聖女の地位も婚約者も全て差し上げます〜LV∞の聖女は冒険者になるらしい〜

みおな

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責任の所在

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「と、いうわけです」

 ラプラス王国からクラウド王太子殿下、アーバンラマ帝国からグレン第二皇子殿下、グレイ王国から、シンクレア王国アントワナ王妃殿下がカルディア帝国にやって来た。

 あ。約束通りに、クラウド殿下とグレン殿下は、婚約者のリミア令嬢とカーティ令嬢とご一緒だ。

「シンクレアの国王と教皇が・・・」

「そんなことが可能なのか?」

「・・・」

 可能か不可能かでいうなら、可能なのだろう。
 実際に、マリアベルは魔獣に変えられた。

 目の前で変化したのを見ていなかったら、どこかで出会って討伐していただろう。

 何故そんなことをしていたのかは、本人たちに聞かなければ真実は分からないが、シンクレア王国に魔獣の被害は他国のみの上、ポーションを売りつけることもできる。

 それがきっかけだったのかもしれない。

 アントワナ様は、グレイ王国に戻っているとはいえ離縁していない今はまだシンクレア王国の王妃だ。

 別にアントワナ様に責任を取らせようとは思っていないんだけど、取らせるなら張本人たちに取らせるし。

 さすがに顔色が悪い。

「アントワナ様。カタパルト殿下はご無事ですよ」

「ティアラ様・・・」

「別室で待たれています。マリアベル嬢とこの先どうするか考えていただいていますから、アントワナ様、そちらでお会いになられたらどうですか?」

 私の提案に、アントワナ様は首を横に振った。

「いいえ、いいえ。私はシンクレア王国の王妃です。今回のシンクレア王国の人間の所業に対して、責任を取る義務があります」

「ありませんよ、そんなもの」

 確かに普通なら、国としての責任は国王と王妃が取るべきだろう。

 だけど、平民の私にはそんなこと関係ない。

 責任は当事者が取ればいい。

 そのことで文句を言うなら、魔獣討伐に手を貸してもらう必要はない。

 私ひとりで討伐するし、結界石の話もナシだ。

「そんなわけには・・・」

「諦めた方がいい。ティアは言い出したら聞かない。それに、当事者が生きている。責任は彼らにとってもらう」

 そんなわけにはいかないと言うアントワナ様に、シキが淡々と語る。

 それだと私がものすごく聞き分けのない子供みたいなんだけど?

 まぁ、実際聞かないけど。

「僕は・・・ラプラス王国は、王妃殿下に責任を取らせようとは思いませんよ。ただ、シンクレア王国の存続は諦めてもらいますけど」

「俺もその案に賛成だ。あとは、結界石を融通してくれるなら、な」

「いいですよ。シンクレア王国にいる魔獣を狩れば、相当量の結界石が作れると思いますから」

 あとは、シンクレア王国の魔獣討伐と、カタパルト殿下たちのこれからについて話し合うくらいかな?
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