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閑話〜愚か者たちの最後〜王妃視点
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「何をするっ!僕は王太子だぞっ!」
喚き散らす息子に、ため息しか出ない。
王太子という地位がなんだというのかしら。
むしろ王太子でありながら、愚かな行動をしたから責任を取らなければならないことに、どうしてこの子は気付かないの?
セレンは昔から、何でもそつなくこなす子だった。
魔力量も父親である陛下より多く、マーガレットという婚約者を得て、王太子として問題ないと思っていた。
次男のルーファスと三男のシリルが、兄の座を脅かさない子だったのがいけなかったのかもしれない。
まさか、メルキオール帝国の皇女殿下に牙を剥くだなんて。
確かに、マキシミリオン王国は魔法大国と呼ばれていて、魔法に関しては他国より優れている。
だけどまさか、それだけでメルキオール帝国よりも優れていると思っていたなんて。
魔法だけでなら、メルキオール帝国を組み伏せることはできるかもしれない。
だけど、あの国にはルーファスがいるのよ?
あの子は魔法師たちに慕われていて、その関係でメルキオール帝国に魔法師を派遣という形で送っているのを忘れたの?
シリルもそう。
あの子は皇女殿下のためなら、この国に敵対するかもしれない。
ルーファスが皇配になっているから、うちと敵対しないとでも考えた?
本当に、セレンは夫に似ている。
猿轡をされ、両手を後ろ手に拘束される息子に魔法封じの手枷を付ける。
「ゔーっ!ゔゔーっ!」
「セレン。あなたは王太子。マキシミリオンの王族として、メルキオール帝国皇女殿下に対する不敬の責任を取らなければなりません」
「!」
皇女殿下は、シリルとの婚約解消を告げられただけで、何も罰を告げられなかった。
だけど、報告を受けたルーファスが父である国王陛下と兄である王太子の毒杯を求めて来た。
表向きには病死とし、シリルが王太子として立太子すること。
シリルの婚約者は二年間は決めず、レシピエンス王国の王女殿下との顔合わせは行ってもいいが、あくまでも候補止まりにすること。
王妃と王太子妃は、シリルを支え国の混乱を防ぐために身命を賭すこと。
ルーファスは冷ややかに、父親と兄の死を求めた。
息子の対応を酷いとは思わない。
本来なら、戦争を避けるために私たちの首も差し出すほどの愚行だったのだから。
夫も、セレンも甘すぎる。
皇女殿下との婚約が成っていながら、レシピエンス王国との婚約を企んでいたことは、皇女殿下を、メルキオール帝国を、馬鹿にしていると言われても仕方ないことなのだから。
喚き散らす息子に、ため息しか出ない。
王太子という地位がなんだというのかしら。
むしろ王太子でありながら、愚かな行動をしたから責任を取らなければならないことに、どうしてこの子は気付かないの?
セレンは昔から、何でもそつなくこなす子だった。
魔力量も父親である陛下より多く、マーガレットという婚約者を得て、王太子として問題ないと思っていた。
次男のルーファスと三男のシリルが、兄の座を脅かさない子だったのがいけなかったのかもしれない。
まさか、メルキオール帝国の皇女殿下に牙を剥くだなんて。
確かに、マキシミリオン王国は魔法大国と呼ばれていて、魔法に関しては他国より優れている。
だけどまさか、それだけでメルキオール帝国よりも優れていると思っていたなんて。
魔法だけでなら、メルキオール帝国を組み伏せることはできるかもしれない。
だけど、あの国にはルーファスがいるのよ?
あの子は魔法師たちに慕われていて、その関係でメルキオール帝国に魔法師を派遣という形で送っているのを忘れたの?
シリルもそう。
あの子は皇女殿下のためなら、この国に敵対するかもしれない。
ルーファスが皇配になっているから、うちと敵対しないとでも考えた?
本当に、セレンは夫に似ている。
猿轡をされ、両手を後ろ手に拘束される息子に魔法封じの手枷を付ける。
「ゔーっ!ゔゔーっ!」
「セレン。あなたは王太子。マキシミリオンの王族として、メルキオール帝国皇女殿下に対する不敬の責任を取らなければなりません」
「!」
皇女殿下は、シリルとの婚約解消を告げられただけで、何も罰を告げられなかった。
だけど、報告を受けたルーファスが父である国王陛下と兄である王太子の毒杯を求めて来た。
表向きには病死とし、シリルが王太子として立太子すること。
シリルの婚約者は二年間は決めず、レシピエンス王国の王女殿下との顔合わせは行ってもいいが、あくまでも候補止まりにすること。
王妃と王太子妃は、シリルを支え国の混乱を防ぐために身命を賭すこと。
ルーファスは冷ややかに、父親と兄の死を求めた。
息子の対応を酷いとは思わない。
本来なら、戦争を避けるために私たちの首も差し出すほどの愚行だったのだから。
夫も、セレンも甘すぎる。
皇女殿下との婚約が成っていながら、レシピエンス王国との婚約を企んでいたことは、皇女殿下を、メルキオール帝国を、馬鹿にしていると言われても仕方ないことなのだから。
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