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ランクアップと森の異変
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それから数日かけて、Cランクまで上がった。
元々は帝都に入るのに必要だったのと、金銭面のためにギルド登録して冒険者になったけど、自分で思ってたより向いていたみたいだ。
でもって、このアルプロの街がこれまた思ってたより相性が良かった。
宿屋の食事は美味しいし、女将さんは親切だし、ギルドのお姉さんも優しくて良い人だ。
人の親切というものに、あまり免疫がない私は、ある意味チョロいのかもしれない。
ちょっと親切にされると、良い人認定してしまう。
まぁそれでも、鼻は効く方だと自負してるし、痛い目にあっても自己責任だからと思っている。
なので、まだ帝都に向かわずにアルプロにいたわけだけど・・・
もしかしたら、やっぱり鼻が効いていたのかもしれない。
「アルプロの森の調査、また出たんですか?」
私がこの街に来た時に出ていた依頼が、また出ているのだ。
しかもCランク以上と書かれていたのが、Bランク推奨に変わっている。
「そうなの。前のパーティーがね、調査に入ったんだけど、魔物が以前より多くて奥までは入れなかったんですって。さほど強い魔物ではなかったらしいけど、量がいると時間も取られるし疲弊するでしょ?それで、今度は回復アイテム多めにして数チーム合同で入ることにしたの」
「そう、なんですね」
合同チームということは、戦闘を交代でしながら奥まで進むということだろう。
しかし、魔物が多い、か。
本来より魔物が多いということは、あまり良いことではない。
それは、魔物が湧く《何か》があるからだ。
凶暴化したり、森の外に出て来たりは今のところしていないみたいだけど、それがいつまでも続くとは限らない。
私はパーティーを組んでいないので、この依頼に参加することは出来ない。
そもそも、数日前まで冒険者ですらなかった私がこんな依頼に参加することを、ギルドが認めるわけがない。
聖女であり、それなりの魔法も使える私は、パーティーは組めない。
目立ってしまうのがわかるからだ。
そもそも、この国というか、シンクレア王国以外に聖女はいない・・・多分だけど。
とりあえず、私は聞いたことがない。
回復魔法を使える人間はいるかもしれないが、基本的にポーションなどが使われる。
多分、使えても軽度なものか、使える人間が相当稀有かなのだと思う。
もちろん、目の前で命に関わる怪我をしていたら見て見ぬふりをするつもりはないけど、わざわざ能力がバレることを率先してするつもりもない。
森の調査があるため、Cランクの依頼は他になかった。
これは調査が終わるのを待つか、そろそろ皇都に移動するべきかもしれない。
数日なら保つが、あまり長く依頼が受けられないと路銀が怪しくなってしまうからだ。
元々は帝都に入るのに必要だったのと、金銭面のためにギルド登録して冒険者になったけど、自分で思ってたより向いていたみたいだ。
でもって、このアルプロの街がこれまた思ってたより相性が良かった。
宿屋の食事は美味しいし、女将さんは親切だし、ギルドのお姉さんも優しくて良い人だ。
人の親切というものに、あまり免疫がない私は、ある意味チョロいのかもしれない。
ちょっと親切にされると、良い人認定してしまう。
まぁそれでも、鼻は効く方だと自負してるし、痛い目にあっても自己責任だからと思っている。
なので、まだ帝都に向かわずにアルプロにいたわけだけど・・・
もしかしたら、やっぱり鼻が効いていたのかもしれない。
「アルプロの森の調査、また出たんですか?」
私がこの街に来た時に出ていた依頼が、また出ているのだ。
しかもCランク以上と書かれていたのが、Bランク推奨に変わっている。
「そうなの。前のパーティーがね、調査に入ったんだけど、魔物が以前より多くて奥までは入れなかったんですって。さほど強い魔物ではなかったらしいけど、量がいると時間も取られるし疲弊するでしょ?それで、今度は回復アイテム多めにして数チーム合同で入ることにしたの」
「そう、なんですね」
合同チームということは、戦闘を交代でしながら奥まで進むということだろう。
しかし、魔物が多い、か。
本来より魔物が多いということは、あまり良いことではない。
それは、魔物が湧く《何か》があるからだ。
凶暴化したり、森の外に出て来たりは今のところしていないみたいだけど、それがいつまでも続くとは限らない。
私はパーティーを組んでいないので、この依頼に参加することは出来ない。
そもそも、数日前まで冒険者ですらなかった私がこんな依頼に参加することを、ギルドが認めるわけがない。
聖女であり、それなりの魔法も使える私は、パーティーは組めない。
目立ってしまうのがわかるからだ。
そもそも、この国というか、シンクレア王国以外に聖女はいない・・・多分だけど。
とりあえず、私は聞いたことがない。
回復魔法を使える人間はいるかもしれないが、基本的にポーションなどが使われる。
多分、使えても軽度なものか、使える人間が相当稀有かなのだと思う。
もちろん、目の前で命に関わる怪我をしていたら見て見ぬふりをするつもりはないけど、わざわざ能力がバレることを率先してするつもりもない。
森の調査があるため、Cランクの依頼は他になかった。
これは調査が終わるのを待つか、そろそろ皇都に移動するべきかもしれない。
数日なら保つが、あまり長く依頼が受けられないと路銀が怪しくなってしまうからだ。
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