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私、引きは強いのよね
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オーガを二十体ほど瞬殺して、王宮へと戻ると、皇帝陛下とアルヴァン様もちょうど戻ったところだった。
アルヴァン様に教えていただいた場所は、どうやらオーガの生息地?らしく、何と!異常種のブラッディオーガまでいた。
ブラッディオーガの魔石は、オーガの十倍くらいの価値があるので、ラッキーと思って狩っておいた。
私、本当にこういう引きは強いのよね。
ん?となると、皇帝陛下との出会いも『運の良いこと』のひとつなのかも。
「早かったですね。十体、狩れました?」
「・・・こちらは二人がかりだぞ?それより手ぶらなようだが?」
「えーと、素材はギルドに売るんですか?」
オーガのツノとかは武器や防具の素材として使えるから、ギルドが買取をしている。
ただ今回は、私のと合わせると数が多いので、陛下に確認してからにしようと思っていた。
私の問いにアルヴァン様が答えてくれる。
「我々が倒したオーガは、現在騎士たちに魔石を取り出させています。素材は王宮の鍛治職に渡す予定ですが。ティア様は・・・」
「あ。私は魔石は抜いてあるので、じゃあ、私のも渡しましょうか?」
「ギルドに売らなくてよろしいのですか?」
「まぁ、依頼というわけでもないので、素材代にしかなりませんし。結界石を作る一環ですから、石ができたときに報酬をくださるなら、それで良いですよ」
私はただ働きをするつもりはない。
一応は冒険者として登録もしてあるし、やったことに関してはちゃんと報酬はもらうつもりだ。
まぁ、シンクレア王国では、聖女としての報酬はろくにもらえてなかったけど。
教皇にピンハネされてたのよね。
だから、結界石の報酬がいくらくらいが相場かってのはわからないけど。
皇帝陛下はそんなケチじゃない気がするから、お任せしよう。
「もちろん報酬は払うが、素材代も払うぞ?」
ほらね。
「まぁ、いいです。ギルドに売るのも数的に微妙でしたから。で、どこに出せばいいですか?」
「出す・・・とは?え?もしかしてアイテムバッグを持ってらっしゃるんですか?」
アルヴァン様が驚いて、私を凝視する。
アイテムバッグとは、荷物を入れられるバッグのようなもので、入る量はそのアイテムバッグの値段による。
一番小さいサイズだと、ポーション三十本程度が入るくらいだけど、それでも普通に家が一軒買えるくらいの値段だ。
私もそのアイテムバッグは持っているけど、素材であるオーガを入れているのはアイテムバッグではない。
大体、ポーション三十本しか入らないバッグに、オーガは入らない。魔石なら入るけど。
「騎士団の訓練場に出してくれるか」
「いいですよ」
ちょうど騎士団の人たちは素材の採取をしていて、訓練場には誰もいなかった。
「そういえば陛下は何体狩られたんですか?」
「十五体だ」
「すごいですね、短時間で」
ブラッディオーガは出さない方が良いかな。
アレは小分けにして売るか。
アルヴァン様に教えていただいた場所は、どうやらオーガの生息地?らしく、何と!異常種のブラッディオーガまでいた。
ブラッディオーガの魔石は、オーガの十倍くらいの価値があるので、ラッキーと思って狩っておいた。
私、本当にこういう引きは強いのよね。
ん?となると、皇帝陛下との出会いも『運の良いこと』のひとつなのかも。
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「えーと、素材はギルドに売るんですか?」
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ただ今回は、私のと合わせると数が多いので、陛下に確認してからにしようと思っていた。
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「あ。私は魔石は抜いてあるので、じゃあ、私のも渡しましょうか?」
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教皇にピンハネされてたのよね。
だから、結界石の報酬がいくらくらいが相場かってのはわからないけど。
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「もちろん報酬は払うが、素材代も払うぞ?」
ほらね。
「まぁ、いいです。ギルドに売るのも数的に微妙でしたから。で、どこに出せばいいですか?」
「出す・・・とは?え?もしかしてアイテムバッグを持ってらっしゃるんですか?」
アルヴァン様が驚いて、私を凝視する。
アイテムバッグとは、荷物を入れられるバッグのようなもので、入る量はそのアイテムバッグの値段による。
一番小さいサイズだと、ポーション三十本程度が入るくらいだけど、それでも普通に家が一軒買えるくらいの値段だ。
私もそのアイテムバッグは持っているけど、素材であるオーガを入れているのはアイテムバッグではない。
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「騎士団の訓練場に出してくれるか」
「いいですよ」
ちょうど騎士団の人たちは素材の採取をしていて、訓練場には誰もいなかった。
「そういえば陛下は何体狩られたんですか?」
「十五体だ」
「すごいですね、短時間で」
ブラッディオーガは出さない方が良いかな。
アレは小分けにして売るか。
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