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立った!フラグが立った!
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「はぁ。嫌われますよ、それ」
完全に、私がこの男たちより強いと理解ってて言ってる。
まぁ理解してること自体はヨシとして、モノには言い方というものがある。
フードの男性の言い方は、どう見ても相手の神経を逆撫でするような言い方で、多分実力者らしいこの男性が痛い目を見ることはないだろうけど、相手に嫌われることは間違いないと思う。
破落戸たちに好かれなくてもいいのだろうけど、私の好感度もゴリゴリ削れてますけど?
破落戸たちは怒りから間違いなく私の指を落としに来るだろうし、防がなきゃ指がなくなってしまう。
まぁ私は欠損を復元できるけど、実際に自分に使ったことはない。
「舐めやがって!」
「おい。その子供の首を落とせ。『子供を見殺しにした』と帝都に広めてやろう」
依頼主である男の言葉に、私を捕まえている男の手に力が入った。
「ガキ。恨むなら煽ったアイツを恨むんだな」
「ほら、早く抵抗しないと殺されるらしいぞ」
はぁ。これってフラグだよね。
人質云々の時点でそうかな~とは思ってたけど、どう見ても私の力を見たくてそう仕向けたよね?
「にゃー」
「出てきては駄目だよ、クロ」
首にナイフは当たっているけど、気にせず懐から顔を覗かせようとするクロに声をかけて頭をポンポンと撫でてやる。
「ガキ、殺されないとでも思ってるのか?舐めてると・・・」
「はぁ。ちゃんと他の方々は守って下さいよ」
「おや?防御魔法を使ったんじゃないのか?」
あー、やっぱバレてたか。
あの紅い目を見た時、そんな予感がしたんだよね。
「防御していても恐怖は感じるんですよ。普通の人はね」
「そういうものか。分かった、約束しよう」
フードの男性が頷いたのを見て、小さく息を吐いた。
これは本当に、フラグが立ったって感じがする。
多分、このフードの男性は帝国の高位貴族なんだろう。
私が防御結界を張ったことを気付くくらいだから、それなりに魔法に通じていて、こういう荒事にも慣れているということだ。
そういう人間とは、あまり接触したくなかったんだけど。
シンクレア王国でいいように利用されていたけど、結界魔法や癒し魔法がほどほど使えることしか知られていなかったから逃げることが出来た。
あまり考えたくないけど、この人に捕まったら・・・逃げられない気がする。
私、こういう予感って外れたことないんだよね・・・
「このガキっ!」
「きゃああああああ!」
男が私にナイフを突き立て、周囲に女性の悲鳴が響いた。
完全に、私がこの男たちより強いと理解ってて言ってる。
まぁ理解してること自体はヨシとして、モノには言い方というものがある。
フードの男性の言い方は、どう見ても相手の神経を逆撫でするような言い方で、多分実力者らしいこの男性が痛い目を見ることはないだろうけど、相手に嫌われることは間違いないと思う。
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破落戸たちは怒りから間違いなく私の指を落としに来るだろうし、防がなきゃ指がなくなってしまう。
まぁ私は欠損を復元できるけど、実際に自分に使ったことはない。
「舐めやがって!」
「おい。その子供の首を落とせ。『子供を見殺しにした』と帝都に広めてやろう」
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「にゃー」
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首にナイフは当たっているけど、気にせず懐から顔を覗かせようとするクロに声をかけて頭をポンポンと撫でてやる。
「ガキ、殺されないとでも思ってるのか?舐めてると・・・」
「はぁ。ちゃんと他の方々は守って下さいよ」
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あー、やっぱバレてたか。
あの紅い目を見た時、そんな予感がしたんだよね。
「防御していても恐怖は感じるんですよ。普通の人はね」
「そういうものか。分かった、約束しよう」
フードの男性が頷いたのを見て、小さく息を吐いた。
これは本当に、フラグが立ったって感じがする。
多分、このフードの男性は帝国の高位貴族なんだろう。
私が防御結界を張ったことを気付くくらいだから、それなりに魔法に通じていて、こういう荒事にも慣れているということだ。
そういう人間とは、あまり接触したくなかったんだけど。
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あまり考えたくないけど、この人に捕まったら・・・逃げられない気がする。
私、こういう予感って外れたことないんだよね・・・
「このガキっ!」
「きゃああああああ!」
男が私にナイフを突き立て、周囲に女性の悲鳴が響いた。
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