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全てを守れるわけじゃない
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結界石は、全部で三十四個できた。
それぞれの町や村に四方に配置するので、八つの町に備え付けることとなった。
備え付けること自体は誰にでもできるので、アルヴァン様に説明して設置してもらうことにした。
ただ、魔石であることで盗難の恐れが出るために、刻印を彫ることにした。
王家の刻印付きなら、ギルドには売れない。
あの刻印は私が聖力を込めるついでに入れたものだから、削ろうと何をしようと消えない。
その上で、結界石は土の中でも効力があるので土に埋めてもらった。
結界石を置いたことで、そのうち騎士達の手が空くので、定期的に町や村を巡回してもらう予定だ。
掘られてたり、場所が変えられてたりするのを防ぐためである。
ある程度の結界石は置けたので、あとはギルドに依頼して魔石を集めてもらうことになった。
自分で行った方が早いけど、冒険者にも生活がある。
魔石を国に買い上げてもらえるチャンスを、潰すのは忍びない。
帝都に関しては、こっそり結界を張った。
陛下もアルヴァン様も強いし、私もいるなら魔物が襲ってきても大丈夫ではあるけれど、それは私たちが大丈夫なだけであって誰も怪我をしないわけじゃない。
今まで襲えていた町に入れなくなったことで、もしかしたら帝都に向かってくるかもしれない。
私は欠損は治せるけど、死んだ人を生き返らせることは出来ない。
そんなことができるのは、神様だけだと思う。
だから、結界を張った。
ボルダーの町には結界石が置けたけど、アルプロの街は結構大きい街なので後回しになってしまった。
宿屋のおじさんとおばさんにはお守りと称した結界石を渡してあるけど、ギルドのベティさんや冒険者のレイドさんには渡せていない。
本当なら、冒険者のレイドさんにはお守りを渡したいところだけど。
私にだって分かっている。
私が守れる人は、ほんのわずかだ。
私が両手いっぱい伸ばしても、守れる人は限られていて、失うものの方が多いかもしれない。
私は今まで、クロしか大切じゃなかったから。
あの平民の聖女が親元に帰ってからは、クロしか大切な存在はいなかった。
平民や下位貴族の聖女たちは、私を虐めたりはしなかったけど、特別優しくもしてくれなかった。
それがシンクレア王国を出てから、人の優しさに触れて、守りたいと思える人が増えてしまった。
私は、こっそりアルプロの街に転移して、結界石を配置した。
ブラッディオーガの魔石は、一個でアルプロの街全てを覆うことが出来た。
街から出る人を守ることは出来ない。それでも、できる何かがしたかった。
それぞれの町や村に四方に配置するので、八つの町に備え付けることとなった。
備え付けること自体は誰にでもできるので、アルヴァン様に説明して設置してもらうことにした。
ただ、魔石であることで盗難の恐れが出るために、刻印を彫ることにした。
王家の刻印付きなら、ギルドには売れない。
あの刻印は私が聖力を込めるついでに入れたものだから、削ろうと何をしようと消えない。
その上で、結界石は土の中でも効力があるので土に埋めてもらった。
結界石を置いたことで、そのうち騎士達の手が空くので、定期的に町や村を巡回してもらう予定だ。
掘られてたり、場所が変えられてたりするのを防ぐためである。
ある程度の結界石は置けたので、あとはギルドに依頼して魔石を集めてもらうことになった。
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帝都に関しては、こっそり結界を張った。
陛下もアルヴァン様も強いし、私もいるなら魔物が襲ってきても大丈夫ではあるけれど、それは私たちが大丈夫なだけであって誰も怪我をしないわけじゃない。
今まで襲えていた町に入れなくなったことで、もしかしたら帝都に向かってくるかもしれない。
私は欠損は治せるけど、死んだ人を生き返らせることは出来ない。
そんなことができるのは、神様だけだと思う。
だから、結界を張った。
ボルダーの町には結界石が置けたけど、アルプロの街は結構大きい街なので後回しになってしまった。
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本当なら、冒険者のレイドさんにはお守りを渡したいところだけど。
私にだって分かっている。
私が守れる人は、ほんのわずかだ。
私が両手いっぱい伸ばしても、守れる人は限られていて、失うものの方が多いかもしれない。
私は今まで、クロしか大切じゃなかったから。
あの平民の聖女が親元に帰ってからは、クロしか大切な存在はいなかった。
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それがシンクレア王国を出てから、人の優しさに触れて、守りたいと思える人が増えてしまった。
私は、こっそりアルプロの街に転移して、結界石を配置した。
ブラッディオーガの魔石は、一個でアルプロの街全てを覆うことが出来た。
街から出る人を守ることは出来ない。それでも、できる何かがしたかった。
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