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国が、滅びる〜シンクレア王国国王視点〜
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「このッ・・・大馬鹿者がっ!」
隷属の首輪を付けられて、息子であるカタパルトと、教会トップの教皇が戻って来た。
自分たちなら聖女ティアラを連れ戻せると豪語するから、まぁカタパルトひとりでは不安だというのもあり、教皇マルチェロも同行させた。
その結果が、コレか?
我が国にはないが、アーバンラマ帝国に隷属の首輪なるものがあると聞いたことがある。
首輪を嵌められた者は、その時に首輪に刻まれた盟約を破ることができない、らしい。
しかも首輪を無理に外そうとすると、どんどん締まっていくそうだ。
見たことがないそれを嵌められていると分かるのは、二人付けられて来た書簡にそう書かれていたからだ。
そこには『カルディア帝国への入国拒否』とあった。
正式に名代として赴いたはずなのに、何故こんなことをされている?
しかも、書簡には
『聖女ティアラはカルディア帝国にはいない』
とあった。
どういうことだ?
カルディア帝国への魔物の襲撃が減ったのは、間違いなく聖女の結界によるものだというから、迎えに行かせたのだ。
それなのに聖女がいない?
カルディア帝国の今の皇帝は若輩でありながら、魔法の腕は一流だと聞く。
騎士団の力も我が国とは天地の差だが、あの皇帝が作ったという魔道具とやらが聖女の結界に近い効果を出しているとか。
くそっ。
ティアラが見つからなくても、カルディア帝国の力を借りることができれば、危機は免れたというのに。
「カタパルトっ!そもそも貴様が婚約破棄の上に国外追放などにするからだぞ!」
「し、しかし、父上。あんな可愛げも色気もないガキが僕の婚約者など」
「それなら、愛妾でも作れば良い話だろうがっ!お前のせいで、この国は終わりだっ!」
「そ、そんなっ・・・」
そんなもこんなもない。
アーバンラマ帝国製の隷属の首輪を付けられているということは、カルディア帝国とアーバンラマ帝国は友好関係にあるということだ。
いや、友好でなかったとしても、アーバンラマ帝国に睨まれるようなことになれば、魔物の襲撃を待たずして、我が国は滅びる。
「お前はすぐにグレイ王国に向かい、あちらに帰っている王妃に助けを求めろ。マルチェロ、お前はラプラス王国へ向かえ。とにかく、カルディアとアーバンラマ以外で手を結ぶしか、助かる手はない」
王妃はキツい性格だが、さすがに自分のお腹を痛めて産んだ息子が、このような首輪を付けられたと知ったら、手を貸すように両親に言ってくれるだろう。
魔物の襲撃の対処のために、自ら行くわけにいかないのがもどかしいが、親子の愛情に縋るしかない。
隷属の首輪を付けられて、息子であるカタパルトと、教会トップの教皇が戻って来た。
自分たちなら聖女ティアラを連れ戻せると豪語するから、まぁカタパルトひとりでは不安だというのもあり、教皇マルチェロも同行させた。
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首輪を嵌められた者は、その時に首輪に刻まれた盟約を破ることができない、らしい。
しかも首輪を無理に外そうとすると、どんどん締まっていくそうだ。
見たことがないそれを嵌められていると分かるのは、二人付けられて来た書簡にそう書かれていたからだ。
そこには『カルディア帝国への入国拒否』とあった。
正式に名代として赴いたはずなのに、何故こんなことをされている?
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『聖女ティアラはカルディア帝国にはいない』
とあった。
どういうことだ?
カルディア帝国への魔物の襲撃が減ったのは、間違いなく聖女の結界によるものだというから、迎えに行かせたのだ。
それなのに聖女がいない?
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くそっ。
ティアラが見つからなくても、カルディア帝国の力を借りることができれば、危機は免れたというのに。
「カタパルトっ!そもそも貴様が婚約破棄の上に国外追放などにするからだぞ!」
「し、しかし、父上。あんな可愛げも色気もないガキが僕の婚約者など」
「それなら、愛妾でも作れば良い話だろうがっ!お前のせいで、この国は終わりだっ!」
「そ、そんなっ・・・」
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いや、友好でなかったとしても、アーバンラマ帝国に睨まれるようなことになれば、魔物の襲撃を待たずして、我が国は滅びる。
「お前はすぐにグレイ王国に向かい、あちらに帰っている王妃に助けを求めろ。マルチェロ、お前はラプラス王国へ向かえ。とにかく、カルディアとアーバンラマ以外で手を結ぶしか、助かる手はない」
王妃はキツい性格だが、さすがに自分のお腹を痛めて産んだ息子が、このような首輪を付けられたと知ったら、手を貸すように両親に言ってくれるだろう。
魔物の襲撃の対処のために、自ら行くわけにいかないのがもどかしいが、親子の愛情に縋るしかない。
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