115 / 130
閑話〜愚か者たちの最後②〜自称ヒロイン?視点〜
しおりを挟む
どうしてこんなことになったの?
マキシミリオン王国の学園は、全ての貴族が通う。
だから、男爵家に生まれた私も当然入学したわ。
しばらく学園に通っていると、高位貴族のご令嬢たちがひとりのご令嬢に詰め寄っているのに遭遇した。
艶やかな黒髪に黒い瞳をした、可愛らしいご令嬢。
どうやら彼女は、他国の伯爵令嬢らしくて、マキシミリオン王国の第三王子殿下と婚約しているらしい。
それを高位貴族のご令嬢たちは気に入らないみたいで、別れろって言ってるみたい。
自分で生まれを選べるわけじゃないのに、どうして高位貴族の人たちって身分身分って言うのかしら。
本人の能力や功績で、身分が決まってるわけでもないのに。
だから「そういうことを言うのはおかしい」って言ったのよ。
私は間違ってないのに、彼女たちは今度は私に謝罪しろって言い出した。
そうしたら、その黒髪のご令嬢と公爵令嬢とかいう人が現れて、彼女たちをやっつけてしまったの。
ちょっと面倒だったからあれだけど、そういうふうに身分をひけらかすのはどうかと思うわ。
だから素直にそう言ったのに、何でそんな目で見るの?
学園は平等を謳ってるのだから、私の言ってることは正しいことでしょ?
この人たちも結局、あの人たちと同じなんだわ。
女の子って嫌い。
私が男の子と話してるだけで、文句を言って来たり、仲間はずれにしたり。
男の子はその点、みんな私に優しい。
あの黒髪のご令嬢の婚約者って、第三王子殿下なのよね?
婚約者に注意されたら、あの人も反省するかも。
そう思って、王子殿下に話しかけようとするのに、全く相手にしてくれない!
どうして?
今まで、私を避ける男の子なんていなかったのに!
いつのまにか、あのご令嬢を注意してもらうって目的は、王子殿下と仲良くなるって目的に変わっていた。
この人に優しくされたい。
この人が私を大切にしているのを見たら、きっと私に文句を言って来たご令嬢たちも、それから公爵令嬢や婚約者のご令嬢も、私を認めるわ。
そう思って話しかけ続けていたら、少しずつそばにいることができるようになった。
話はしてくれないけど、そばにいても誰も文句は言わない。
それに、今度パーティーにエスコートしてくれるって!
きっと王子殿下も、私のことを好きになってくれたんだわ!
パーティーを楽しみにしてたのに、ある日突然、学園帰りに拘束されて、お城へ連れて行かれた。
目隠しをされ、手にも何か付けられた。
なに?何なのっ?
「王族に魅了魔法を使うなんて、タダで済むわけがないだろうに」
は?なにそれ。
マキシミリオン王国の学園は、全ての貴族が通う。
だから、男爵家に生まれた私も当然入学したわ。
しばらく学園に通っていると、高位貴族のご令嬢たちがひとりのご令嬢に詰め寄っているのに遭遇した。
艶やかな黒髪に黒い瞳をした、可愛らしいご令嬢。
どうやら彼女は、他国の伯爵令嬢らしくて、マキシミリオン王国の第三王子殿下と婚約しているらしい。
それを高位貴族のご令嬢たちは気に入らないみたいで、別れろって言ってるみたい。
自分で生まれを選べるわけじゃないのに、どうして高位貴族の人たちって身分身分って言うのかしら。
本人の能力や功績で、身分が決まってるわけでもないのに。
だから「そういうことを言うのはおかしい」って言ったのよ。
私は間違ってないのに、彼女たちは今度は私に謝罪しろって言い出した。
そうしたら、その黒髪のご令嬢と公爵令嬢とかいう人が現れて、彼女たちをやっつけてしまったの。
ちょっと面倒だったからあれだけど、そういうふうに身分をひけらかすのはどうかと思うわ。
だから素直にそう言ったのに、何でそんな目で見るの?
学園は平等を謳ってるのだから、私の言ってることは正しいことでしょ?
この人たちも結局、あの人たちと同じなんだわ。
女の子って嫌い。
私が男の子と話してるだけで、文句を言って来たり、仲間はずれにしたり。
男の子はその点、みんな私に優しい。
あの黒髪のご令嬢の婚約者って、第三王子殿下なのよね?
婚約者に注意されたら、あの人も反省するかも。
そう思って、王子殿下に話しかけようとするのに、全く相手にしてくれない!
どうして?
今まで、私を避ける男の子なんていなかったのに!
いつのまにか、あのご令嬢を注意してもらうって目的は、王子殿下と仲良くなるって目的に変わっていた。
この人に優しくされたい。
この人が私を大切にしているのを見たら、きっと私に文句を言って来たご令嬢たちも、それから公爵令嬢や婚約者のご令嬢も、私を認めるわ。
そう思って話しかけ続けていたら、少しずつそばにいることができるようになった。
話はしてくれないけど、そばにいても誰も文句は言わない。
それに、今度パーティーにエスコートしてくれるって!
きっと王子殿下も、私のことを好きになってくれたんだわ!
パーティーを楽しみにしてたのに、ある日突然、学園帰りに拘束されて、お城へ連れて行かれた。
目隠しをされ、手にも何か付けられた。
なに?何なのっ?
「王族に魅了魔法を使うなんて、タダで済むわけがないだろうに」
は?なにそれ。
1,490
お気に入りに追加
5,618
あなたにおすすめの小説

[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります

王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
(完結)婚約破棄から始まる真実の愛
青空一夏
恋愛
私は、幼い頃からの婚約者の公爵様から、『つまらない女性なのは罪だ。妹のアリッサ王女と婚約する』と言われた。私は、そんなにつまらない人間なのだろうか?お父様もお母様も、砂糖菓子のようなかわいい雰囲気のアリッサだけをかわいがる。
女王であったお婆さまのお気に入りだった私は、一年前にお婆さまが亡くなってから虐げられる日々をおくっていた。婚約者を奪われ、妹の代わりに隣国の老王に嫁がされる私はどうなってしまうの?
美しく聡明な王女が、両親や妹に酷い仕打ちを受けながらも、結局は一番幸せになっているという内容になる(予定です)



あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」

妹に婚約者を奪われたので妹の服を全部売りさばくことに決めました
常野夏子
恋愛
婚約者フレデリックを妹ジェシカに奪われたクラリッサ。
裏切りに打ちひしがれるも、やがて復讐を決意する。
ジェシカが莫大な資金を投じて集めた高級服の数々――それを全て売りさばき、彼女の誇りを粉々に砕くのだ。

願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる