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牢に放り込むらしい
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「ッ!」
アルヴァン様と、そしてシキから放たれる殺気に、王太子は腰を抜かしたまま後ずさった。
一方、教皇の方は年の功なのか、それとも強がりなのかシキとアルヴァン様を睨みつけている。
「一国の王太子殿下に対し、護衛風情が剣を向けるなど!国際問題になりますぞ。国に戻り次第、このことは・・・」
「無事に戻るつもりでいるのか。このカルディア帝国で、皇帝に危害を加えようとしておいて何事もなく帰れるとでも思っているのか」
「なっ!き、危害など加えていないだろう!數歩近付いただけではないか!」
いやいや。
謁見の間で、皇帝陛下に勝手に近付こうとしたら、そりゃ危害を加えようとしていると判断されて当たり前でしょう。
大体、謁見に対する礼も言ってないし、上から目線で私を返せとか言ってたし。
国交もないカルディア帝国にやって来て、よくまぁそんな態度が取れたよね。
いや、もしかして自分たちの国の方が上だと勘違いしてる?
確かに、シンクレア王国は代々聖女が存在していて、魔物の被害もほとんどない。
東のアーバンラマ帝国にポーションの輸出をしていることもあって、国財は潤っていた。
西のグレイ王国は、王妃様の出身国で友好国。
北のラプラス王国は、友好国というほどじゃないけど、シンクレア王国から農作物の輸入をしている。
そうか。
ラプラスやアーバンラマはシンクレア王国からの輸入に多少なりとも頼っているところがあるから、彼らは自分たちの言いなりになると思ってるんだ。
確かに今までなら、ラプラスもアーバンラマも、シンクレアに敵対はしなかっただろう。
でも、魔物の襲撃にあってるシンクレア王国が、今まで通りに農産物の輸出ができる?
まともな聖女がいなくなり、結界石の維持すらままならなくなってるのに、輸出用のポーションなんて作れる?
それに、シンクレア王国と交易してるからといって、どうしてラプラスとアーバンラマがカルディア帝国と敵対してると思うの?
グレイ王国がどう判断するかはわからないけど、今のシンクレア王国にラプラスもアーバンラマも味方しないと思う。
そんなことを考えていると、鏡の中のシキがアルヴァン様に指示を出していた。
「全員、牢へ入れておけ」
「はっ」
すぐにアルヴァン様が動き、王太子と教皇を束縛する。
どうやら扉の外に、連れて来た護衛たちがいるみたい。
「ろ、牢だとっ?ぼ、僕はシンクレア王国のっ」
「離せっ!騎士風情が教皇である私に触れるなどっ!くそっ!」
王太子も教皇も喚き散らしているけど、アルヴァン様は見事なもので一人で抵抗する二人を束縛していた。
あ。あれ?
結局、私の話はどうするの?
アルヴァン様と、そしてシキから放たれる殺気に、王太子は腰を抜かしたまま後ずさった。
一方、教皇の方は年の功なのか、それとも強がりなのかシキとアルヴァン様を睨みつけている。
「一国の王太子殿下に対し、護衛風情が剣を向けるなど!国際問題になりますぞ。国に戻り次第、このことは・・・」
「無事に戻るつもりでいるのか。このカルディア帝国で、皇帝に危害を加えようとしておいて何事もなく帰れるとでも思っているのか」
「なっ!き、危害など加えていないだろう!數歩近付いただけではないか!」
いやいや。
謁見の間で、皇帝陛下に勝手に近付こうとしたら、そりゃ危害を加えようとしていると判断されて当たり前でしょう。
大体、謁見に対する礼も言ってないし、上から目線で私を返せとか言ってたし。
国交もないカルディア帝国にやって来て、よくまぁそんな態度が取れたよね。
いや、もしかして自分たちの国の方が上だと勘違いしてる?
確かに、シンクレア王国は代々聖女が存在していて、魔物の被害もほとんどない。
東のアーバンラマ帝国にポーションの輸出をしていることもあって、国財は潤っていた。
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北のラプラス王国は、友好国というほどじゃないけど、シンクレア王国から農作物の輸入をしている。
そうか。
ラプラスやアーバンラマはシンクレア王国からの輸入に多少なりとも頼っているところがあるから、彼らは自分たちの言いなりになると思ってるんだ。
確かに今までなら、ラプラスもアーバンラマも、シンクレアに敵対はしなかっただろう。
でも、魔物の襲撃にあってるシンクレア王国が、今まで通りに農産物の輸出ができる?
まともな聖女がいなくなり、結界石の維持すらままならなくなってるのに、輸出用のポーションなんて作れる?
それに、シンクレア王国と交易してるからといって、どうしてラプラスとアーバンラマがカルディア帝国と敵対してると思うの?
グレイ王国がどう判断するかはわからないけど、今のシンクレア王国にラプラスもアーバンラマも味方しないと思う。
そんなことを考えていると、鏡の中のシキがアルヴァン様に指示を出していた。
「全員、牢へ入れておけ」
「はっ」
すぐにアルヴァン様が動き、王太子と教皇を束縛する。
どうやら扉の外に、連れて来た護衛たちがいるみたい。
「ろ、牢だとっ?ぼ、僕はシンクレア王国のっ」
「離せっ!騎士風情が教皇である私に触れるなどっ!くそっ!」
王太子も教皇も喚き散らしているけど、アルヴァン様は見事なもので一人で抵抗する二人を束縛していた。
あ。あれ?
結局、私の話はどうするの?
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