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第3章

愛される姫君《メリッサ視点》

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 セレスティーナ・アルバム皇国皇女殿下は、煌めく銀の髪と瞳の、とてもお美しい姫君です。

 私の名前は、メリッサ・フルーニーと申します。フルーニー公爵家の次女ですわ。

 私には5歳年上の姉がおります。
公爵である父は、姉を皇太子殿下に嫁がされたかったみたいですが、5年前に皇太子殿下は従姉妹である皇女殿下と婚約なさいました。

 中には、皇女殿下を嫁がせたくない国王陛下たちが無理矢理に皇太子殿下との婚約を決めたと噂される方もいらっしゃいましたが、私にはそうは思えません。

 いえ。国王陛下たちが嫁がせたくないのはその通りなのでしょうが、皇太子殿下が望まれたように思えます。
 だって、皇太子殿下は皇女殿下にメロメロなんですもの。

 でも、その気持ちはものすごくわかりますわ。

 私は左手で輝くガーネットが煌めくブレスレットに視線を向けます。

 このブレスレットは、セレスティーナ様が自ら作って下さったものです。
 ガーネットの中には、シルバーの薔薇が埋め込まれています。

 その薔薇の細工もセレスティーナ様が作られたと聞いて、驚きましたわ。小指の爪の半分ほどの小さな小さな薔薇なのです。
 それが、ガーネットの中で煌めきを放っています。

 アルバム皇国の高位貴族は、魔力が多くあります。王族であるセレスティーナ様も多くの魔力を秘められているそうです。

 ですが、まだ13歳の皇女殿下が石の中に細工を埋め込み、魔法を付与なさるなんて、とても優秀な方なのだと思います。

 魔術師団長の御息女であるイリーナ様は、お家柄か魔法のことにとてもお詳しくて、込められた付与がとてもすごいものだと教えて下さいました。

 防御の魔法らしいですが、とても強い魔法らしく、イリーナ様もここまで強い付与を全員分付与しようとしたら魔力枯渇を招くとおっしゃられていました。

 魔力は使い過ぎると枯渇してしまいます。
 しばらく寝込んだりすれば回復しますが、命を落としてしまうこともあるのです。

 そんな危険なことをされたのかと不安になったのですが、セレスティーナ様は学園をお休みすることもありませんでしたし、普通に学園生活をなさっておいででした。

 イリーナ様はセレスティーナ様の魔力が桁違いに多いのではとおっしゃられていましたわ。

 魔力がとても多いとしても、それほどまでに強い付与を与えてくださり、私たちのためにご自分の手でブレスレットを作って下さったセレスティーナ様。

 とてもお優しい方です。
お美しく、優秀で、しかもお優しい皇女殿下。皇太子殿下が溺愛なさるのはとても理解できますわ。
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