43 / 96
第3章
愛される姫君《メリッサ視点》
しおりを挟む
セレスティーナ・アルバム皇国皇女殿下は、煌めく銀の髪と瞳の、とてもお美しい姫君です。
私の名前は、メリッサ・フルーニーと申します。フルーニー公爵家の次女ですわ。
私には5歳年上の姉がおります。
公爵である父は、姉を皇太子殿下に嫁がされたかったみたいですが、5年前に皇太子殿下は従姉妹である皇女殿下と婚約なさいました。
中には、皇女殿下を嫁がせたくない国王陛下たちが無理矢理に皇太子殿下との婚約を決めたと噂される方もいらっしゃいましたが、私にはそうは思えません。
いえ。国王陛下たちが嫁がせたくないのはその通りなのでしょうが、皇太子殿下が望まれたように思えます。
だって、皇太子殿下は皇女殿下にメロメロなんですもの。
でも、その気持ちはものすごくわかりますわ。
私は左手で輝くガーネットが煌めくブレスレットに視線を向けます。
このブレスレットは、セレスティーナ様が自ら作って下さったものです。
ガーネットの中には、シルバーの薔薇が埋め込まれています。
その薔薇の細工もセレスティーナ様が作られたと聞いて、驚きましたわ。小指の爪の半分ほどの小さな小さな薔薇なのです。
それが、ガーネットの中で煌めきを放っています。
アルバム皇国の高位貴族は、魔力が多くあります。王族であるセレスティーナ様も多くの魔力を秘められているそうです。
ですが、まだ13歳の皇女殿下が石の中に細工を埋め込み、魔法を付与なさるなんて、とても優秀な方なのだと思います。
魔術師団長の御息女であるイリーナ様は、お家柄か魔法のことにとてもお詳しくて、込められた付与がとてもすごいものだと教えて下さいました。
防御の魔法らしいですが、とても強い魔法らしく、イリーナ様もここまで強い付与を全員分付与しようとしたら魔力枯渇を招くとおっしゃられていました。
魔力は使い過ぎると枯渇してしまいます。
しばらく寝込んだりすれば回復しますが、命を落としてしまうこともあるのです。
そんな危険なことをされたのかと不安になったのですが、セレスティーナ様は学園をお休みすることもありませんでしたし、普通に学園生活をなさっておいででした。
イリーナ様はセレスティーナ様の魔力が桁違いに多いのではとおっしゃられていましたわ。
魔力がとても多いとしても、それほどまでに強い付与を与えてくださり、私たちのためにご自分の手でブレスレットを作って下さったセレスティーナ様。
とてもお優しい方です。
お美しく、優秀で、しかもお優しい皇女殿下。皇太子殿下が溺愛なさるのはとても理解できますわ。
私の名前は、メリッサ・フルーニーと申します。フルーニー公爵家の次女ですわ。
私には5歳年上の姉がおります。
公爵である父は、姉を皇太子殿下に嫁がされたかったみたいですが、5年前に皇太子殿下は従姉妹である皇女殿下と婚約なさいました。
中には、皇女殿下を嫁がせたくない国王陛下たちが無理矢理に皇太子殿下との婚約を決めたと噂される方もいらっしゃいましたが、私にはそうは思えません。
いえ。国王陛下たちが嫁がせたくないのはその通りなのでしょうが、皇太子殿下が望まれたように思えます。
だって、皇太子殿下は皇女殿下にメロメロなんですもの。
でも、その気持ちはものすごくわかりますわ。
私は左手で輝くガーネットが煌めくブレスレットに視線を向けます。
このブレスレットは、セレスティーナ様が自ら作って下さったものです。
ガーネットの中には、シルバーの薔薇が埋め込まれています。
その薔薇の細工もセレスティーナ様が作られたと聞いて、驚きましたわ。小指の爪の半分ほどの小さな小さな薔薇なのです。
それが、ガーネットの中で煌めきを放っています。
アルバム皇国の高位貴族は、魔力が多くあります。王族であるセレスティーナ様も多くの魔力を秘められているそうです。
ですが、まだ13歳の皇女殿下が石の中に細工を埋め込み、魔法を付与なさるなんて、とても優秀な方なのだと思います。
魔術師団長の御息女であるイリーナ様は、お家柄か魔法のことにとてもお詳しくて、込められた付与がとてもすごいものだと教えて下さいました。
防御の魔法らしいですが、とても強い魔法らしく、イリーナ様もここまで強い付与を全員分付与しようとしたら魔力枯渇を招くとおっしゃられていました。
魔力は使い過ぎると枯渇してしまいます。
しばらく寝込んだりすれば回復しますが、命を落としてしまうこともあるのです。
そんな危険なことをされたのかと不安になったのですが、セレスティーナ様は学園をお休みすることもありませんでしたし、普通に学園生活をなさっておいででした。
イリーナ様はセレスティーナ様の魔力が桁違いに多いのではとおっしゃられていましたわ。
魔力がとても多いとしても、それほどまでに強い付与を与えてくださり、私たちのためにご自分の手でブレスレットを作って下さったセレスティーナ様。
とてもお優しい方です。
お美しく、優秀で、しかもお優しい皇女殿下。皇太子殿下が溺愛なさるのはとても理解できますわ。
57
お気に入りに追加
1,474
あなたにおすすめの小説
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
【完結】聖女と結婚ですか? どうぞご自由に 〜婚約破棄後の私は魔王の溺愛を受ける〜
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
「アゼリア・フォン・ホーヘーマイヤー、俺はお前との婚約を破棄する!」
「王太子殿下、我が家名はヘーファーマイアーですわ」
公爵令嬢アゼリアは、婚約者である王太子ヨーゼフに婚約破棄を突きつけられた。それも家名の間違い付きで。
理由は聖女エルザと結婚するためだという。人々の視線が集まる夜会でやらかした王太子に、彼女は満面の笑みで婚約関係を解消した。
王太子殿下――あなたが選んだ聖女様の意味をご存知なの? 美しいアゼリアを手放したことで、国は傾いていくが、王太子はいつ己の失態に気づけるのか。自由に羽ばたくアゼリアは、魔王の溺愛の中で幸せを掴む!
頭のゆるい王太子をぎゃふんと言わせる「ざまぁ」展開ありの、ハッピーエンド。
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2021/08/16 「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
※2021/01/30 完結
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
トカゲ令嬢とバカにされて聖女候補から外され辺境に追放されましたが、トカゲではなく龍でした。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
リバコーン公爵家の長女ソフィアは、全貴族令嬢10人の1人の聖獣持ちに選ばれたが、その聖獣がこれまで誰も持ったことのない小さく弱々しいトカゲでしかなかった。それに比べて側室から生まれた妹は有名な聖獣スフィンクスが従魔となった。他にもグリフォンやペガサス、ワイバーンなどの実力も名声もある従魔を従える聖女がいた。リバコーン公爵家の名誉を重んじる父親は、ソフィアを正室の領地に追いやり第13王子との婚約も辞退しようとしたのだが……
王立聖女学園、そこは爵位を無視した弱肉強食の競争社会。だがどれだけ努力しようとも神の気紛れで全てが決められてしまう。まず従魔が得られるかどうかで貴族令嬢に残れるかどうかが決まってしまう。
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
「聖女は2人もいらない」と追放された聖女、王国最強のイケメン騎士と偽装結婚して溺愛される
沙寺絃
恋愛
女子高生のエリカは異世界に召喚された。聖女と呼ばれるエリカだが、王子の本命は一緒に召喚されたもう一人の女の子だった。「 聖女は二人もいらない」と城を追放され、魔族に命を狙われたエリカを助けたのは、銀髪のイケメン騎士フレイ。 圧倒的な強さで魔王の手下を倒したフレイは言う。
「あなたこそが聖女です」
「あなたは俺の領地で保護します」
「身柄を預かるにあたり、俺の婚約者ということにしましょう」
こうしてエリカの偽装結婚異世界ライフが始まった。
やがてエリカはイケメン騎士に溺愛されながら、秘められていた聖女の力を開花させていく。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
マーベル子爵とサブル侯爵の手から逃げていたイリヤは、なぜか悪女とか毒婦とか呼ばれるようになっていた。そのため、なかなか仕事も決まらない。運よく見つけた求人は家庭教師であるが、仕事先は王城である。
嬉々として王城を訪れると、本当の仕事は聖女の母親役とのこと。一か月前に聖女召喚の儀で召喚された聖女は、生後半年の赤ん坊であり、宰相クライブの養女となっていた。
イリヤは聖女マリアンヌの母親になるためクライブと(契約)結婚をしたが、結婚したその日の夜、彼はイリヤの身体を求めてきて――。
娘の聖女マリアンヌを立派な淑女に育てあげる使命に燃えている契約母イリヤと、そんな彼女が気になっている毒舌宰相クライブのちょっとずれている(契約)結婚、そして聖女マリアンヌの成長の物語。
【完結】捨てられた聖女は王子の愛鳥を無自覚な聖なる力で助けました〜ごはんを貰ったら聖なる力が覚醒。私を捨てた方は聖女の仕組みを知らないようで
よどら文鳥
恋愛
ルリナは物心からついたころから公爵邸の庭、主にゴミ捨て場で生活させられていた。
ルリナを産んだと同時に公爵夫人は息絶えてしまったため、公爵は別の女と再婚した。
再婚相手との間に産まれたシャインを公爵令嬢の長女にしたかったがため、公爵はルリナのことが邪魔で追放させたかったのだ。
そのために姑息な手段を使ってルリナをハメていた。
だが、ルリナには聖女としての力が眠っている可能性があった。
その可能性のためにかろうじて生かしていたが、十四歳になっても聖女の力を確認できず。
ついに公爵家から追放させる最終段階に入った。
それは交流会でルリナが大恥をかいて貴族界からもルリナは貴族として人としてダメ人間だと思わせること。
公爵の思惑通りに進んだかのように見えたが、ルリナは交流会の途中で庭にある森の中へ逃げてから自体が変わる。
気絶していた白文鳥を発見。
ルリナが白文鳥を心配していたところにニルワーム第三王子がやってきて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる