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私はヒロイン
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あの後、攻略対象たちは呆然としたまま立ち尽くし、ピリカ令嬢たちは言葉もなく逃げて行った。
うーん。攻略対象たちが来たせいで、断罪が中途半端になっちゃったじゃない。
まぁ、謝ってくれるとは思ってなかったけど。
攻略対象たちは、婚約者たちに婚約解消されても良いと発言されたのが、相当ショックだったようだ。
あれ以来、私に近づいてくることもなく、大人しくしている。
まぁ、それも無理はない。
私に拒絶され、婚約者にまで呆れられたら、彼らに残っているのは苦難の道だけである。
優秀な嫡男であっても、高位貴族の婚約者と、他の令嬢に傾倒した挙句に婚約解消となったとなれば、いくらなんでも彼らの親に叱責されるだろう。
しかも婚約者様は、みんな優秀で、攻略対象を支えるべく相応しい方々なのだ。
その方々よりもスペックの高いご令嬢などいやしない。
婚約解消されたあと、攻略対象に近づくようなのは、そんな醜聞がある相手でも公爵家や侯爵家と縁を結びたい下位貴族のご令嬢くらいだ。
ちなみに第1王子相手は最低でも伯爵家以上でないと無理だから、その場合の相手は国外の王族か貴族になるだろう。
一応、今のところは婚約解消はされていないようである。
私に近づいてさえ来なければ、解消しようと継続しようと知ったことではない。
私は隣で肩を抱くイヴァンを見上げた。
「なんですか?お嬢」
「人を婚約者だと他の人に威嚇しといて、いつまでお嬢と呼ぶつもりなの?」
「そりゃまあ、お嬢が学園を卒業して結婚する時まで?」
卒業って、まだ3年もあるじゃない。
まぁ、別にお嬢と呼ばれるのは嫌じゃないから構わないけど。
結局のところ、イヴァンは他国の伯爵家の3男だった。そりゃ、知らないはずだわ。
どうやら、我が国に留学していたイヴァンを、お父様が見染めたらしい。そして、執事として雇い入れ、学園に通わせていたようだ。
しかもその理由が、息子にしたいからというのだから・・・
連れ帰った当時、イヴァンは15歳で私は10歳。
そんなんで、娘の婚約決めるなよ、と思ったら、どうやら10歳のアリアは、イヴァンに一目惚れしたらしい。
あー。イヴァンって確かにイケメンだもんね。
しかも父親や使用人以外の男の人を知らないアリアからしたら、無理はないことなのかもしれない。
かく言う私も、少なくとも攻略対象の彼らよりはイヴァンに好感を持っている。
顔は、攻略対象だから当然イケメンだし、身分だって彼らの方が上だけど、婚約者がいながら他の女に懸想する男なんかごめんである。
「ヒロインかぁ・・・」
「なに?お嬢。ヒロインって」
「ん?あー、なんで言えばいいかしら。そう。物語に出てくる愛される女性のことよ」
最近のライトノベルでは、ざまあされちゃう電波系ヒロインもいるけどね。
イヴァンはふぅんと頷いてから、私に顔を寄せた。
「じゃあ、アリアは俺のヒロインってことか」
優しい口付けと共に、そんな言葉が降ってきた。
婚約者だけのヒロイン。うん。それなら、いいわ。
うーん。攻略対象たちが来たせいで、断罪が中途半端になっちゃったじゃない。
まぁ、謝ってくれるとは思ってなかったけど。
攻略対象たちは、婚約者たちに婚約解消されても良いと発言されたのが、相当ショックだったようだ。
あれ以来、私に近づいてくることもなく、大人しくしている。
まぁ、それも無理はない。
私に拒絶され、婚約者にまで呆れられたら、彼らに残っているのは苦難の道だけである。
優秀な嫡男であっても、高位貴族の婚約者と、他の令嬢に傾倒した挙句に婚約解消となったとなれば、いくらなんでも彼らの親に叱責されるだろう。
しかも婚約者様は、みんな優秀で、攻略対象を支えるべく相応しい方々なのだ。
その方々よりもスペックの高いご令嬢などいやしない。
婚約解消されたあと、攻略対象に近づくようなのは、そんな醜聞がある相手でも公爵家や侯爵家と縁を結びたい下位貴族のご令嬢くらいだ。
ちなみに第1王子相手は最低でも伯爵家以上でないと無理だから、その場合の相手は国外の王族か貴族になるだろう。
一応、今のところは婚約解消はされていないようである。
私に近づいてさえ来なければ、解消しようと継続しようと知ったことではない。
私は隣で肩を抱くイヴァンを見上げた。
「なんですか?お嬢」
「人を婚約者だと他の人に威嚇しといて、いつまでお嬢と呼ぶつもりなの?」
「そりゃまあ、お嬢が学園を卒業して結婚する時まで?」
卒業って、まだ3年もあるじゃない。
まぁ、別にお嬢と呼ばれるのは嫌じゃないから構わないけど。
結局のところ、イヴァンは他国の伯爵家の3男だった。そりゃ、知らないはずだわ。
どうやら、我が国に留学していたイヴァンを、お父様が見染めたらしい。そして、執事として雇い入れ、学園に通わせていたようだ。
しかもその理由が、息子にしたいからというのだから・・・
連れ帰った当時、イヴァンは15歳で私は10歳。
そんなんで、娘の婚約決めるなよ、と思ったら、どうやら10歳のアリアは、イヴァンに一目惚れしたらしい。
あー。イヴァンって確かにイケメンだもんね。
しかも父親や使用人以外の男の人を知らないアリアからしたら、無理はないことなのかもしれない。
かく言う私も、少なくとも攻略対象の彼らよりはイヴァンに好感を持っている。
顔は、攻略対象だから当然イケメンだし、身分だって彼らの方が上だけど、婚約者がいながら他の女に懸想する男なんかごめんである。
「ヒロインかぁ・・・」
「なに?お嬢。ヒロインって」
「ん?あー、なんで言えばいいかしら。そう。物語に出てくる愛される女性のことよ」
最近のライトノベルでは、ざまあされちゃう電波系ヒロインもいるけどね。
イヴァンはふぅんと頷いてから、私に顔を寄せた。
「じゃあ、アリアは俺のヒロインってことか」
優しい口付けと共に、そんな言葉が降ってきた。
婚約者だけのヒロイン。うん。それなら、いいわ。
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感想ありがとうございます😊
すっごい嬉しいです。これからも楽しいと思ってもらえるように精進します。
おもしろい。(´∀`*)ウフフ。
嬉しいです。ありがとうございます😊