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罪と罰。

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「というわけで、シリルへの罰はレシピエンス王国王女殿下との婚約への前向きな対応と、王太子へ立太子するための努力、ね。実際に婚約するかどうかと、立太子できるかどうかは、本人の資質もあるからあくまでも予定だけれど」

 お母様の言葉に頷く。
シリルには資質はあると思うけど、その重責に潰されないかどうかは微妙なところね。

 シリルは優しすぎるから。

 婚約は・・・
レシピエンス王国の王女殿下と時間を多く共にした上に、シリルは責任感も強いから受け入れる可能性が高いかもしれないわ。

「それから例の男爵令嬢だけど、国王陛下たちの処罰と同時に捕縛するわ。捕縛後は、魔法師たちに下賜する予定よ。強い魅了使いだから、徹底分析するらしいわ」

 それは・・・
まぁ、当然の処罰かもしれないわ。

 魔法師の方たちは、ご自分たちを使ってたくさんの試行錯誤をして新たな魔道具を作られていると聞いた。

 強い魅了にも対応できる魔道具を作るためにも、分析は大切よね。

 もっと早く、そう対処するべきだったのではないかしら。

 彼女が魅了持ちだと判別出来なかったから、担当者が戻るまでは仕方なかったとしても、対応がおかしいことを私も早く気付くべきだったわ。

 他国のことだからと、深く考えなかった。

 お義兄様に相談していたら、すぐに国王陛下たちの対応がおかしいと気付かれていたはずだわ。

 陛下たちは、私を軽視していた。

 ルーファスお義兄様が皇配になっているから、メルキオール帝国との縁よりも他を望んだのでしょう。

 でも、シリルが私ではなければ駄目だと譲らなかった。

 そこに、現れたのがミリー様。
彼女を利用しようとしたのでしょうね。

 実際、結果として国王陛下たちの望むような結末となったわ。

 シリルと私の婚約は解消となり、レシピエンス王国の王女殿下との婚約が成る可能性が高い。

 もっとも彼らには表舞台から退場してもらうことになるけど。

 私の対応が違っていたら、この結末にはならなかったわ。

 シリル・・・
あなたの隣で強くなると決めたのに。

「それから・・・クロエ、あなたへの罰だけれど」

「はい」

「お母様?クロエに罰だなんて!」

 お姉様が抗議の声をあげてくれるけど、私に罪がないわけじゃないことは、私自身にも分かっているの。

「オーロラも理解っているでしょう?クロエは対応を間違ったの。仕方なかったとはいえ、これで二度も婚約解消となったわ。私たちはそれでもクロエが好きだし可愛いけど、他国からはに見られることになるわ」

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