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謝罪されました
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「本当にごめんなさい」
王妃様は改めて頭を下げて謝罪してくれた。
王妃様が悪いとは思ってないけど、親として教育が出来てないと言われたら、そうなのかも?とも思う。
私は親に捨てられたのか、親が亡くなったのかも知らなくて孤児院で育ち、聖女の力が発覚してからは、聖女の親としての利益のためだけに養女になったから・・・
親の愛情とか教育とか、全くわからない。
小さな子供でもあるまいし、あの王太子の言動は、あの王太子の責任じゃないかな。
「王妃様、謝罪は必要ありません。私はおかげで自由になれて幸せですから」
「ふふっ。そう、そうね。一度会った時よりも生き生きとしているわ。ずっと、ずっと苦労させていたのね」
「聖女としての務めは苦ではありませんでした。ただ、国から出ることが許されなかったことだけ不満でしたけど」
それも、ある程度仕方ないことだとは理解はしてた。
「それよりも王妃様。グレン王国ってどういうことですか?」
「ああ。貴女はずっと教会から出されなかったから知らないのね?私がグレン王国の出身だということは?」
「あ。それは知ってます」
「二年前にね、母親が病気で倒れたの。その病気見舞いだと言って、グレン王国に里帰りしたのよ。貴女がお嫁に来るのならって我慢してたのだけど、国を出たと聞いて決断が出来たの。シンクレア王国国王とは、離婚するわ」
その後、王妃様は諸事情を話してくれた。
政略結婚だったシンクレア王国国王陛下、当時は王太子殿下ね、とグレン王国の王女だった王妃様。
王妃様が妊娠した途端に、浮気を始めた国王陛下。それでも子供を授かったことでずっと我慢していたらしい。
離婚も考えたけど、生まれたのが男の子だったから、王妃様が引き取ることはできなかったし、やっぱりお腹を痛めて産んだ子は可愛かったらしい。
それから閨を共にしなかったから、あの王太子には兄弟がいない。
聖女である私を婚約者にすることを国王陛下と教皇が決めてしまったから、王妃がいなくなることで王太子妃の負担が増えることを危惧して、離婚するのは踏みとどまっていたそうだ。
そんな時に母親が病に倒れて、里帰りすることになった。
王妃という立場にありながら、どうしてもシンクレア王国に帰りたくなかったそうだ。
いまだに病床につかれているお母様のことが心配なのもあったそうだけど、離れたことで本当に夫と暮らすことが苦痛だと感じたのだとか。
なるほどねぇ。
あの王太子、父親似だったのね。
王妃様は改めて頭を下げて謝罪してくれた。
王妃様が悪いとは思ってないけど、親として教育が出来てないと言われたら、そうなのかも?とも思う。
私は親に捨てられたのか、親が亡くなったのかも知らなくて孤児院で育ち、聖女の力が発覚してからは、聖女の親としての利益のためだけに養女になったから・・・
親の愛情とか教育とか、全くわからない。
小さな子供でもあるまいし、あの王太子の言動は、あの王太子の責任じゃないかな。
「王妃様、謝罪は必要ありません。私はおかげで自由になれて幸せですから」
「ふふっ。そう、そうね。一度会った時よりも生き生きとしているわ。ずっと、ずっと苦労させていたのね」
「聖女としての務めは苦ではありませんでした。ただ、国から出ることが許されなかったことだけ不満でしたけど」
それも、ある程度仕方ないことだとは理解はしてた。
「それよりも王妃様。グレン王国ってどういうことですか?」
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「あ。それは知ってます」
「二年前にね、母親が病気で倒れたの。その病気見舞いだと言って、グレン王国に里帰りしたのよ。貴女がお嫁に来るのならって我慢してたのだけど、国を出たと聞いて決断が出来たの。シンクレア王国国王とは、離婚するわ」
その後、王妃様は諸事情を話してくれた。
政略結婚だったシンクレア王国国王陛下、当時は王太子殿下ね、とグレン王国の王女だった王妃様。
王妃様が妊娠した途端に、浮気を始めた国王陛下。それでも子供を授かったことでずっと我慢していたらしい。
離婚も考えたけど、生まれたのが男の子だったから、王妃様が引き取ることはできなかったし、やっぱりお腹を痛めて産んだ子は可愛かったらしい。
それから閨を共にしなかったから、あの王太子には兄弟がいない。
聖女である私を婚約者にすることを国王陛下と教皇が決めてしまったから、王妃がいなくなることで王太子妃の負担が増えることを危惧して、離婚するのは踏みとどまっていたそうだ。
そんな時に母親が病に倒れて、里帰りすることになった。
王妃という立場にありながら、どうしてもシンクレア王国に帰りたくなかったそうだ。
いまだに病床につかれているお母様のことが心配なのもあったそうだけど、離れたことで本当に夫と暮らすことが苦痛だと感じたのだとか。
なるほどねぇ。
あの王太子、父親似だったのね。
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