ様とリミア様が笑った。
異常種と、スタンピードのような状態はどうにか出来るが、魔獣全てを教皇たちが作ったわけではないだろう。
「ああ。魔獣は太古の昔から存在すると書物にもある。まぁそれでも、異常種などでなければ結界と騎士団や冒険者でなんとかなる」
シキの言葉に頷く。
となると、次は・・・
「じゃあ、次はあの元凶をどうするか、ですね」
「普通に処刑一択でいいんじゃないか?」
「簡単に死なせて終わるというのも癪な気がするけどね。国が滅びるきっかけを作っておいて、尻拭いは残った人間がするわけだし」
「む、それもそうだな」
クラウドの言いたいことも分かるのか、グレンが考え込んでいる。
あっさり死なせるのではなく、何か報復的なのにしたいということかな。
うーん。
死ぬより辛いこと、ねぇ。
「お互いが魔獣に見えるようにして、殺し合わせるとかはどうですか?」
アルヴァン様の案に、そんな感じがベストかなと思う。
私は教皇のように、人を魔獣に変える魔法は使えない。
アレは魔石を埋め込んだだけじゃないと思う。
だけど、幻覚魔法で魔獣に見せることなら出来る。
「あの国王って、女好きなんだろ?お互いか魔獣が、女に見えるようにするとかどうだ?」
「グレン様っ!」
グレンの案に、グレンの婚約者であるカーティ様はアントワナ様を気遣ってグレンを叱っている。
アントワナ様は苦笑されてるけど、気にした様子はなかった。
「お気遣いありがとう。でも、大丈夫よ。でも殿下は、ご自分の婚約者やラプラス様の婚約者、そしてティアラ様を気遣って差し上げるべきね。若い女性のいる所でする発言ではないわ」
「っ!申し訳ない」
「リミア様もティアラ様も申し訳ありません」
グレンは素直に謝罪し、カーティ様も隣で謝ってくれた。
うん、まぁ、ご令嬢の前でする話じゃないよね。
私はご令嬢じゃないけど、まだ子供だし。
「ティアに変なことを聴かせるな」
「すまん。失言だった」
シキまで怒ってるけど。
「大丈夫ですよ?私は平民の聖女だったので、そういう類の話は他の聖女たちが結構していました。いわゆる耳年増というやつですね」
みんな私より年上の、お年頃の女性も多かったから、そういう話も自然と耳に入った。
私に話しかけるのではなく、話しているのが聞こえる、というやつだけど。
「そ、そうなのか?」
「はい。でも、その案はちょっと・・・絵面が気持ち悪いので却下です」
私の意見に、カーティ様とリミア様が笑った。
58
お気に入りに追加
2,571
あなたにおすすめの小説

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
【完結】もう結構ですわ!
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。
愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/29……完結
2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位
2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位
2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位
2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位
2024/09/11……連載開始
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星里有乃
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

【完結】期間限定聖女ですから、婚約なんて致しません
との
恋愛
第17回恋愛大賞、12位ありがとうございました。そして、奨励賞まで⋯⋯応援してくださった方々皆様に心からの感謝を🤗
「貴様とは婚約破棄だ!」⋯⋯な〜んて、聞き飽きたぁぁ!
あちこちでよく見かける『使い古された感のある婚約破棄』騒動が、目の前ではじまったけど、勘違いも甚だしい王子に笑いが止まらない。
断罪劇? いや、珍喜劇だね。
魔力持ちが産まれなくて危機感を募らせた王国から、多くの魔法士が産まれ続ける聖王国にお願いレターが届いて⋯⋯。
留学生として王国にやって来た『婚約者候補』チームのリーダーをしているのは、私ロクサーナ・バーラム。
私はただの引率者で、本当の任務は別だからね。婚約者でも候補でもないのに、珍喜劇の中心人物になってるのは何で?
治癒魔法の使える女性を婚約者にしたい? 隣にいるレベッカはささくれを治せればラッキーな治癒魔法しか使えないけど良いのかな?
聖女に聖女見習い、魔法士に魔法士見習い。私達は国内だけでなく、魔法で外貨も稼いでいる⋯⋯国でも稼ぎ頭の集団です。
我が国で言う聖女って職種だからね、清廉潔白、献身⋯⋯いやいや、ないわ〜。だって魔物の討伐とか行くし? 殺るし?
面倒事はお断りして、さっさと帰るぞぉぉ。
訳あって、『期間限定銭ゲバ聖女⋯⋯ちょくちょく戦闘狂』やってます。いつもそばにいる子達をモフモフ出来るまで頑張りま〜す。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結まで予約投稿済み
R15は念の為・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる