18 / 19
お呼びでないのまで来た!
しおりを挟む
「何をしているんだ!イザベラ!」
響き渡った声は、第1王子シルヴァンの声だった。
振り返ると、第1王子を筆頭に攻略対象が勢揃いしていた。
「お前は僕の婚約者でありながら、か弱いアリア嬢のことを虐めているのか?」
「オデット!お前もだ」
「イゼルア!騎士の妻になる者としての自覚が足りないのではないかっ」
「反省しているのかっ、ミレレ!」
ええと。コイツらは何を言ってるのだろう。
どこをどう見たら、私が婚約者様たちに虐められているように見えるんだ?
これって、ゲームの強制力ってヤツ?
はたから見たら馬鹿にしか見えないわ。
まぁ、とりあえずは、反論させてもらおうかな。私を助けてくれたイザベラ様たちが責められるのは納得いかない。
「発言をお許しください。第1王子殿下」
「ああ、アリア嬢。そんな畏まらないで。それにどうか僕のことはシルヴァンと呼んで欲しい」
馬鹿か?馬鹿なのか?
ええ?こんな馬鹿だったっけ?確かに、ゲームの中ではシルヴァンはそうヒロインに言うけど。
「第1王子殿下。私のことはローズレットと家名でお呼び下さい。私には愛する婚約者がおります。そして、婚約者がいらっしゃる王子殿下のことをお名前でお呼びすることはありません」
「あ、アリ・・・ア嬢?」
「それから、私はイザベラ様たちに助けていただいたのであって、虐められてなどいません。私の大切な方々を愚弄しないでいただけますか」
本当なら、伯爵令嬢に過ぎない私が王子殿下にこんなことを言うのは、不敬に当たるだろう。
だけど、婚約者を酷く言う攻略対象にムカついて仕方がない。
やっぱりコイツらのことは、好きになれないとつくづく思う。
「アリア様、かまいませんのよ。シルヴァン様は、わたくしのことをお好きじゃないのですから。わたくしたちは政略的な婚約者ですもの」
「イザベラ?」
イザベラ様の政略婚約という発言に、第1王子は目を見開いている。
え?まさか、自分はヒロインである私にちょっかい出しといて、婚約者は自分に惚れてること前提なの?
いくら惚れてても、目の前で他の女にちょっかいかけるような男、普通に幻滅するからね?
「ですからシルヴァン様。他のご令嬢にいくら傾倒されてもかまいませんのよ。ですが、アリア様にはご婚約者がおられますの。婚約者がいる方にお近づきになるのは、ルール違反でしてよ」
「セドリック様、私も同意見ですわ」
「婚約を解消したいのなら、お父様に申し出て下さいませね、ギルベイン様」
「ロメオ様が他の方とご婚約されたいなら、止めませんわ」
「「「「・・・・・・」」」」
攻略対象が婚約解消を言われてるわ。あーあ。私、しーらない。
響き渡った声は、第1王子シルヴァンの声だった。
振り返ると、第1王子を筆頭に攻略対象が勢揃いしていた。
「お前は僕の婚約者でありながら、か弱いアリア嬢のことを虐めているのか?」
「オデット!お前もだ」
「イゼルア!騎士の妻になる者としての自覚が足りないのではないかっ」
「反省しているのかっ、ミレレ!」
ええと。コイツらは何を言ってるのだろう。
どこをどう見たら、私が婚約者様たちに虐められているように見えるんだ?
これって、ゲームの強制力ってヤツ?
はたから見たら馬鹿にしか見えないわ。
まぁ、とりあえずは、反論させてもらおうかな。私を助けてくれたイザベラ様たちが責められるのは納得いかない。
「発言をお許しください。第1王子殿下」
「ああ、アリア嬢。そんな畏まらないで。それにどうか僕のことはシルヴァンと呼んで欲しい」
馬鹿か?馬鹿なのか?
ええ?こんな馬鹿だったっけ?確かに、ゲームの中ではシルヴァンはそうヒロインに言うけど。
「第1王子殿下。私のことはローズレットと家名でお呼び下さい。私には愛する婚約者がおります。そして、婚約者がいらっしゃる王子殿下のことをお名前でお呼びすることはありません」
「あ、アリ・・・ア嬢?」
「それから、私はイザベラ様たちに助けていただいたのであって、虐められてなどいません。私の大切な方々を愚弄しないでいただけますか」
本当なら、伯爵令嬢に過ぎない私が王子殿下にこんなことを言うのは、不敬に当たるだろう。
だけど、婚約者を酷く言う攻略対象にムカついて仕方がない。
やっぱりコイツらのことは、好きになれないとつくづく思う。
「アリア様、かまいませんのよ。シルヴァン様は、わたくしのことをお好きじゃないのですから。わたくしたちは政略的な婚約者ですもの」
「イザベラ?」
イザベラ様の政略婚約という発言に、第1王子は目を見開いている。
え?まさか、自分はヒロインである私にちょっかい出しといて、婚約者は自分に惚れてること前提なの?
いくら惚れてても、目の前で他の女にちょっかいかけるような男、普通に幻滅するからね?
「ですからシルヴァン様。他のご令嬢にいくら傾倒されてもかまいませんのよ。ですが、アリア様にはご婚約者がおられますの。婚約者がいる方にお近づきになるのは、ルール違反でしてよ」
「セドリック様、私も同意見ですわ」
「婚約を解消したいのなら、お父様に申し出て下さいませね、ギルベイン様」
「ロメオ様が他の方とご婚約されたいなら、止めませんわ」
「「「「・・・・・・」」」」
攻略対象が婚約解消を言われてるわ。あーあ。私、しーらない。
48
お気に入りに追加
357
あなたにおすすめの小説

所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ
奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。
スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな

【完結】攻略を諦めたら騎士様に溺愛されました。悪役でも幸せになれますか?
うり北 うりこ@ざまされ書籍化決定
恋愛
メイリーンは、大好きな乙女ゲームに転生をした。しかも、ヒロインだ。これは、推しの王子様との恋愛も夢じゃない! そう意気込んで学園に入学してみれば、王子様は悪役令嬢のローズリンゼットに夢中。しかも、悪役令嬢はおかめのお面をつけている。
これは、巷で流行りの悪役令嬢が主人公、ヒロインが悪役展開なのでは?
命一番なので、攻略を諦めたら騎士様の溺愛が待っていた。

悪役令嬢ですが、どうやらずっと好きだったみたいです
朝顔
恋愛
リナリアは前世の記憶を思い出して、頭を悩ませた。
この世界が自分の遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気がついたのだ。
そして、自分はどうやら主人公をいじめて、嫉妬に狂って殺そうとまでする悪役令嬢に転生してしまった。
せっかく生まれ変わった人生で断罪されるなんて絶対嫌。
どうにかして攻略対象である王子から逃げたいけど、なぜだか懐つかれてしまって……。
悪役令嬢の王道?の話を書いてみたくてチャレンジしました。
ざまぁはなく、溺愛甘々なお話です。
なろうにも同時投稿

悪役令嬢なのかヒロインなのか、まずはそこからが問題だ
霜月零
恋愛
わたし、マルガレーテ・フォンディーヌ伯爵令嬢は、生死の境を彷徨った拍子に前世を思い出した。
わたしは、前世で好きだった乙女ゲームのヒロインに転生していたのだ。
だが、ちょっと待って欲しい。
わたしは、本当にヒロインなのか?
前世のわたしはweb小説も好きだった。
中でも悪役令嬢が主人公の物語が好きで、軽く三桁は読み漁ったと思う。
悪役令嬢が主人公の物語では、ヒロインは大抵お馬鹿で自業自得で悲惨な目に合う。
もしかしてわたしは、乙女ゲームのヒロインじゃなく、悪役令嬢の物語の当て馬ヒロインだったりしないかしら。
わたしは乙女ゲームのヒロインなのかそうじゃないのか、まずはそこから調べることが必要だと思う。
破滅の未来を引き寄せない為にね!
※小説家になろう様等、他サイト様にも掲載予定です


完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる