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素直が一番

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 シキと一緒に、素直にアルヴァン様に謝罪した。

 憎くて怒ってるんじゃない。
むしろ、大切に思ってくれてるからこその叱責だもの。ここは素直に謝らないとね。

 謝ったあとは、魔石の加工のために隠し部屋に籠る。

 シキとアルヴァン様には、もう少し魔石は欲しいので、魔獣情報を集めてもらうことにした。

 シキもアルヴァン様も、隠すと逆に私が単独行動を取るので、ちゃんと調べて教えてくれることになった。

 うん、うん。
やっぱり人間素直が一番。

 グレン様たちが、再びカルディア帝国を訪れるまでに、ある程度目処をつけておきたい。

 範囲でなく結界の保ちに焦点を置いて、結界石を作っていく。

 さすがに半永久とかは無理だけど、ギリギリ一年は聖力を込めなくても結界が持続するように出来た。

 範囲が狭いから、やっぱり相乗効果を付けるためにもあと四個は欲しいな。

「出来た、のか?」

 しばらくすると、シキがやって来た。

 私は二個の結界石の作成を終えて、それらをぼんやりと見ながら考え事の最中だった。

「どうした?失敗したのか?」

 私がぼんやりしていたからだろう。
シキがそう尋ねるけど、声が僅かに嬉しそうだ。

 シキは、皇帝陛下としては結界石が欲しい。
 でも、個人としては、私にこの国から出て行って欲しくないから・・・

「成功しましたよ」

「ッ!そうか。なら、何を考えているんだ?」

「・・・ちょっと聞きますけど、この国ってこんなに異常種が頻繁に現れるんですか?」

 私がアルプロの森でドラゴンを倒してから、まだ数ヶ月だ。

 こんなに頻繁にあのクラスが出るとか、あり得なくない?

 私が何を考えていたのか理解したのか、シキは私の向かいに座りながら首を振った。

「僕が異常種を見たのは、今回が初めてだ。ティアと初めて会った時・・・アルプロの森の調査に行っていたんだ。行った時には、何の異常もなかったが・・・」

「皇帝陛下自ら、ですか?」

「あくまでも調査だが、僕とアルヴァンならある程度ならどうにかできるだろうと思ってな。今回倒してみて分かったが、無傷とはいかなかっただろうな」

 シキは確かに強いし、アルヴァン様も強い。
 敵の弱点の分析さえ出来れば、異常種でも倒せるだろう。

 だけど、シキの言う通り無傷とはいかない気がする。

 シキが弱いとかではなく、私が普通じゃないんだ。

「ナイトが騒ぐから、子供・・・クロがいることが分かって、あの時無理矢理帝都へと連れて来たが・・・」

 シキはそこまで言うと、ちょっと情けなげな表情をして苦笑した。

「そうだな。あの時、どこに行こうと止めないと約束した。悪かった。ティアといるのが楽しくて、我儘を言った・・・」

 ああ。そういえばそんなこと言われて、クロのことが知りたかったから帝都に来たんだっけ。
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