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第3章

馬鹿っていますのね《メリッサ視点》

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 アルバム皇国の学園は、貴族と魔力を持つ平民の方が通っています。

 学園のクラスは5つに分けられていて、私やセレスティーナ様たちは皆Sクラスです。
 基本的には成績順にクラス分けされますが、王族や高位貴族は皆Sクラスです。
 それは身分でというよりは、王族の方々や高位貴族は魔力量が多いという理由からです。

 特に優秀な平民の方も、SクラスやAクラスに入られます。
 学園に通うような平民の方は、皆様優秀ですから、Bクラス以降に入られる方はいらっしゃいません。

 それはそうです。
貴重な働き手であるお子様を、学費を払って学園に通わせるのです。
 卒業して皇宮勤めなどの、花形の職につけるような成績を残さなければいけません。

 ですから、皆様とても一生懸命お勉強なさっています。

 むしろ、学園に何をしに来たのか分からないような行動をされるのは、貴族の方です。

 確かに、貴族は学園に通うのは義務ですから、中にはお勉強があまり得意でない方もいるでしょう。
 他の貴族の方と顔見知りになり、良いご縁を結びたいとお考えの方もいるでしょう。

 しかし、それが自分の婚約者となると話は別ですわ。

 私、メリッサ・フルーニーには5年前に婚約を結んだ方がいます。

 そうです。あの皇妃様のお茶会に招かれていたテレンス公爵家のご子息です。

 アーモンド色の髪と瞳をしたルシアン様は、あのお茶会で私を見初めて下さり、婚約を申し込んで下さいました。

 同じ公爵家として、ルシアン様のことは存じ上げていました。
 お勉強よりは剣の稽古を好まれる方ですが、それでも子供ながらに好意を持っていましたので、喜んでお受けしたのです。

 私はセレスティーナ様や他のご令嬢とご一緒することが多かったのですが、それでもルシアン様は、フルーニー公爵家に訪れて下さり、それなりに婚約者として仲良くしてきたつもりでした。

 学園にあのご令嬢が編入されてくるまでは。

 そのご令嬢は、オットン子爵家のご息女で、ラナナ様とおっしゃいます。
 残念ながらお勉強は苦手らしく、クラスはDクラスです。
 サーモンピンクの髪と瞳をされていて、可愛らしい容姿をされています。もちろん、セレスティーナ様には敵いませんけど。

 ラナナ様は、どうやらお勉強ではなく、男の方とのご縁を結びに学園に通われているようです。

 子爵家のご令嬢ですから、良いご縁を結びたいお気持ちはわかります。

 ですが、その相手が婚約者のいる男性というのは、問題だと思います。

 そして、その男性の方も、婚約者がいながら他のご令嬢と仲睦まじくなさるのは、問題だとわからないのでしょうか?

 本当に頭が痛くなります。
まさか、自分の婚約者がこんなに馬鹿だなんて知りませんでしたわ。
 









 
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