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え?一緒に?嫌です
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「・・・分かった。なら、僕も一緒に行く」
私の気持ちを変えられないと判断したのか、陛下が一緒に行くと言い出した。
「は?」
「だから一緒に行く」
「え?嫌です」
皇帝陛下を危険・・・危険かな、大丈夫ではあるけど、に晒すことはできません。
あ。
本音と建前が逆になっちゃった。
まぁ、いいか。
実際、嫌だし。
「もしかして、今嫌だと言ったか?」
「えーと、建前としては、皇帝陛下を危険な場所にお連れすることはできません」
「本当に建前だな。何で嫌なんだ?さっきティアも僕ならオーガを倒せると言っただろう?」
うん。確かに言った。
実際、余裕で倒せるんじゃないかな、と思う。
思うけど。
「陛下が来るとなると、アルヴァン様も来ますよね?」
だって護衛だし。
「アルヴァンだって、オーガくらい倒せるぞ」
「いや、倒せるとか倒せないとかじゃなくてですね。私は隠蔽魔法でオーガに近付いて倒そうと思ってたんです。陛下たちが一緒にいたら、隠蔽魔法の意味がないじゃないですか」
まぁオーガくらいなら、隠蔽使わなくても倒せると思うけど。
「いや、しかし・・・」
「しかしもかかしもないですよ。とりあえず、別行動で行きましょう。その方が効率良いですし」
「・・・そのままいなくなったりしないか?」
「しませんよ。クロのことが分かるまではお世話になるつもりですから」
私がそう言うと、陛下はちょっと安心したように笑った。
え?なんでそんな嬉しそうなの?
今の会話に喜ぶポイントあった?
「分かった。ティアを信じよう」
「とりあえず、無理ない程度に取れるだけ取って来てください。クロ、お父さんと一緒にいてね」
「にゃー」
クロの頭を撫でてやる。
クロがただの猫でもケット・シーでも、何でも良い。
元気でいてくれるなら。
だから悪影響がないか、ちゃんと調べておきたい。
「行ってくるね、クロ」
私はアルヴァン様から、魔物がよく出現する場所を教えてもらい、裏門から出た。
馬車を断ったので、どうやって行くのかとかアルヴァン様に心配されたけど、他の人がいると高速移動も転移も出来ないし、戦ってるとこ見られても困るしで、お断りした。
とりあえず帝都を出てから、高速移動する予定だ。
さて、と、とりあえず狩れるだけ狩っとくかな。
冒険者の人には悪いけど、結界石も永遠に結界を張れるわけじゃない。
今回は私や陛下が集めるとして、今後は冒険者に依頼してもらうようにすれば良い。
自分に隠蔽魔法をかけると、私は高速移動を開始した。
私の気持ちを変えられないと判断したのか、陛下が一緒に行くと言い出した。
「は?」
「だから一緒に行く」
「え?嫌です」
皇帝陛下を危険・・・危険かな、大丈夫ではあるけど、に晒すことはできません。
あ。
本音と建前が逆になっちゃった。
まぁ、いいか。
実際、嫌だし。
「もしかして、今嫌だと言ったか?」
「えーと、建前としては、皇帝陛下を危険な場所にお連れすることはできません」
「本当に建前だな。何で嫌なんだ?さっきティアも僕ならオーガを倒せると言っただろう?」
うん。確かに言った。
実際、余裕で倒せるんじゃないかな、と思う。
思うけど。
「陛下が来るとなると、アルヴァン様も来ますよね?」
だって護衛だし。
「アルヴァンだって、オーガくらい倒せるぞ」
「いや、倒せるとか倒せないとかじゃなくてですね。私は隠蔽魔法でオーガに近付いて倒そうと思ってたんです。陛下たちが一緒にいたら、隠蔽魔法の意味がないじゃないですか」
まぁオーガくらいなら、隠蔽使わなくても倒せると思うけど。
「いや、しかし・・・」
「しかしもかかしもないですよ。とりあえず、別行動で行きましょう。その方が効率良いですし」
「・・・そのままいなくなったりしないか?」
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私がそう言うと、陛下はちょっと安心したように笑った。
え?なんでそんな嬉しそうなの?
今の会話に喜ぶポイントあった?
「分かった。ティアを信じよう」
「とりあえず、無理ない程度に取れるだけ取って来てください。クロ、お父さんと一緒にいてね」
「にゃー」
クロの頭を撫でてやる。
クロがただの猫でもケット・シーでも、何でも良い。
元気でいてくれるなら。
だから悪影響がないか、ちゃんと調べておきたい。
「行ってくるね、クロ」
私はアルヴァン様から、魔物がよく出現する場所を教えてもらい、裏門から出た。
馬車を断ったので、どうやって行くのかとかアルヴァン様に心配されたけど、他の人がいると高速移動も転移も出来ないし、戦ってるとこ見られても困るしで、お断りした。
とりあえず帝都を出てから、高速移動する予定だ。
さて、と、とりあえず狩れるだけ狩っとくかな。
冒険者の人には悪いけど、結界石も永遠に結界を張れるわけじゃない。
今回は私や陛下が集めるとして、今後は冒険者に依頼してもらうようにすれば良い。
自分に隠蔽魔法をかけると、私は高速移動を開始した。
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