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信頼しているからこそ
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「僕は信用ならないか?それなりの魔法使いのつもりなんだが」
シキの言葉に、首を横に振る。
シキが優秀なことは、先日の異常種討伐で分かっている。
「信頼していますが、それとこれとは話が別です。何事にも万が一があります」
「ははっ。信頼してくれているのか。そうか・・・なら、やろう。何よりティアはこの方の母君を救いたいのだろう?」
救いたい。確かに、救いたい。
でも、そのせいでシキにもしものことがあれば、カルディアのみんなに顔向けできない。
「にゃー?」
「クロ・・・」
「にゃん」
「ナイト」
二匹の猫たちが・・・猫じゃないけど、大丈夫だよと言ってくれてる気がした。
私は・・・アントワナ様を救ってあげたい。お母様の呪いを解いてあげたい。
「大丈夫だ。ティアと僕なら出来る」
「その自信はどこからくるんですか?」
「そうだなぁ。ティアと初めて会った時から、ティアの力は信用してるさ。力を見たくて意地悪な言い方をしたけどな」
「ああ。そういえばそうでした。めっちゃ嫌なこと言われました。あー、やなヤツって思いました」
クスクスと笑いながらそう言うと、シキも笑い出す。
「吹っ切れたみたいだな。なら、やろう」
「わかりました。アントワナ様は、すみませんが部屋の外に出てもらえますか?扉は王妃様が見える程度なら開けておいてもかまいません」
「で、でもティアラさん・・・」
「大丈夫です。私こう見えても優秀な聖女なので」
決断したなら、迷いは捨てる。
躊躇ったり迷ったりすれば失敗する。
大丈夫。今まで通りに、私の出来ることをやるだけだ。
「・・・分かったわ。でも、危ないと思ったら、そこで引き返して」
「はい。それじゃあ、シキ。魔法で王妃様全身を包むように隔離出来る?」
「ああ。結界魔法を施す感じだな?」
「うん。で、私が呪詛に直接刺激を与えたら、おそらく呪詛がシキに取り憑こうとしてくる。自分自身も結界で包んで。どのくらい保つ?」
呪詛は、王妃様の体から出された時点で、新たな宿主に取り憑こうとする。
だから魔法使いに負担が大きいんだけど、聖力のある人間でないと、その呪詛をひっぺがすことが出来ない。
シキは結界を張れる魔道具を作っていた。
つまりは、ある程度の結界なら張れるということだ。
「そうだな・・・どのくらい必要だ?」
「十分くらいあれば何とか」
「分かった。必ず保たせる」
私が結界を張ればいいんだけど、私が引き剥がす関係で、私の魔力や聖力に抗体ができるというか、馴染んでしまう。
結界が意味をなさないから、どうしても別の魔力持ちが必要なのだ。
私はシキと目を合わせた。
大丈夫。呼吸の合わせ方は、異常種を倒した時に掴んだ。
シキの言葉に、首を横に振る。
シキが優秀なことは、先日の異常種討伐で分かっている。
「信頼していますが、それとこれとは話が別です。何事にも万が一があります」
「ははっ。信頼してくれているのか。そうか・・・なら、やろう。何よりティアはこの方の母君を救いたいのだろう?」
救いたい。確かに、救いたい。
でも、そのせいでシキにもしものことがあれば、カルディアのみんなに顔向けできない。
「にゃー?」
「クロ・・・」
「にゃん」
「ナイト」
二匹の猫たちが・・・猫じゃないけど、大丈夫だよと言ってくれてる気がした。
私は・・・アントワナ様を救ってあげたい。お母様の呪いを解いてあげたい。
「大丈夫だ。ティアと僕なら出来る」
「その自信はどこからくるんですか?」
「そうだなぁ。ティアと初めて会った時から、ティアの力は信用してるさ。力を見たくて意地悪な言い方をしたけどな」
「ああ。そういえばそうでした。めっちゃ嫌なこと言われました。あー、やなヤツって思いました」
クスクスと笑いながらそう言うと、シキも笑い出す。
「吹っ切れたみたいだな。なら、やろう」
「わかりました。アントワナ様は、すみませんが部屋の外に出てもらえますか?扉は王妃様が見える程度なら開けておいてもかまいません」
「で、でもティアラさん・・・」
「大丈夫です。私こう見えても優秀な聖女なので」
決断したなら、迷いは捨てる。
躊躇ったり迷ったりすれば失敗する。
大丈夫。今まで通りに、私の出来ることをやるだけだ。
「・・・分かったわ。でも、危ないと思ったら、そこで引き返して」
「はい。それじゃあ、シキ。魔法で王妃様全身を包むように隔離出来る?」
「ああ。結界魔法を施す感じだな?」
「うん。で、私が呪詛に直接刺激を与えたら、おそらく呪詛がシキに取り憑こうとしてくる。自分自身も結界で包んで。どのくらい保つ?」
呪詛は、王妃様の体から出された時点で、新たな宿主に取り憑こうとする。
だから魔法使いに負担が大きいんだけど、聖力のある人間でないと、その呪詛をひっぺがすことが出来ない。
シキは結界を張れる魔道具を作っていた。
つまりは、ある程度の結界なら張れるということだ。
「そうだな・・・どのくらい必要だ?」
「十分くらいあれば何とか」
「分かった。必ず保たせる」
私が結界を張ればいいんだけど、私が引き剥がす関係で、私の魔力や聖力に抗体ができるというか、馴染んでしまう。
結界が意味をなさないから、どうしても別の魔力持ちが必要なのだ。
私はシキと目を合わせた。
大丈夫。呼吸の合わせ方は、異常種を倒した時に掴んだ。
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