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人は見た目で

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 この場合、ギルド職員が仲介というかフォローに入ってくれる・・・はずなんだけど。

 ミミさん、休みなのかな?
他の職員さんは・・・んー、あの人は見たことないな。新人さんかな?

 えーとあの人は・・・あ。目を逸らした。

「ああっ?俺は別に絡んでなんかいねぇ!」

「レディの前で、そんな汚い言葉遣いはやめたまえ。冒険者としての品位が疑われるよ。大丈夫かい?愛らしいレディ。僕が冒険者として手取り足取り教えてあげよう」

「あ。結構です」

 いきなり私の肩を抱こうとしたフェミニスト気取りから三歩離れて、その手から逃れる。

 えーと、どうしよう。めっちゃキモい。

 レディって、私十三歳だよ?
それなのに肩を抱こうとか、めっちゃキモい。

 これ、フェミニストじゃなくてロリコンじゃないでしょうね?

 私を好きだと言ったシキは・・・
うん。まだ十八歳だし、ギリギリセーフってことで。

 目の前のロリコン(疑惑)は、どう見ても二十歳は超えてるっぽいし。

「可愛いなぁ。照れてるのかい?」

「やめろ。嫌がってるじゃねぇか」

「君の目は節穴かい?君のような粗雑な冒険者と違って、この僕を嫌がる女性などいるわけがない」

 わー。
怖いよ。キモいよ。そして勘違いが甚だしいよぉ。

 殴っていいかなぁ?

「フーッ!」

「おや?黒猫ちゃんも一緒かい?可愛いなぁ。さぁ、あっちで話そうか?子猫ちゃん」

 懐から顔を覗かせたクロが、威嚇している。

 私に再度伸ばしてきたロリコン(決定)の手を、チンピラもどきさんがはたき落とした。

「ッ!何をするんだい!失礼だな、君は」

「嫌がってるだろうが。大体、女を引っ掛けるなら、他所へ行け」

「引っ掛けるなど!僕はただ、そのレディに冒険者としてのイロハをゆっくりと教えて・・・」

「何を教えるつもりですか?フェミマーさんよりも実力は上ですよ、彼女」

 言い争うロリコンの言葉を遮るように、ミミさんの声が聞こえた。

「あ。ミミさん」

「元気だった?こんにちは、クロちゃん。えらいぞ、ちゃんとティアちゃんを守ろうとして」

「にゃ」

 ミミさんに頭を撫でられて、嬉しそうなクロ。

「レディ、ミミ。今なんと?」

「ギルドでのナンパ行為はやめてくださいと前々から言ってますよね?フェミマーさん。それから、モラスさん。あなたに悪気がないのは分かってますけど、どうにも粗雑すぎるんです。いらぬ誤解を受けますし、相手を容姿で判断するのは、冒険者としても人としても問題ですよ」

「す、すまん」

 あ。チンピラさんはどうやら良い人というか、親切心で言ってくれたみたい。

 うん。確かに人を見た目で判断しちゃダメだね。
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