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やった!異常種だ
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その後、シキだけがギルドの転移魔法陣を借りた。
ただし、隠蔽魔法で姿を隠した私もシキにくっついている。
隠蔽魔法は姿が見えなくなるだけで、触れればそこにいるのはバレるんだけど、魔法陣が質量を感知するか分からないから、ちょっと不安だった。
結果として、全く感知しないみたいでホッとしたけど。
アーバンラマ帝国のギルドを出てから、シキに話しかける。
ちなみに隠蔽魔法は継続中だから、周囲に人がいないところで、だ。
人のいるところだと、シキが誰もいない空間に話しかける変な人になってしまう。というか、声は聞こえるから、私が幽霊扱いされちゃう。
「国境より先の、湖付近に発生しているらしいですね」
「ああ」
湖付近の街道に、魔獣が多く発生しているらしい。
あまりの多さに、Bランクでは捌ききれず、Aランクも参加することになったそうだ。
倒しても倒しても次々に沸く魔獣に、相当量の冒険者が討伐に参加しているようだ。
「異常種か?」
「・・・多分。そのせいで魔獣が活性化してるんだと思います。急ぎましょう。もし異常種が前線に出てきたら、被害が出ます」
あのドラゴンクラスなら、チームを組んだAランクなら倒せるとは思うが、被害が皆無とはいかないだろう。
「・・・ずっと姿は隠しているままか?」
「周囲に人がいなければ解きますけど、他の冒険者にも姿は見せない方がいいので」
私の見た目は少女なので、どうしても侮られがちなのだ。
面倒ごとを引き寄せるよりは隠しておいた方が無難だ。
しばらく走ると、冒険者の姿と魔獣が見え始めた。
「シキも姿を隠しましょう。この辺りは冒険者に任せても大丈夫です」
「・・・分かった」
幸いにもシキも隠蔽魔法は使えたから、この場は隠れたまま進むことにする。
今まで隠していなかったのは、ギルドにカルディア帝国皇帝が通ったとバレているからだ。
ある程度の痕跡は残しておかないと、良からぬことをしに来たと思われる可能性がある。
現に、帝都を出るときから、数人の騎士たちが追跡してきていた。
まぁ、高速移動で振り切ったけど。
シキの強さを知られるのは困らないし、実際にグレン様たちの露払いをするだけなら振り切らなくても良いのだけど、異常種がいるなら別だ。
別にシキでも倒せると思う。
だけど、怪我なく倒せるかはわからないし、騒ぎを大きくしたくないから、早急に倒したい。
ちなみに倒した後は、グレン様と接触した後に、私の転移魔法で戻る。
ちゃんと、陸路で戻ったと証言してもらいたいからである。
「あ。ラッキーですね。異常種です」
そこにいたのは、水色の・・・あれは亀?
ただし、隠蔽魔法で姿を隠した私もシキにくっついている。
隠蔽魔法は姿が見えなくなるだけで、触れればそこにいるのはバレるんだけど、魔法陣が質量を感知するか分からないから、ちょっと不安だった。
結果として、全く感知しないみたいでホッとしたけど。
アーバンラマ帝国のギルドを出てから、シキに話しかける。
ちなみに隠蔽魔法は継続中だから、周囲に人がいないところで、だ。
人のいるところだと、シキが誰もいない空間に話しかける変な人になってしまう。というか、声は聞こえるから、私が幽霊扱いされちゃう。
「国境より先の、湖付近に発生しているらしいですね」
「ああ」
湖付近の街道に、魔獣が多く発生しているらしい。
あまりの多さに、Bランクでは捌ききれず、Aランクも参加することになったそうだ。
倒しても倒しても次々に沸く魔獣に、相当量の冒険者が討伐に参加しているようだ。
「異常種か?」
「・・・多分。そのせいで魔獣が活性化してるんだと思います。急ぎましょう。もし異常種が前線に出てきたら、被害が出ます」
あのドラゴンクラスなら、チームを組んだAランクなら倒せるとは思うが、被害が皆無とはいかないだろう。
「・・・ずっと姿は隠しているままか?」
「周囲に人がいなければ解きますけど、他の冒険者にも姿は見せない方がいいので」
私の見た目は少女なので、どうしても侮られがちなのだ。
面倒ごとを引き寄せるよりは隠しておいた方が無難だ。
しばらく走ると、冒険者の姿と魔獣が見え始めた。
「シキも姿を隠しましょう。この辺りは冒険者に任せても大丈夫です」
「・・・分かった」
幸いにもシキも隠蔽魔法は使えたから、この場は隠れたまま進むことにする。
今まで隠していなかったのは、ギルドにカルディア帝国皇帝が通ったとバレているからだ。
ある程度の痕跡は残しておかないと、良からぬことをしに来たと思われる可能性がある。
現に、帝都を出るときから、数人の騎士たちが追跡してきていた。
まぁ、高速移動で振り切ったけど。
シキの強さを知られるのは困らないし、実際にグレン様たちの露払いをするだけなら振り切らなくても良いのだけど、異常種がいるなら別だ。
別にシキでも倒せると思う。
だけど、怪我なく倒せるかはわからないし、騒ぎを大きくしたくないから、早急に倒したい。
ちなみに倒した後は、グレン様と接触した後に、私の転移魔法で戻る。
ちゃんと、陸路で戻ったと証言してもらいたいからである。
「あ。ラッキーですね。異常種です」
そこにいたのは、水色の・・・あれは亀?
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