聖女の地位も婚約者も全て差し上げます〜LV∞の聖女は冒険者になるらしい〜

みおな

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思いついたのは

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「アレが、異常種か・・・」

 まぁ、初めて見たら引くわよね。

 ゴツゴツとした尖ったとげ?らしきもののある背中。
 四つ足で、首はその胴体に引っ込めることができそうな様子。

 胴体の色は青で、多分水属性なんだろうけど、異常種なら複数持ちかも。

 周囲にはまだ冒険者はいない。
多分、大量発生の魔獣に手を取られてここまで来れていない。

 と言うわけで、早々に倒すに限る。

「とりあえず、水属性っぽいですから、風魔法で対応してみます?」

 一般的にこの世界では、水は風と相性が悪いとされている。

「分かった」

 シキが風魔法を唱える。
シキも簡単な魔法なら、無詠唱で使えるらしい。

 胴体に当たった風魔法に、異常種がその目をギョロリとこちら向けた。

 うーん。やっぱり亀っぽいけど、ちょい気持ち悪い。

 と、その首を胴体に引っ込めて、突然高速でこちらに転がって来た。

 慌てて、シキの手を引いて木の上に飛び上がる。

 ゴロゴロと転がった異常種は、辺りの木を薙ぎ倒して止まった。

 また首を出して、周囲を見渡しながらノシノシと動く。

「風魔法でも上位でないと無理そうですね。もしかしたら風でもあの背中、貫通できないかも」

「試してみるか」

 シキが風魔法の呪文を唱え始めた。
長めの呪文を唱え終え発動されたのは、かまいたち系の風の上位魔法。

 それが異常種の・・・亀でいいか、亀を切り刻むように荒れる。

 砂埃の消えた後に見えたのは、多少の傷は負っているものの、五体満足な亀だった。

「ぐっ、やはり駄目か」

 シキの放ったのは、ここで放てる風魔法の最上位だ。
 これ以上の上位魔法となると、周囲も巻き込む。

 使うなら、あたりを隔離してから・・・

 ん?

「ちなみに、最上位のサイクロンは使えます?」

「・・・使えるが、アレは魔力の消耗が大きすぎるし、周囲も巻き込む。それに詠唱も長い。その間、アレが大人しくしているとは思えない」

「詠唱してる間は、私がアレの相手をしておきます。あと、アレの周囲を五メートル範囲で、こう隔離というかアレを大きな箱に入れた感じにしますから、その中に魔法を放って下さい」

 どういえばいいのか分からなくて、身振り手振りで説明する。

 シキは少し考え込んだあと、頷いた。

「つまり、僕の魔法の発動準備ができた時点で、その箱とやらの魔法を放つのだな?だが上手く連携を取らないと、ティアの魔法に弾かれる。放ったのと箱の蓋を閉めるタイミングが大事だな」

 そのあと、シキが魔法を放つ合図、魔法が亀に着弾するタイムラグなどを確認して、私たちは行動を開始した。

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